第3話:ひったくり犯とマッチョな魔法少女!そして完璧美少女の超絶シークレット!
やっほー!みんな元気?作者のBagsenseiです!
突然ですが、皆さんは雨の日って好きですか?
バッグに転生してしまった我らが主人公・田中くんにとって、雨粒は文字通り『死の宣告』です(笑)。
さてさて、第3話なんですが……ついに完璧美少女・美月ちゃんの「ヤバすぎる超絶シークレット」が明らかになります!
そして当然のごとく、田中くんはまたしてもとんでもない格好(中身)で変身してしまうという大惨事に巻き込まれます。今回は前回にも増してヒドイです。マジで。
【⚠️警告⚠️】
本エピソードには、極めて強烈な『視覚的テロリズム』が含まれております。
読者の皆様におかれましては、腹筋の崩壊および、脳内再生による網膜のダメージに十分ご注意ください。
それでは、ひったくり犯すら同情したくなるレベルのカオス度MAXな第3話、いってみよー!
あなたの言う通りですよ……俺の転生ライフは控えめに言ってクソゲーであり、人間の尊厳なんてものは完全にゼロである。
女子更衣室で体育教師に首をへし折られそうになったあのカオスな事件を経て、俺――田中小結一、現在のステータス『青のエナメルスポーツバッグ』――は一つの真理に到達した。
美少女のバッグに転生するってのは、地雷原を歩くより危険だってことだ。
今日は金曜日。空はどんよりと曇り、今にも雨が降りそうだ。
俺の持ち主である星野美月は、放課後からどうも様子がおかしかった。
普段ならバレー部の練習に直行するか、完璧美少女の肩書き通り生徒会の仕事を手伝うはずだ。
なのに今日に限って……クラスメイトの目を盗み、キャップを目深に被って顔を隠し、学校から遠く離れた商店街の路地裏へとこそこそ歩いていくのだ。
(おいおい、どこ行くんだよ? まさか……デート!?)
俺の男魂が震え上がった。やばい! 彼女の極悪サムライ親父が知ったら発狂して死んじゃうぞ!
俺はぐるぐると振り回され、目を回していた。(もしバッグに吐き気があったらとっくにリバースしてるレベルだ)。
やがて美月は、薄暗くて怪しげな小さな店の前で足を止めた。ピンクのポップなフォントで書かれた看板にはこうある。
『コスプレ愛好家のパラダイス:秋葉原第2支部』
はぁ……? コスプレショップ? あの完璧美少女が!?
美月は素早くドアを押し開けた。強烈なオタクのオーラが俺の顔面(?)を直撃する。彼女はカウンターへ直行し、店のおばちゃんに小声で尋ねた。
「あ、あの……予約してたアレ、届いてますか?」
興奮と恥じらいが混ざったような、少し震える声。
「ああ、星野ちゃんね。届いてるわよー、大事に取っておいたから。なんたって限定版だしね」
おばちゃんが大きな紙袋を取り出すと、美月は震える手でそれを受け取った。彼女の目は、新しいおもちゃを買ってもらった子供みたいにキラキラと輝いている。
彼女はそそくさと会計を済ませ、そして……その紙袋の中身を、俺の中にねじ込んできたのだ!
ボスッ!
詰め込まれた布の感触が、どうもおかしい。体操着でもチアリーダーの衣装でもない。
これは……大量のレース? フリフリの装飾? そして、長いステッキみたいな硬い棒!?
(待て待て……何買ったんだよ!?)
俺は想像力をフル稼働させて中身の感触を探る……ツルツルしたサテン生地、でっかいリボン……嘘だろ、まさか……。
「えへへ、ついに手に入れちゃった。『魔法少女スターライトマジック』のコスプレセット……! はぁ〜、早く家に帰って着てみたい!」
美月は耳まで真っ赤にして、一人でぶつぶつ呟いている。
ショック! 目玉が飛び出るほどのショック!(目玉ないけど)。
才色兼備の完璧美少女、バレー部主将、そして極悪サムライの娘である彼女の正体は、魔法少女ガチ勢の隠れオタクだったのだ!!
