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第1話:「全部乗せ」レベルの死、そして新たな人生は…まさかの収納アイテム!?

どうも、作者の Bagsensei です!

ついに始まってしまいました……。

世の中には色んな転生モノがありますが、「次はバッグだろ!」という謎の確信だけで書き始めました。

正直、自分でも「なんでバッグにしたんだ?」と自問自答する毎日です(笑)。

あ、ちなみに私は変態じゃありません。ただのバッグ愛好家です。本当ですよ?

それでは、カバンになった男の波乱万丈な物語、お楽しみください!


異世界転生のテンプレって知ってる?

大抵の主人公はトラックに轢かれて死ぬ。それは神様お気に入りの通過儀礼みたいなもので、その後は超絶美少女の女神様に出会い、チート能力スキルをもらって、ハーレムを作りながら世界を救う……みたいな流れだ。

でも、俺の場合は違った。田中小結一たなか こゆういち、24歳。浮遊霊よりも影が薄い、ごく普通の平社員。俺の死に様は、カッコよさもドラマチックさも欠片もなかった。閻魔大王でさえ頭を抱えるレベルの、宇宙規模の「大惨事」だったのだ!

爽やかな月曜日の朝。寝ぼけ眼で出勤していた俺の目の前で、突然、長々としたクラクションが鳴り響いた。居眠り運転の10トントラックが、猛スピードで対向車線を越えて突っ込んできたのだ!

プァァァァン!!ドッシャアーーーーン!!

俺の体はボロ布のぬいぐるみのように宙を舞った。

『ああ……これで異世界に行けるんだな』

そう思った瞬間、雲一つない快晴の空から、俺の頭頂部めがけて見事な雷が落ちた!

ドッガーーーン!!

宙を舞っていた俺の体は、一瞬で黒焦げの炭と化した。

だが、不運はまだ終わらない。重力に従って地面へと落下していく最中、上空を通りかかった大富豪の植木運搬ヘリコプターから、なんと水瓶サイズの盆栽の鉢が落下してきて、空中で俺の顔面にクリーンヒットしたのだ!

ぐしゃっ!!

(すでに原型をとどめていない)俺の体は、道路に叩きつけられた。

まだだ……まだ終わらない!

最初の10トントラックの後ろを走っていた花火運搬車のトラックがブレーキを踏み遅れ、俺の残骸に猛スピードで突っ込んできた。そして、積まれていた大量の打ち上げ花火が一斉に起爆した!

ドカーーーン!!ドッバァァァーーン!!パンパンパンパン!!

赤、緑、黄色の花火が東京の空に盛大に散らばった。

死体も見つからなければ、位牌の立てようもない。まさに「全部乗せ」と呼ぶにふさわしい死に様だった。俺は最後の思考とともに息絶えた。

『俺、前世で一体どんな大罪を犯したんだよぉぉぉ!!』

……

……

……

「いらっしゃいませ!スポーツマートへようこそ!」

俺はビクッと身をすくませた。視界は異様に狭くて暗い。新品の合成ゴムとナイロンの匂いが鼻をつく。手足を動かそうとしたが……手足がない!目もない!口もない!

なのに、なぜか言葉では説明できない視点から、周囲の景色が360度見渡せた。

『ちょっと待て……ここはどこだ?天国か?なんで天国に「30%OFF」のポップが貼ってあるんだ!?』

俺はなんとか落ち着きを取り戻し、店内の鏡に映る自分の姿を確認した。

そこにあったのは……白のラインが入った、濃紺のスポーツ用ショルダーバッグ。スポーティで品のあるフォルム、しっかりと閉じられたファスナー、そして真ん中には有名スポーツブランドのロゴがデカデカと輝いている。

『ば、バッグ……?俺、ただのスポーツバッグに転生したっていうのか!?いやぁぁぁぁぁ!!』

俺の魂は店内で絶叫した(もちろん誰にも聞こえない)。

一体俺の人生どうなってるんだよ!神様!女神様!俺のチートスキルを寄こせ!なんで皮革製品ナイロンだけどになっちゃってんだよ!

俺がパニックに陥っていたその時、店のドアベルが鳴り、周囲の空気が一瞬でパッと明るくなるような存在が現れた。

彼女は星野美月ほしの みづき。当時は名前なんて知らなかったが、彼女の放つ「完璧美少女パーフェクトガール」のオーラは、バッグである俺の目を直撃した。

長身でプロポーション抜群の女子高生。初雪のように白くきめ細かい肌。薄茶色の大きな瞳が印象的な甘く美しい顔立ち。漆黒の長い髪は高い位置でポニーテールに結ばれている。風に乗って、ベビーシャンプーのほのかな香りが漂ってきた。

彼女が店に入ってきただけで、店内の男性店員たちの呼吸が一瞬止まったほどだ。

美月は真剣な表情でスポーツバッグ売り場を見て回った。彼女の視線が棚を滑り、そして……俺のところで止まった!

