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【第6話:俺とお前は……兄弟なんかじゃねーよ!】

どうも、作者です!

本編の激闘(物理)に入る前に、ちょっとだけ宣伝させてください!

実は別枠で、もう一つラブコメ小説を連載しています。

タイトルはこちら!ドンッ!

『俺の母が若返って女子高生になったので、仕方なく一緒に高校生活をやり直すことになりましたが、なぜかクラスの美少女に彼氏扱いされて修羅場です』

……タイトル長っ!!(自分でツッコむスタイル)

若返ったオカンと一緒に高校生活を送るハメになった主人公の、胃痛がマッハなドタバタ修羅場ラブコメです。もしお時間があれば、ぜひそちらもチラッと覗いてみてくださいね!

さてさて、今回はバッグ・ブラザーズ(?)の爆発バトルと、まさかのゴミ収集車ダイブです!

それでは第6話、スタート!

青金と炎のように赤い変身の煙が晴れると、星野瑞希の部屋はまるで武闘会の闘技場のように荒れ果てていた。学習机はひっくり返り、教科書やノートが部屋中に散乱している。

だが、それ以上に衝撃的なのは、部屋の中央にそびえ立つ「二人の大男」の姿だった!

一人は田中小結一(元・青いスポーツバッグ)。今日に限って瑞希が文化祭用の『巫女服』を彼の中に突っ込んでいたせいで、不運にも小結一は白衣と真っ赤な袴を身に纏ったマッチョ男になっていた。筋肉で袴ははち切れそうになり、パツンパツンに張り詰めた胸元からは、今にも弾け飛びそうなボタンの隙間から分厚い胸板が覗いている。

そしてもう一人……それは、あの『限定モデルの赤いバッグ』に落ちた冷たい水滴から誕生した存在。長身で引き締まった筋肉、浅黒い肌に、炎のように逆立った赤髪。新しいバッグで中身が空っぽだったため、彼の体は『赤と黒のピッチリしたボディスーツ』に包まれていた。(※作者が年齢制限に引っかからないように配慮したためである……断じてバッグの裏地由来ではない)。その姿は、まるでSFアニメの悪役ヴィランのように爆裂にカッコよかった!

「フフフ……なんだこの溢れ出る力は……。漲るパワーを感じるぞ……」

赤スーツの男は拳を握りしめ、太い腕に血管を浮かび上がらせた。その血のように赤い両目は、まるで飢えた野獣のように部屋を見回している。

床にへたり込んだ瑞希は、パチクリと瞬きをした。先ほどの極度のショックは徐々に混乱へと変わり、学年トップクラスの優秀な頭脳が、目の前のバグった論理を懸命に処理しようとする。

「これって……どういうこと……」瑞希は呟いた。「青いバッグが……変態巫女忍者になって……赤いバッグが……ピチピチスーツのヴィランに……。ってことは……あんたたちは私を守るために生まれた『バッグ・ブラザーズ』ってこと!?」

「違うわぁぁぁ!!」

巫女服の小結一が部屋を震わせるほどの大声で叫んだ。彼はお姫様を守る騎士のように、瑞希の前に立ちふさがった。

「いいから俺の話を聞け! 俺はこんな奴と兄弟なんかじゃねえ! あいつの顔を見てみろ! あのヤバすぎる殺気、どう見ても『異世界の魔神』だろ! そう! 平和を壊すために次元を超えてやってきた魔神なんだよ!!」

小結一は、自分が変態バッグであるという事実から目を逸らさせるため、平然と悪役のポジションを相手に丸投げして必死にでっち上げた。

赤スーツの男は片方の眉を吊り上げ、ニヤリと口角を上げた。

「異世界の魔神、だと? フッ……悪くない響きだ……気に入った! 俺はこの世界を喰らい尽くす魔神! そして最初の生贄は貴様らだ!!」

「ほら見ろ瑞希ちゃん! ゲロったぞ! 早く逃げろ、俺があいつを食い止める! だって俺はこの物語の主人公だからな!!」

小結一はヒーローのようなポーズをビシッと決めた。(※ただし、ピチピチの巫女服姿なので死ぬほどダサい)。

だが、瑞希は逃げなかった。ゆっくりと立ち上がり、制服のスカートの埃を払う。その目に恐怖の色はすっかり消え失せ、代わりに目の前の状況に完全に没入したオタク女子特有の異様な輝きを放っていた。

「なるほど……要するに私を中心とした『守護精霊』と『異世界の魔神』の戦いってわけね!」瑞希はポンッと手を打った。「それなら、主である私が名前を与えて、あんたたちの隠された力を解放してあげなきゃ!」

