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オーデション 2

3話目


 審査員が何も言わないので、ちからは写真加工では無くて、化粧だと納得してくれたのだと思い、オーディションの手順に従うと次は歌唱力の確認、次がどれ程ダンスが踊れるか披露して、最後短い面接で終了だ。


 先ずは歌唱力。では、全力で行きますか。


 「目黒 ちから歌います。森○直○○、さ○ら、独唱。」


 皆、歌い出した途端、その綺麗な澄んだ歌声に魅了された。目つきの凶悪さに似合わない。と思ったのは内緒だ。


 1曲目歌い終わっても止めの合図が無いのでこれ幸いと2曲目も歌っちゃうことにした。


 「2曲目、行きます。」

 次はものの○姫だ。澄んだ歌声が好きなのでカラオケで必ず歌っている。


 社長は、やべえ鳥肌が立っちまった。なんだこいつ?


 あれ?まだ良いのかな?


 「3曲目行きます。」

 次は、さよ○らだ。さびが良いよね。


 皆、どう聞いても素人じゃ無いだろこいつ。何者だ。と思っていた。


 「4曲目行きます。」

 次は、チャゲアスの殴りに行っちゃうやつ。

 

 「5曲目行きます。」

 ユーミンも押さえておかないとね、アルバム開きます。


 「6曲目行きます。」

 ユーミンと来たらみゆきだよね。つばめが飛んで星が落ちるやつ。


 社長はこの時点で物まねで食って行けるな。こいつ。と思った。


 「7曲目行きます。」

 そろそろ一番好きな曲に行きますか。歌姫ちゃんのデビュー曲。『セーラー・セイントセーラー』の主題歌、OPバージョン。まだ初々しい幼い歌い方バージョン。行きまーす。


 皆、やべえ目をつぶって聞いてたら本人が目の前で歌ってくれてると信じちまいそうだ。。歌姫本人を知っているのにこのクオリティすげえ。と思った。


 「8曲目行きます。」

 お次は最近の歌姫ちゃんが『セーラーセイントセーラー』の主題歌を歌う少し大人に成った歌姫ちゃんバージョン。今だにデビュー曲を歌わされていてチョッと拗ねている感じが中々良いです。


 皆、うんうんと、頷くのだった。


 ま、まずい趣味に走り過ぎた。

 「9曲目行きます。」

 君の名○から、時が来ちゃう歌。


 「10曲目行きます。」

 演歌も押さえておきますか。北の酒場で口説く歌。


 おおっ、おっさん達ノリノリで聞いてるね。やっぱりTPOを考えて選曲した方が良いのか?


 「11曲目行きます。」

 いきものが○りも良いよね。


 おっ、この曲でもノリノリかい。


 「12曲目行きます。」

 トイレを綺麗にして別嬪さんに成る歌。

 

 おばあちゃんに最後病室で会う場面で皆が目を潤ませています。良い年のおっさん達が。笑っちゃいけないが笑える。


 「13曲目行きます。」

 上白石萌〇の366〇。フルバージョンで行って見ようか。


 「14曲目行きます。」

 グリ〇ンのキセキ。


 ちょっとぶっ続けだったから、ここらで水筒に入った喉に優しいミックスジュースでも飲んで置きますか。


 歌って結構体力使うよね。まあ、俺は鍛えてるからまだまだ行けるけどね。喉も絶好調、ドンドン行くよ。おっさん達ついて来いよ。


 とイケイケのノリで歌い出そうとしたら、ハッとしたおっさん、社長が止めに入る。


 「め、目黒君OKだ、OK!歌の上手さは十分分かった。素晴らしよ。もう十分だ。」

 「社長何で止めるんですか?もっと聴きましょうよ。」

 「そうですよ。イイ所なんだ止めるな。」

 「そうだそうだ!社長横暴。」

 「いやいや、何コンサートを止められたような気になってるんだ。これはオーデションなんだぞ。お前ら忘れてんじゃ無いか?」

 「いや、しかしこんな機会はもう無いかも・・・。」

 「本当一家に一台欲しくなるレベルだ。」

 「いや、何言ってんの、ステレオでもスマホでも家で聴き放題だろが。」

 「何馬鹿なことを言ってるんですか、迫力が違いますよ。迫力が。何で皆コンサートに行くと思ってるんですか。その為でしょう。」

 「プロダクションの社長がそんな事も分からないのは、問題じゃ無いですか。」

 「いや、まあ、そうなんだが、間違っちゃっ居ないが。何か理不尽な気がする・・・。」


 「何にしても、是非、次のダンスも見てみたい。悪いが先に進めてさせてもらう。異議は受け付けない。さあ、目黒君準備をしてくれ。良かったら始めてくれ。」


 外野がブーブー文句を言っているが無視だ無視!


 ~~~~~


 その時盗み聞きをしていた、女の子と女性の2人も文句を言っていた。

 小声で「社長止めるな、もっと聞かせろと。」


 ちからがオーデション森〇直○○のさ〇ら独唱を歌い出した頃、丁度廊下を通り掛かった、女の子が立ち止まり歌に引き込まれ聞き入って居ると、マネージャーをしている女性が声を掛けた。

 

 「歌姫、ダメですよ。そこ男性アイドルのオーディションの審査がされて居る所です。盗み聞きなんてして居ると邪魔に成りますよ。」

 「成田さんも聞いて見てよ。上手いの。」

 「あら、2曲目も歌わせるなんて珍しいわね。いつもは1曲聞けば、ダンスの審査に入るのに。」

 2人はそれから結局歌の審査が終わるまで廊下で14曲聴いてしまうのだった。


 残念ながら歌の審査は終わってしまったのだった。残念。

ありがとうございました。

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