「あっ……これ、可愛い」

彼女は甘く澄んだ声で呟くと、その細く美しい手を伸ばし、俺を棚から持ち上げた。

『ドキン……ドキン……』(俺の存在しない心臓が激しく鳴る)

彼女の手の感触、めちゃくちゃ柔らかい!これが超絶美少女に触れられる感覚か!ナイロン越しだけどな!

「すみません、これにします!」

美月は店員に満面のスマイルを向け、お会計を済ませると、嬉しそうに俺を提げて家へと帰っていった。

……

星野家。

「ただいまー」

美月は自室に入った。彼女の部屋は塵一つなく清潔で、野花のような良い香りがした。パステルカラーの家具が年相応の可愛らしさを演出している。

彼女はバッグをふかふかのベッドの上に置き、ふぅっと長いため息をついた。

「はぁ、今日のバレーボールの練習、めっちゃ疲れたぁ」

独り言を呟きながら、彼女は俺がベッドの上で気絶しそうになるほどの行動に出た!

美月は背中に手を伸ばし……着ていた半袖のポロシャツと、短い体操着のブルマ(ショートパンツ)を脱ぎ捨てたのだ!服の下に隠されていた素肌があらわになる!

『おいおいおい!第1話からいきなりサービスシーンかよ!』

俺のないけどは見開かれた。

『ダメだろそんなことしちゃ!俺はまだ(バッグの姿だけど)健全な男なんだぞ!』

だが、本当にヤバいのはここからだった……。

彼女は俺のファスナーをジッパーッと開け、スポーツで汗だくになった自分の体操着を、俺の中に突っ込んだのだ!

バサッ!

美少女の甘い体臭と、ほんのりとした汗の匂いが、つまりバッグの中に充満する。

息苦しいような、至福のような、狂い死にそうな、そんな複雑すぎる感情が同時に押し寄せてきた!

「先にお風呂入ろっと」

美月はご機嫌に鼻歌を歌いながらバスタオルを手に取り、バスルームへと向かっていった。ベッドの上で、彼女の体操着の山に埋もれた俺を置き去りにして。

20分ほど経った頃、バスルームのドアが開く音がした。

美月は白いバスローブ姿で部屋に戻ってきた。髪は洗いたてでまだ濡れており、美しい顔の輪郭や白い首筋に水滴が光っている。彼女は髪を拭こうと鏡の前に立った。しかし、その時……。

彼女が軽く髪を振り払った瞬間、毛先から小さな水滴が一つ飛び散り、宙を舞って……俺のバッグのロゴの上にピチャッと落ちた!

ポチャン……。

水滴がナイロン生地に触れた瞬間、突如として青と金色のまばゆい光が俺の体から爆発した!

あまりの眩しさに、美月は思わず腕で目を覆う。

カァァァァァァッ!!

俺は確かな変化を感じていた!ただの布と糸だった体が膨張し、骨、筋肉、血管がほんの一瞬で再構築されていく!

腕がある!脚がある!息ができる!その感覚が戻ってきたのだ!

光が収まると、俺は美月の寝室のど真ん中で、堂々と仁王立ちしていた!

「はははっ!人間に戻ったぞ!神は俺を見捨てていなかった!」

手足を取り戻した喜びで涙を流しそうになりながら、俺は歓喜の声を上げた。

でも、ちょっと待てよ……。なんで下半身がスースーするんだ?それに上半身は息ができないくらい締め付けられてるぞ?

俺はふと自分の体を見下ろした。

その瞬間、俺の魂は本日二度目の離脱を果たしそうになった……。

なぜなら今、俺、田中小結一(24歳・男)は……美月がバッグの中に放り込んだ『彼女の体操着』を着ていたのだ!!

極小サイズのTシャツはシックスパックと乳首が浮き出るほどパッツンパッツン(下品で申し訳ないが、本当にキツいのだ!)。女子用のショートパンツ(ブルマ)は股間がはち切れそうなほど食い込み、すね毛ボーボーの脚をこれでもかと露出している!

今の俺の姿……それは地獄の底から這い上がってきたばかりの、星十個レベルの超ド級の変態ド変態野郎そのものだった!!

顔を上げると、目の前には口をポカーンと開けたまま固まっている美月がいた。彼女の目は極限のショックで見開かれ、唇はワナワナと震え、握っていたバスタオルが床に滑り落ちた。

「えっと……あの……これにはちゃんとした説明がですね、お嬢さん……」

俺は引きつった笑顔を浮かべ、降参のポーズで両手を挙げた。

「き、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!変態ぃぃぃぃぃぃっ!!」

120デシベルの美月の悲鳴が家中に響き渡る。彼女はデスクランプを掴むと、俺の顔面めがけて全力で投げつけてきた!

ガシャァァァン!!

「痛っ!痛い痛い!話を聞いて!俺は君のバッグなんだってば!」

飛び散るガラスの破片を必死で避ける俺。

バンッ!!