「えっ? ち、ちょっと待て、名前なんていらな……」小結一が止めようとする。

「そこの巫女服のあんた!」瑞希は小結一をビシッと指差した。「あんたは私の愛する元のバッグから生まれたから……名前は『パオタン(Pao-tan)』よ!!」

「パオタン!?」小結一は崩れ落ちそうになった。「なんだその名前! どっかの国の政府公式の電子決済アプリ(※เป๋าตัง)みたいな響きじゃねーか! 全然カッコよくないだろ!!」

「そしてあんた! 赤いスーツの魔神!」瑞希は赤スーツの男に指を向けた。「あんたはクリムゾン・レッドのバッグから生まれたから……名前は『レッドたん(Red-tan)』よ!!」

「フッ……レッドたん……。血と炎の匂いがする良い名前だ……。受け取ろう!」

赤いレッドたんは喉の奥で満足げに笑った。

「おいぃぃぃ!! ちょっと待てぇぇ!!」小結一は猛烈にツッコミを入れた。「なんであいつだけ『レッドたん』とかいう戦隊モノのリーダーみたいなカッコいい名前なんだよ! なんで俺はパオタンなんだ! 贔屓だ! 星野さん、絶対贔屓してる!!」

「文句言わないのパオタン! 敵が来るわよ!!」

瑞希はまるで軍の司令官のように叫んだ。

レッドたんは容赦しなかった。目にも留まらぬ速さでパオタンに突進し、エネルギーを込めた右ストレートを元・青いバッグの顔面に叩き込む!

ズドォォォン!!

パオタンは間一髪のところで、筋肉の鎧と化した腕をクロスさせてガードした。衝撃波で部屋のカーテンが激しく舞い上がる。

「くそっ……馬鹿力だな、この新品バッグが!!」パオタンはギリッと歯を食いしばり、渾身の左フックをレッドたんの顎にお見舞いする!

ドゴッ!!

レッドたんは2歩ほどよろめいたが、血も出ていない口元をスッと拭った。

「ハハハ! 素晴らしい! これほど骨のある相手に出会ったのはいつ以来か!」(※お前、生まれてからまだ2分しか経ってねーだろ!)

それから、二人のバッグ男による壮絶な死闘が幕を開けた! 殴り合い、蹴り合い、瑞希の部屋の家具という家具が粉々に粉砕されていく。ランプは砕け散り、クローゼットは見る影もない。

「くらえええ! 巫女トルネード・キック!!」パオタンが跳躍し、袴の裾をバッサバッサと翻しながら回し蹴りを放つ。

「無駄だ! 裏地ブラッド・バリア!!」レッドたんが両腕を交差させて攻撃を防ぐ。

二人の激突による衝撃はさらにエスカレートし、ついに……

「うおおおおお!!」

ドッカァァァァァァァン!!!

部屋の中央で二人の拳が激突した瞬間、すさまじいエネルギーが爆発し、パオタンとレッドたんの体は天井を突き破り、瓦屋根を木っ端微塵にして大穴を開けた!

「きゃあああっ! 私の家の屋根がぁぁぁ!!」

瑞希は悲鳴を上げ、降り注ぐ瓦の破片から頭を抱えてしゃがみ込んだ。

巫女服のマッチョ男と赤スーツの男は、夜空高くへと打ち上げられた。空中で、小結一パオタンはレッドたんにトドメを刺すべく拳を振りかぶる。

「これで終わりだ、変態魔神!! 俺が直々にあの世の土の匂いを嗅がせてやる!!」

「来い、決済アプリ野郎パオタン!! 貴様を塵一つ残さず粉砕してくれるわ!!」

レッドたんも拳を構えて迎え撃つ。

だがしかし……空中で二人の拳がぶつかり合おうとした、まさにその瞬間……。

春の夜風が吹き抜け、さらに激しい戦闘で急激に消費された体温が合わさって……二人のパワーの源である『水滴』が……。

……一瞬にして完全に蒸発してしまった!!

「えっ……?」パオタンは、自分の手が半透明になり始めているのを見下ろした。

「む……? 俺の力が……消えていく……?」レッドたんが目を丸くする。

ポンッ!! ポンッ!!

地上20メートルの空中で、青と赤の光が同時にピカッと瞬き、二人の筋肉大男の姿はフッと空気中に消滅した!

空中に残されたのは……重力を持たないかのように宙に浮いた後、ヒューンと落ちていく『青いスポーツバッグ』と『赤いスポーツバッグ』だけ!