もしこの秘密がバレたら、青春学園はパニックに陥るだろう。
でも待てよ……今の最大の問題は彼女の秘密じゃない。
問題なのは……今、俺の中に入っているのが『魔法少女の衣装』だってことだ!!
(ヤバいヤバいヤバい! もし今、俺に水滴が落ちてきたりしたら……俺の姿はただの変態を通り越して、銀河系レベルの変質者になっちまうぞ!!)
俺はあらゆる宗教の神々に祈り始めた。どうか、一滴たりとも液体が俺に触れませんように、と。
だが、現実は残酷だ……神様ってやつは、いつだって俺にブラックジョークをかましてくる。
美月がご機嫌に鼻歌を歌いながら路地を抜け、家に向かって歩き出したその時。
どんよりとした空から、雨粒が落ちてきたのだ……ポツリ……ポツリ……。
(クソッ! 雨だ!! 美月ちゃん、傘! 傘さしてくれぇぇぇ!!)俺は心の中で絶叫した。
「あっ、雨降ってきた。急いで帰らなきゃ」
そう言って彼女は、俺を頭上に掲げて雨避けにしたのだ!
(ちょっ、おまッ! 俺を雨避けにするなあああ! 俺は水が弱点なんだよ! 一滴でも濡れたら変身しちゃうんだぞ!!)
だが、雨粒が俺に触れて化学反応を起こす前に、誰も予想だにしなかった事態が発生した……。
ブォォォォン!! キキーッ!!
大型バイクが猛スピードで美月の前に割り込んできた。
後ろに乗っていたフルフェイスヘルメットの男が手を伸ばし、俺のショルダーストラップを勢いよく引ったくったのだ!
「きゃあああ!! 私のバッグ!!」
ブチッ!!
凄まじい力で、俺は美月の手から引き剥がされた。宙を舞い、引ったくり犯の腕の中へ!
バイクはエンジンを吹かして急発進し、美月は道路に転げ落ちて泣き叫んだ。
「うぅ……返して! 私の秘密が入ってるの! 返してよぉぉぉ!!」
呆然とした! 俺、誘拐されてる!
クソ泥棒め、よりによって男の魂が宿ったバッグを盗むなんて!
それより美月ちゃん……彼女が転んで泣いている姿を見ると、胸が奇妙に痛んだ(心臓なんてないけど)。せっかくお小遣い貯めて、大好きな衣装を買ったのに!
(てめぇら……クソ野郎どもが! よくも女の子を泣かせやがって!!)
俺の男魂が発火した!
バイクが大通りを爆走する中、雨脚は次第に強まってきた。
そして当然のごとく……一滴の雨粒が空気を切り裂き、俺の『ロゴマーク』のど真ん中に命中したのだ!
ポチャ……
(よっしゃ! もうどうにでもなれ!!)
ピカーーーーーーーーッ!!!
ひったくり犯の背中で、青と金色の光がまばゆくフラッシュした。後ろを走っていた車が急ブレーキを踏むほどの激しい閃光に、犯人二人もパニックに陥った。
「うわっ! なんだこの光、アニキ! バッグが光ってやがる!!」
後ろに乗って俺を抱えていた男が叫ぶ。
ほんのコンマ数秒の間に、俺の身体が再構築されていく。
筋肉と骨格が急激に膨張し、軽いバッグだった俺の体重は、あっという間に80キロの屈強な男へと跳ね上がった!!
ズシィィィン!!
「ぐあっ!!」
後ろの男は俺の体重に押し潰され、前の運転手の背中に顔面から激突した。バイクは制御を失い、蛇行を始める。
そして光が収まった時……ひったくり犯のバイクの後ろに乗っていたのは、もはやスポーツバッグなどではなく……。
ショッキングピンクの『魔法少女スターライトマジック』の衣装を着た、ムキムキの筋骨隆々な大男だった!!
