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【第10話:そして結局クソダサい姿に逆戻り! キャベツ騎士(ナイト)の伝説と女子トイレの惨劇!!】

どうも、作者です!

前回のイケメン化で「おおっ!?」となった読者の皆様、誠に申し訳ありません。

当作品の主人公バッグに、平穏なイケメンライフなど許されるはずがありませんでした!

今回はタイトル通り、最高にクソダサくて、最高に社会的に終わっているお話です(笑)。

それでは、イケメンから一転して事案発生!?

第10話「女子トイレの惨劇」、どうぞお楽しみ(?)ください!

挿絵(By みてみん)


前回の『日本刀デスマッチ朝食』の後、俺は水分が蒸発して元のバッグの姿に戻るまで、靴箱の中で息を潜めてやり過ごすハメになった。

幸いにも、瑞希ちゃんが「たまたま水がかかっちゃっただけ!」と必死に弁解してくれたおかげで(ちなみにクマさんエプロンの件は『お父さんの記憶が作り出した幻覚だ』と強引に言いくるめたらしい)、狂犬の義父もなんとか落ち着きを取り戻してくれた。未だに恨みがましい目で俺を睨みつけてくるが。

俺はバッグの姿で深いため息をついた。今日という一日の命懸けの苦労を思えば、日曜の午後は瑞希ちゃんの学習机の上で、ただのバッグとしてバカみたいに休ませてもらえると思っていた。

だが、俺は忘れていたのだ……。この物語の作者が、俺を激しく憎んでいるという事実を!! 作者は俺に、2ページ以上の平穏な生活を絶対に許してくれないのだ!!

事の始まりは午後。星野夫人(瑞希の母親)がスーパーへ買い物に出かけようとした時、彼女の愛用するエコバッグの持ち手がブチッと千切れてしまったのだ。

凄腕主婦の鋭い視線が部屋中を舐め回し……そして、机の上に置かれた俺(青い巨大なスポーツバッグ)とバチッと目が合った!

「あら! 瑞希のこのバッグ、大きくて丈夫そうじゃない。スーパーで生鮮食品を入れるのにピッタリね。娘よ、ちょっと借りるわよ~」

(おいぃぃぃぃ!! ダメだよお母さん!! 俺はブランド物のスポーツバッグだぞ! 買い物カゴじゃねぇぇ!!)

俺は心の中で全力で抗議したが、バッグの魂にできることなど、ただ見えない目をパチクリさせることくらい。運命に逆らうこともできず、俺は星野夫人に羽交い絞めにされ、車で市内のスーパーへと連行された。

星野夫人の買い出しは凄まじかった。彼女は巨大なキャベツ、極太のキュウリ、新鮮なレタス、長ネギ、そして丸々とした大根を次々とカゴに放り込む。あらゆる『農産物』が、ジッパーがはち切れんばかりに俺の体内に詰め込まれていった!

(まあいい……ただの野菜だ)ネギを顔面に押し付けられながら、俺は自分を慰めた。(少し青臭いけど、あのクソダサいゴスロリ服やゾンビアヒルの着ぐるみを詰め込まれるよりはマシだ。野菜は健康にいいしな……。我慢しろ田中小結一、これさえ耐えれば家に帰れる!)

だが、俺は知る由もなかった……。それが宇宙レベルの『大惨事』へのカウントダウンだということを!

買い物を終えた直後、星野夫人は急な尿意を催した。彼女は小走りでデパートの【女子トイレ】へと直行する。

個室に入った彼女は、荷物掛けのフックが壊れていることに気づいた。今の俺の体内には、10キロ以上の新鮮な野菜がパンパンに詰まっている。そこで彼女は、世界中のオバチャンがやりがちな行動に出た。

あろうことか、巨大な鏡の前の【洗面台】に、俺をドサッと置いたのだ!!

「バッグちゃん、ここで待っててね。すぐ戻るから」星野夫人は俺の頭(持ち手)をポンポンと撫でると、急いで個室に入り、ガチャリと鍵を閉めた。

(ち、ちょっと待ってえええお母さぁぁん!! 俺をこんな所に置き去りにしないでくれ!! ここ、女子トイレだぞ!! 俺は中身が男なんだよぉぉぉ!!)

俺の精神はパニック状態に陥った。中身が男のバッグが、女子トイレの洗面台に放置される。これはあまりにも過酷なメンタルテストだ。だが不幸中の幸いか、今トイレには俺と個室の星野夫人しかいない。

(よし……ちょっとの間だけだ……頼む、誰か入ってくる前に……神様、お願いします……!)俺は必死に祈った。

だが……神は俺の顔に容赦なくツバを吐きかけた!!