「ヤバいヤバいヤバいヤバいぃぃぃぃ!!」

パオタン(バッグの姿)の魂が絶叫した。ビルの3階に相当する高さから地面に向かって真っ逆さまだ! そして、さらに最悪なことに……。

彼らの真下では、オレンジ色のランプをチカチカと点滅させ、夕方によく聞くあのお馴染みの電子メロディを流しながら……黄緑色の巨大なトラックが、ちょうど星野家の前を通り過ぎようとしていた。

そう、『ゴミ収集車』だ!!

「ウソだろおおおおおおお!! まさか!!」

ヒューーーーゥゥゥ……ドサッ!! ベチャッ!!

二つのバッグは空から見事な放物線を描き、黒いゴミ袋や生ゴミが満載されたゴミ収集車の荷台へと、まるで計算されたかのようにホールインワンした! 腐った生ゴミの悪臭が小結一の嗅覚を強烈に刺激し、気絶しそうになる。

「オエッ!! なんだこの臭いは!! 俺は偉大なる魔神だぞ!! ここから出せ!!」

レッドたん(バッグ状態)が隣で喚き散らす。

「だから変身時間切れだって言っただろ、このバカ!! 最悪すぎるぜ!!」パオタンがブチギレる。

ゴミ収集車は空から降ってきたプレゼントなど気にも留めず、ゆっくりと通りを走り抜け、市のゴミ処理場へと向かっていく。

一方、瑞希の部屋では……。

ポニーテールの少女が、自分の部屋の屋根に空いた巨大な穴から顔を出し、ポカンと見上げていた。冷たい風が吹き込み、埃まみれの顔を撫でる。彼女はハッとして窓に駆け寄り、下を見下ろした。そこには、遠ざかっていくゴミ収集車の姿が……そして、荷台からは青と赤のショルダーストラップの端っこがピロピロとはみ出している!

「パ、パオタン! レッドたん!」

瑞希の目がカッと見開かれた。オタクとしての魂と、バッグへの並々ならぬ愛が脳天を突き抜け、血管がドクンと脈打った。部屋が崩壊したことによる頭痛も吹っ飛んだ。何よりも……彼女の守護精霊と異世界の魔神が、このままではゴミ焼却炉で燃やされてしまう!!

「よくも私の愛するバッグ(と主人公)を盗んだわね!!」

瑞希は躊躇しなかった。くるりと振り返り、部屋から飛び出すと、階段を3段飛ばしで駆け下りた。家の外へ飛び出し、玄関先に停めてあった母親のママチャリを引っ掴む。スタンドを蹴り上げ、マッハの立ち漕ぎで暗闇の中を遠ざかるゴミ収集車に向かって爆走し始めた!

「待っててパオタン! レッドたん! 今すぐ助けに行くからねぇぇぇ!!」

ご主人様の絶叫が夜の通りに響き渡る。一方、ゴミ収集車は死の焼却炉に向かって徐々にスピードを上げていく……。

悪臭との戦い、そして決死のカーチェイス(?)が今、始まった!!

……って、これ一体何ジャンルの小説だよ!?

(次回へ続く……)


お読みいただきありがとうございます!

ヒロインが夜中にママチャリでゴミ収集車をガチ追いかけするラブコメ、ここに爆誕しました(笑)。果たして追いつけるのか!?

【※作者からのちょっとした小ネタ解説コーナー】

作中で主人公が「パオタン(Pao-tan)なんて政府の決済アプリみたいな名前だ!」と全力でツッコミを入れていましたが、これ実はタイの小ネタなんです(笑)。

タイには政府公式の電子決済・給付金アプリで「Paotang(เป๋าตัง - タイ語で『お財布』の意味)」という国民的なアプリが存在します。

異世界の魔神が「レッドたん」とかいう厨二心をくすぐる超カッコいい名前をもらったのに、自分は「政府の決済アプリ」みたいなダサい名前をつけられた……そりゃ主人公も絶望してツッコミますよね!(笑)

次回、ゴミ収集車の中で生ゴミの悪臭と戦うバッグ・ブラザーズと、ママチャリ爆走ヒロインの運命やいかに!?

少しでも「笑った!」「パオタン不憫すぎ!」「オカンの小説も気になる!」と思っていただけましたら、ぜひ【ブックマーク】と、ページ下部にある【★での評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)】をポチッとお願いします!

皆さんの応援が、作者の執筆スピードとパオタンの筋肉をさらにパンプアップさせます!

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