フリフリのレーススカートは超ミニ丈で、(おまけで付いてきた)純白のパンティを隠しきれていない。
ふくらはぎには、すね毛ボーボーの足に食い込むリボン付きの白いハイソックス。
そして俺の右手には……真っ黄色のプラスチック製『スパークリング・スター・ステッキ』が握られていた!!
まさに視覚的テロリズム! 地獄の使者かよ!
「うぉぉぉっ!! なんだこの化け物はぁぁぁ!!」
運転手の男が振り返り、恐怖のあまり絶叫した。バイクは完全にバランスを崩し、そのまま歩道へと乗り上げた!
ガッシャァァァン!!
バイクは道端に積まれていた段ボールの山に激突した。犯人二人と俺はそれぞれ違う方向へ吹っ飛んだ。
俺は地面をゴロゴロと転がったが(スカート全開だぞコノヤロウ、俺の尊厳が!!)、持ち前の強靭な筋肉のおかげで即座に立ち上がることができた。
「痛てて……」
後ろに乗っていた男が頭を押さえながら起き上がり、俺を見て顔面蒼白になった。
「お、お前は誰だ! 変態スーパーヒーローか!?」
俺は手の中のスパークリング・スター・ステッキをきつく握りしめた。
穴があったら入りたいほどのド変態ルックスだが、美月を泣かせたこいつらへの怒りの方が遥かに上だ!
俺はステッキを奴らの顔面に突きつけ、(この衣装には絶望的に似合わない)足を大きく開いたポーズを決め、低くてドスの効いた声で吼えた。
「星に代わって……てめぇら社会のゴミを、お仕置きしてやるぜ!!」
(ちょっとセリフを拝借したけど許してくれ、シチュエーション的にピッタリだったんだ!)
「そんなふざけた格好で俺たちに勝てるとでも思ってんのか!」
運転手の男がポケットから折りたたみナイフを取り出し、殺気を放つ。
「金目のもん全部出せ。じゃねえと、その筋肉ダルマの腹かっさばくぞ、このオカマ野郎!」
(誰がオカマだ! 俺はバッグだ!!)と俺は心の中でツッコミを入れる。
二人がかりで襲いかかってきた。俺に大した格闘スキルはない。ただの24歳男子の身体能力があるだけだ。だが、それだけで十分すぎる!
俺は運転手のナイフを間一髪で躱し(レースのスカートがバサッと舞う!)、プラスチックのステッキを奴の延髄に向かってフルスイングした!
バキッ!!
「がはっ!」
男は立ったまま気絶して倒れ込んだ。プラスチックのステッキは首のところで真っ二つに折れてしまった!
相棒が沈むのを見て一瞬ひるんだもう一人の男。俺はその隙を逃さない。
奴の腰にタックルし、プロレス仕込みのジャーマン・スープレックスで地面に叩きつけた!
ズドーン!!
「ぐふっ……」
二人目のひったくり犯もその場で完全にKOだ。
小雨が降る中、散乱した段ボールの真ん中で俺は肩で息をしていた。
魔法少女の衣装はボロボロに破れ、泥だらけになっている。控えめに言ってクソ惨めだ……。
だが、美月の秘密は守り抜いたぞ。
タッタッタッタッ!
通りの向こうから、息を切らして走ってくる足音が聞こえた。
美月がずぶ濡れになり、涙の跡を残した顔でこちらに向かって走ってくる!
(ヤッバ!! 今の俺の姿を彼女に見られるわけにはいかねぇぇぇ!!)
俺はパニックに陥った。もし自分の魔法少女の衣装を着たマッチョな変態男を見たら、彼女はショック死してしまう! 早く、早く俺を乾かさないと!!
狂ったように辺りを見回す。神は俺を見捨てていなかった!
段ボールの山の後ろに、スーパーマーケットの巨大なエアコン室外機があり、猛烈な勢いで熱風を吹き出していたのだ!
俺はダイブし、壁に張り付くヤモリのように室外機に抱きついた!
「乾け! 乾けぇぇぇ!! 熱風よ、俺に力を!!」
胸と服を排熱グリルに押し当てた。吹き出す汗と、蒸発していく雨水が入り混じる。
「あった! ひったくり犯のバイク!」
美月の声がどんどん近づいてくる。
(もう少し……あと少しだけ!!)