カツ……カツ……カツ……。

ハイヒールの音がトイレ内に響き渡り、タイトスカートのスーツに身を包んだ、スタイル抜群の【美人OL】が入ってきた。彼女は洗面台の鏡の前に立ち、俺(息を殺して極限まで小さくなろうとしているバッグ)のすぐ隣で、落ち着き払ってリップを塗り始めた。

(美人……すげぇ美人だ……)俺は男の悲しき本能で見惚れてしまった。(でもお姉さん、リップ塗ったら早く出てって! 俺の心臓が持たないから!)

化粧直しを終えたOLは、俺が置かれているすぐ横の【オートセンサーの蛇口】に手を伸ばした……。

問題なのは……このデパートの蛇口のセンサーが無駄に敏感で、なおかつ水道管破裂レベルで『水圧が異常に強い』ということだ!!

ブシュウウウウウウウウウウッ!!

蛇口から猛烈な勢いで水が噴き出し、OLの手のひらに激突して細かい水しぶきとなって弾け飛んだ! そしてそのコンマ数秒、俺の視界に映るすべてがスローモーションになった……。

10円玉サイズの、冷たくて残酷な水滴が……放物線を描いて宙を舞い、洗面台の縁を越え……。

重力に逆らうように堂々と鎮座する、俺の『白いロゴマーク』へと一直線に飛んでくる!!

(イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!)

俺は魂の喉仏が引きちぎれるほど、心の中で絶叫した!

(当たるなァァ! このクソみたいな変身条件め! しかも今……俺の中に入ってるモノって……『野菜』しかねぇんだぞ!! 服の繊維なんて1ミリも入ってねぇぇぇ!!)

ポチャン……。

死の宣告のような水滴が、ロゴマークに優しく着弾した……が、その破壊力は核爆弾をも凌駕していた!

ピシャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

青と黄金の眩い閃光が、女子トイレの中心で爆発した! 横にいたOLがあまりの眩しさに悲鳴を上げて顔を覆うほどだ!

「きゃっ……! な、何の光!?」

光の中で、骨格、筋肉、腕、脚が瞬く間に構築されていく。だが今回……バッグの『中にあるモノ』を『服』として再構築する俺の魔法の力は、かつてないほどの激務を強いられていた……。なぜなら布切れ一枚なく、あるのは純度100%の葉緑素と食物繊維だけなのだから!!

そして光が収まった時……。全世界の常識を覆す、伝説級の大惨事が姿を現した。

身長185センチ、フィットネスモデル並みのバッキバキの筋肉を誇る大男が、洗面台の上で仁王立ちしていた……。【すっぽんぽん】の状態で!!

いや、待て……この異世界(?)の法則も少しは慈悲があったらしい。俺を完全な全裸(100%フルチン)にはしなかった。だが、俺の肉体を覆っているモノ……それは純粋な『農産物』だった!!

俺の分厚い大胸筋の上には……手のひらサイズの『淡いグリーンのキャベツの葉』が2枚、まるで人魚姫の貝殻ビキニのように乳首に貼り付いている!

そして下半身……男にとって最も重要な急所は……『極太の大根と3本のキュウリ』が束ねられ、『長ネギの蔓』によって腰にガッチリと固定されている!! まるで農民スタイルの犬用マズル(口輪)だ!!

さらに背面……お尻の部分には、『レタス』がミニサイズのハワイアンスカートのように広がり、少し動くだけで股間に爽やかな風を送り込んでくる!!

「………………」

女子トイレに、一瞬の静寂が落ちた。

俺(キャベツナイト状態)は、巨大な鏡越しに自分の姿を見つめた……。キャベツの乳首隠し……大根の股間隠し……レタスのお尻隠し……。

(く、クソダサい……人生で一番ダサい……。今朝のイケメンオーラはどこに消えたんだ……。なんで俺がこんな目に遭わなきゃならないんだよクソ作者ァァァァ!!)男泣きの涙が頬を伝った。

横にいたOLが、ゆっくりと顔を覆っていた手を下ろした……。彼女の目は限界まで見開き、眼球がこぼれ落ちそうだ。真っ赤なリップを塗ったばかりの唇がガクガクと震えている。彼女の視線は、ちょうど彼女の目の高さにある『大根とキュウリ』に釘付けになっていた!!