寝室のドアが勢いよく蹴り開けられた。右手にフライ返し、左手にフライパンを持った美月の母親が猛ダッシュで飛び込んできた。

「どうしたの美月!何事!?……えっ!?」

娘の部屋に立つ、ブルマで股間を締め付けられた大柄な男の姿。それと母親の視線が交差した瞬間、見事な悲鳴の合唱が続いた。

「きゃぁぁぁぁっ!!あなた!娘の部屋に変質者の泥棒がぁぁぁぁっ!!」

お母さんが家中に響き渡る大声で叫ぶ。

「死ねぇっ、この社会のゴミィィッ!!」

美月はためらうことなく、カンフーの達人ばりの飛び蹴りを俺の首筋めがけて放ってきた。俺は這うようにしてなんとかそれを避ける(おまけにキッツイ体操着のせいで動きにくさMAXだ!)。

だが、真の「大惨事」はここからが本番だった……。

「我が愛娘に指一本でも触れようとする命知らずはどこのどいつだ!!」

廊下から獅子の咆哮のような凄まじい怒声が轟いた。

そこに現れたのは、星野武ほしの たけし――美月の父親。筋肉隆々の中年男性だが、なぜかいきなり本格的な侍の袴姿に着替えている(いつの間に着替えたんだよ!?)。

そして何よりもヤバいのは……その手に、照明の光をギラリと反射する『真剣の日本刀』が握られていることだ!!

「お、お義父さん!いや!お父さん!落ち着いてください!それ、本物ですよね!?」

俺は裏返った声で叫びながら、壁際までジリジリと後ずさりした。

「誰がお父さんだ、この人間のクズがぁ!!よくも娘の部屋でそんな破廉恥な真似を……今日という今日は、貴様の魂を地獄の底へ叩き落としてくれるわ!星野一刀流、零の型:『色情魔斬り』!!」

お父さん(武)は問答無用で、人間離れしたスピードで突進してくる。そして、俺の頭から股間までを真っ二つに叩き斬ろうと、日本刀を力任せに振り下ろした!

ブォォォォン!!

「うわぁぁぁぁっ!!」

俺はギュッと目を閉じ、同日二度目の死を覚悟した。俺の転生ライフ、亀の尻尾より短すぎるだろ!

だが……!

刃が俺の髪の毛に触れるほんのコンマ数秒前。俺の体(体操着)に落ちていた小さな水滴が、見事なタイミングで空気中に蒸発して乾いたのだ。

ポンッ!!

再び青い光がピカッと瞬いた。

俺の人間の体は一瞬でシュンッと縮み、元の濃紺のスポーツバッグの姿へと戻り、ドサッ!という音とともにベッドの上に落下した。

ザシュッ!!ドッカーーーン!!

お父さんの日本刀は空を切り裂き、そのまま美月のベッドを真っ二つに叩き斬った。マットレスが破裂し、中の羽毛がまるで雪のように部屋中に舞い散る。

部屋の中は静寂に包まれた。

宙を舞う羽毛の中で、刀を振り下ろした姿勢のまま固まっているお父さんの荒い息遣いだけが聞こえる。

「き……消えた!?」

美月の父親は状況が飲み込めず、キョロキョロと辺りを見回した。

「さ、さっきまで確かにここに立ってたのよ、お母さん!」

美月は震える指で、俺がさっきまで立っていた場所を指さした。

「お、お化けじゃないの!?それとも変態忍者!?」

お母さんはフライパンを盾のように構えている。

魔法のように一瞬で起きた出来事に、部屋の全員が呆然としていた。

メチャクチャに破壊されたベッドの上で、大人しく寝そべっている新品のスポーツバッグの存在には、誰一人として気づいていない。

一方、俺といえば……。

『ふぅ……間一髪で助かった!』

俺はバッグの姿のまま、深く安堵のため息をついた。

『なるほど、元の姿に戻る条件は「水に濡れること」。そして乾けば元のバッグに戻るってわけか……。これなんていう「らんま1/2」の呪いだよ!こっちは「らんま1/2(バッグ編)」だけどな!』

魔王を倒す勇者になるという、俺が夢描いていた新生活は終わった……。

これから俺、田中小結一は、娘を溺愛しすぎる重度のサムライパパを持つ、超絶完璧美少女の「スポーツバッグ」としてサバイバル生活を送らなければならないのだ!

波乱万丈、爆笑必至、そして(バッグとしての)命の危険と隣り合わせの旅が、今ここに幕を開けた!!


第1話、お読みいただきありがとうございました!

……ねぇ、これ本当にラブコメですよね?

いきなり真剣で斬りかかられるとか、サバイバルホラーの間違いじゃないですよね?(笑)

主人公の股間(体操着)の無事を、皆さんも一緒に祈ってください。

もし「Bagsensei、おもしろいじゃん!」と思ってくださったら、ぜひブックマークや下の【☆☆☆☆☆】を評価でポチッとしていただけると、私のナイロン製の心臓が飛び跳ねて喜びます!

次は第2話でお会いしましょう!

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