ボンッ!!!
美月が路地に曲がってくるほんの数秒前。
青い光がフラッシュし、俺の身体は縮んで元の青いスポーツバッグに戻った。
完全に乾ききった道路の上、綺麗に気絶している二人組の横に、ドサッと落ちた。
駆けつけてきた美月は、地面に伸びている二人組を見て一瞬足を止めたが、すぐに……自分のバッグを見つけた。
「私のバッグ!」
彼女は飛びつくように俺を拾い上げ、ギュッと強く抱きしめた。
彼女の柔らかさと、温かい体温が伝わってくる。シャンプーのほのかな香りと雨の匂いが混ざり合って、俺の心臓を激しく高鳴らせた。
「うぅ……よかった……もうダメかと思った……」
彼女の小さな涙の粒が俺の上に落ちた(ラッキーなことにロゴマークには当たらなかった。当たってたらまた大惨事だ!)。
(美月ちゃん……)俺は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。
(誰かの大切なものになるってのは……こういう感覚なんだな。ただのバッグだけどさ)
「あれ……なんでこの泥棒たち、ここで気絶してるの? それに、顔のこのアザは……」
美月が不思議そうに眉をひそめ、そして……すぐ横に真っ二つに折れて落ちている、黄色のプラスチック製『スパークリング・スター・ステッキ』の残骸に気づいた。
彼女は顔を真っ赤にして、慌ててバッグのジッパーを開けた。
そこには、綺麗に畳まれていたはずの魔法少女の衣装が、シワシワのボロボロで泥だらけになって突っ込まれていた!
「な、なにこれ!? 私の衣装に何があったの!? まさか、泥棒がこれを出して着たってこと!? そ、そんな! 変態!! ド変態泥棒ぉぉぉ!!」
路地に響き渡る美月の悲鳴。
彼女は気絶している犯人をボカスカと踏んづけ、恐怖に怯えながら俺を抱えて猛ダッシュで家に逃げ帰った。
一方の俺はといえば……彼女の腕の中でただ大人しくしているしかなかった。
あの二人の泥棒には、俺の代わりに変態のレッテルを背負ってもらうとしよう。
(悪いな、泥棒さんたち……俺の(もう残ってない)尊厳を守るために、お前らが身代わりになってくれ!)
超絶カオスなバッグの冒険はまだ始まったばかり。
俺と完璧美少女の関係はどう発展していくのか(それとももっと破滅に向かうのか)、俺の命運は……次の一滴の雨粒にかかっているようだ!!!!!
ふぅ〜!第3話、お疲れ様でした!皆さんの腹筋と目は無事ですか?(笑)
いやー……「ショッキングピンクの魔法少女衣装を着た、すね毛ボーボーの80kgマッチョ」、自分で書いておきながら想像して鳥肌が立ちました。
ひったくり犯の二人が抱えたであろう一生消えないトラウマを思うと、ほんの少しだけ……いや、やっぱりミリも同情できませんね!自業自得だ!
さて、ここで恒例(?)の読者のお便りコーナーです!
「Q: 作者も魔法少女スターライトマジックのコスプレに興味があるんですか?(ペンネーム:星野パパの極悪日本刀さん)」
「A: ありません!!断じて!!ただ田中くんに着せて絶望する顔を見るのが好きなだけです!!(ゲス顔)」
いやホント、田中くんの室外機へのダイブ、トカゲ顔負けの必死さでしたね(笑)。
もし「田中、お前よくやったよ……」「魔法少女マッチョ最高!」と少しでも笑っていただけたら、ぜひ下から【☆☆☆☆☆】をポチッと評価&ブックマークをお願いします!
皆さんの星評価が、濡れた田中くんを乾かす『ターボパワーの熱風』になります!!(マジで命綱です!)
次回は美月ちゃんと田中くん(バッグ)の関係に変化が……?それともまた新たな地獄の扉が開くのか!?
それでは、次回の第4話でまたお会いしましょう!バイバーイ!