「あ……あ……あ……」OLは俺を指さし、全身を痙攣させている。

「ちょ、ちょっと待ってくださいお姉さん……これには科学的な理由が――」俺が(キャベツを胸に貼り付けた状態で)弁解しようとした瞬間。

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

鼓膜を突き破るほどの絶叫が、デパートのフロア中に響き渡った!!

「変態ぃぃぃぃぃ! 露出狂ォォォ!! サラダバーの化け物ォォォォォ!!」彼女は叫びながらハンドバッグで俺のすねを思い切り殴りつけ、半狂乱になって女子トイレから逃げ出していった!

「痛っ!! 違います!! 俺は変態じゃない!! 平和を愛するスポーツバッグなんですゥゥ!!」俺は背中に向かって叫んだが、叫べば叫ぶほど胸のキャベツがプルプルと揺れ動き、変態レベルが急上昇するだけだった!

バンッ!

その時、個室のドアが勢いよく開いた。用を済ませた星野夫人が、悲鳴を聞きつけて慌てて飛び出してきたのだ。

「どうしたの!? 暴漢でも出た――」

星野夫人の言葉は、喉の奥に引っ込んだ。彼女が顔を上げた先には、洗面台の上で仁王立ちする、野菜で急所を隠したマッチョな全裸の男がいたからだ!

二人の視線が交差する……再び沈黙が訪れた。

星野夫人はパチクリと瞬きをし、俺の股間の大根とキュウリを見て……俺の顔を見て……そして再び大根を見た。

「ちょっと待って……」星野夫人が眉をひそめる。「その太くて丸っこい、少し泥がついた大根……それ……私がさっき3丁目のオバチャンと殴り合って勝ち取った『半額大根』じゃないの!!」

(そこ!? 注目するとこそこですかお義母さん!! 自分の身の安全より半額大根ですかァァ!!)俺は発狂しそうだった!

「あんた!! この野菜泥棒!! 私の大根を返しなさいよぉぉぉ!!」

星野夫人は普通の人間のように逃げるどころか、主婦の執念と野生の勘で俺に向かって飛びかかってきた!! 彼女は俺の男の尊厳を守る最後の砦である『大根とキュウリ』を力ずくで引き剥がそうとしている!!

「うわああああっ!! やめてお義母さん!! 引っ張らないでェェ!! それ取られたら俺100%全裸の事案になっちゃうからぁぁぁ!!」

俺はトイレの中で泣き叫び、股間に飛びついてくる星野夫人から必死に逃げ回った! その拍子に胸のキャベツが1枚ヒラヒラと舞い落ち、大男のピンク色の乳首が露わになる。(ああああもう殺してくれええええ!)

「私の野菜を返しなさい!! この全裸変態野郎ォォ!!」星野夫人は鬼の形相で女子トイレ内を追い回してくる。

そしてその時……トイレの外から、警備員のホイッスルの音が鳴り響き、十数人のスタッフがドカドカと雪崩れ込んできた!

「そこまでだ!! 完全に包囲したぞ!! サラダバーのコスプレをした変態、大人しく投降しろ!!」警備員のリーダーが、俺の顔面に懐中電灯を突きつけた。

終わった……。俺の人生……主人公としてのプライド、イケメンオーラ、ロマンチックな展開……すべてが跡形もなく崩れ去った……。

俺、田中小結一……。結局、このクソダサい地獄のループからは逃れられない運命らしい……。

お願いだ……誰か俺に食器用洗剤をぶっかけてくれ……この世界からドロドロに溶けて消え去りたいよぉぉぉ!!

クソ作者ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!

(次回へ続く……公然わいせつ罪で逮捕されていなければの話だが……)

お読みいただきありがとうございました!

作者です。皆さんの期待通り(?)、パオタンのイケメンライフは半日で終了しました(笑)。

まさか女子トイレで「サラダバーのコスプレ」をして義母に追い回されることになるとは、パオタンも前世でどれだけ業を背負っていたんでしょうか……。

しかも半額大根のために命を懸ける星野ママ、強すぎます。

「キャベツナイト最高にダサい」「半額大根返してやれよ」「お巡りさんこいつです」と笑っていただけましたら、ぜひ【ブックマーク】と、ページ下部にある【評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)】をポチッとお願いします!

皆さんの評価ポイントが、パオタンの保釈金になります……!! 次回、パオタンは無事に家に帰れるのか!? お楽しみに!

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