ボス戦2
なんと!投稿一日目で日間ランキング45位、PV22000オーバー、ユニークも2000人オーバーを達成しました!
これも皆さんのおかげです!ありがとうございます!
『条件を達成しました。サモナーの上位職、サモンマスターへの転職が可能です』
いきなりシステムメッセージが目の前に浮かんできた。上位職への転職?サモンマスター?これってまさか……
「どうしてこうなったのかは知らないが決まってる。転職するぜ!」
そう、これは灯が言っていた条件を満たすことで上位職になることができるという現象だろう。今はもうこれに賭けるしかない。
転職することを決めたら新たにシステムメッセージが書き込まれた。
『サモンマスターへの転職を完了しました。スキル【オーバーサモン】を獲得しました。スキル欄に空きがないため控えに登録されます。
サモンモンスターのレベルが解放されます。手動でステータスポイントを振り分けるか自動で振り分けるかを選んでください』
メッセージの下に「手動」と「自動」というボタンが出現した。ステータスポイントの自動振り分け?なんのことを言ってるんだ?
それに新スキル?【オーバーサモン】って一体……。
「ルオオ―――――――――ン!」
「「「「「グルルルルルルル!!!!!」」」」
「ってやべえ!パラライズトルネードの効果が切れた!……あ――――――!」
やっちまった!パラライズトルネードの効果が切れたことに動揺して間違って「自動」のボタンを押しちまった!
『自動で振り分けることを確認しました。サモンモンスターのステータス項目の内、最も数字の高い項目の上位二つにステータスポイントを均等に振り分けます』
「ルオオ―――――――――ン!」
「「「「「グルルルルルルル!!!!!」」」」」
「やべえ、もう来やがった!」
もうシステムメッセージの意味なんていちいち考えている場合じゃない!とにかく迎撃の準備をしないと!
とりあえず時間がかかりそうなスキルのことは後回しだ!
「くっそ!迎え撃つぞ、ゴーレム!」
先ほどと同じように先行してやってくるのはグレイウルフリーダーだ。もう距離が詰められていてさっきのように拘束で止めてもまともに攻撃をくらう距離だ。
やられる――――――――――そう思ったときだった。
「ゴオオオオオオオ!!!」
「ギャン!」
なんと!俺の後ろにいたゴーレムがその拳で勢いよく迫ってくるグレイウルフリーダーの顔を横から殴りつけたのだ!
「な、どうなってるんだ!?さっきまでゴーレムにこんな力はなかったはずだ!」
振り返って見てみるとゴーレムの体格が変わっており体長は約四メートルほどにまで大きくなり、その身体はこの部屋に入る前と比べ物にならないほどがっしりとしており、たくましさを倍増させている。
殴られたグレイウルフリーダーは頭を殴られたせいか一時的にダウン状態になって動きを止めている。他のゲームでいうところのピヨッたというやつだろう。
「チャンスだ!ゴーレム、あいつを両手で掴んで振り回せ!あの取り巻き達を一掃するんだ!」
「ゴゴゴ―――!」
手に持っていた両手剣をその場に乱暴に突き刺し、ダウン状態になっているグレイウルフリーダーの両前脚を掴み、遅れてやってくるグレイウルフ達に向かって振り回す。
その振り回す速度も相当なもので、自分よりも大きなグレイウルフリーダーを持ち上げているはずなのに勢いはまるでゴブリンやコボルトを振り回していた時のそれと比べても引けを取らない。
「ゴゴゴ―――!」
「「「「「ギャウ―――ン!!!!!」」」」」
瞬く間に取り巻きのグレイウルフ達が一掃されていく。なんと一撃だ!グレイウルフリーダーを振り回して当てた一撃でグレイウルフ達がガシャン!と音を立てて消えていく。
「ルオオ!ルオオ――――!」
「ゴゴゴ―――!」
振り回し終わったグレイウルフリーダーを掴んだままゴーレムはその場に立っている。グレイウルフリーダーは後脚や口の牙を使ってゴーレムにダメージを与えようとしているが体勢の性かゴーレムの防御力が高いのかまともにダメージが入らない。
イエローゾーンに限りなく近いレッドゾーンとはいえ残り少ないゴーレムのHPをまともに削れていないのだ。
「ゴーレム、そいつを地面に叩きつけろ!何度もだ!そうすればダメージが入っていづれは倒せる!」
「ゴゴゴ―――!」
「グル!ルオ!ルオオ――ン!」
ゴーレムが何度も何度もグレイウルフリーダーを地面に叩きつける。こうなってしまえばさすがのグレイウルフリーダーもまともな抵抗をすることはできずになされるがままになっている。
何かに叩きつけただけでもダメージが入るのはゴーレムのモンスター投げで実証済みなのでグレイウルフリーダーのHPが徐々に、しかし確実に削れていく。
俺はここに来てやっと少しは余裕ができたので残った初心者用HPポーションをありったけゴーレムに使いまくる。
俺のHP、MPは転職してサモンマスターになったときにすでに全快している。
全部のポーションを使ったおかげで効果は低かったがなんとかゴーレムのHPをギリギリイエローゾーンにまでは戻すことができた。
「俺も参加するぜ!スパーク!スパーク!スパーク!」
スパークを連発して攻撃に参加する。グレイウルフリーダーのHPが減るスピードがわずかではあるが早まっていく。
もうすでにグレイウルフリーダーのHPはイエローゾーンに突入している。心なしかスパークの威力が上がっている感じがする。このままのペースで行けばなんとかなるだろう。
それからどれ位たっただろうか、ついにグレイウルフリーダーのHPがレッドゾーンに突入し、もう少しで0になるところにまで追い詰めた。あと一撃でケリがつきそうだ。
「これで終わりだあああ!スパーク!」
「ギャオオオオ――――――ン!」
最後に断末魔を上げ、グレイウルフリーダーがガシャンと音を立ててその身体を砕け散らせて消滅した。
砕け散ると同時にシステムメッセージが俺の目の前に現れる。
『シュラーの森のボス、グレイウルフリーダーを撃破しました』
『単独撃破ボーナスを獲得しました』
『初回撃破ボーナスを獲得しました』
『最後攻撃ボーナス』を獲得しました』
『サモンモンスターのレベルが20をこえました。上位種にランクアップできます。ランクアップは始まりの街で行ってください』
そのシステムメッセージを呆然と眺め、少しの間呆けていたが不意にやっと倒したのだという実感が湧いてきた。
「やった……やったのか?やったんだな!……よっしゃ――――!」
「ゴゴゴ―――!!!」
ゴーレムも一緒になって勝ちどきを上げる。思わず俺はゴーレムに跳びついてしまった。その身体はゴツゴツしていたが今はこの上なく頼もしい仲間の象徴に思えた。
ひとしきり喜び落ち着いてきたら今度はなぜこんなことが起きたのかという疑問を解消するためにその場に座り込み検証を始める。
ボスを倒した後のこの空間はグレイウルフリーダーを倒した後扉が出現しており、どうやらそこをくぐるまではそのままになっているようだった。
ステータスを開き、まずは新しいジョブであるサモンマスターの説明を見る。
サモンマスター
サモンモンスターの自律的な成長をさせることを可能にした一流の召喚士。サモンモンスターを出しているとき常にMPを消費する。
転職条件:サモンモンスターよりもレベル・ステータスが高いモンスターの攻撃からサモンモンスターをかばう。
転職条件がサモンモンスターよりも格上の相手からかばうになっている。たぶんあれだな。拘束で攻撃を何とか止めたときの奴だろう。
俺もそうだったが、サモンモンスターは基本的に危ない目にあわせることが多い。自分をかばわせることはしてもプレイヤー自身が庇うことなんてしないから最初にサモナーを選んだやつもこの条件に気付かなかったのだろうな。
それにしてもサモンモンスターの自律的な成長を可能にした?一体どういうことだ?そう思ってゴーレムのステータスを表示してみる。
「な、なんだよこれ!なんだよこの数値!」
ゴーレム
LV:22
STR 49
VIT 55
INT 2
DEX 5
AGI 5
残りステータスポイント:6
装備:ブロンズツーハンドソード
いきなりSTRとVITの数値がすごいことになっている!前はそれぞれ20と27しかなかったのに……。
もしかしてあのステータスを自動で振り分けるってこのことか?でもゴーレムになんで57もステータスポイントがあるんだ?
…………もしかしたらサモンモンスターだけに戦わせたときにプレイヤーに送られてくる経験値の三分の一の残りの三分の二はもしかしたらサモンモンスターに流れてたのか?
だとしたら納得できる。そうなると俺とゴーレムの取得経験値の比は1:2となる。つまりゴーレムのレベルは俺の約二倍になるということになり、俺は今レベル10なのでゴーレムのレベルは約20増えることなる。
きっと最初にサモンモンスターを選んだ時にサモンモンスターのレベルは1だったということなのだろう。
だがプレイヤーが直接戦闘をして倒した場合、経験値はサモンモンスターよりも多くなる場合がある。だから単純に俺のレベルの二倍になるということではなく恐らくレベルが解放された時は俺よりも少し低かったはずだ。だがなんでレベルが22になってるんだ?
「もしかして今の戦闘の性か?」
そう思って自分のステータスを開いてみると
セス:サモンマスター
LV:12
STR 16
VIT 22
INT 25
DEX 10
AGI 10
残りステータスポイント:16
となっていた。やはりというかボス戦のおかげでレベルが一気に2も上がっている。ステフリをしていないのにステータスが上がっているのはサモンマスターに転職したからだろう。
今回はVITが上がらずINTが上がったようだ。今思えばあの魔法職にも関わらず無駄に高いVITは転職のために布石だったんだろう。今は必要ないから素直にINTにいったってとこか。
そして嬉しいことにゴーレムが上位種になれるとのことだ。どうなるのだろう?ただ、今よりも強くなることは確かだ。
早いところ始まりの街に向かいたいが折角ボスを倒して次のエリアに行けるようになったのだ。もう行けるところまで行ってしまおう。
門のところまで行くとシステムメッセージが現れ、『生産の街エレガティスへのルートを開きますか?』と出た。もちろんYESを選択する。
すると門が開かれた。期待を胸にその門の中に飛び込む。
さて、明日からの投稿は昼間の12時からになります。恐らく家に帰ってからでも新着小説紹介の10件の中に入る時間帯だと思います。
お昼休みや学校、仕事が終わってからででもどうぞお読みください。
たくさんの方々に評価をもらい、読んで頂けたことに心よりの感謝をしています。ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします!