表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

5年+5年=

作者: 矢宮順晴

 あなたと恋人同士だった5年間。別れてから今日を迎えるまでの5年間。長かった。私の人生、あなた無しでは成立しないと本気で思ってた。15歳、高校生だった私達には、お互いが世界の全てだったね。初めて手を繋いだ日、初めてキスをした日、初めてセックスをした日。たどたどしく、でも一生懸命に男女の儀式を執り行ったね。あれは、感動からだったのか、緊張からだったのか、お互い泣きながら繋がっていたね。

「結婚しようね」って1年記念日にあなたが言ってくれた事、ずっと信じてたし、そうなる運命だって疑いもしてなかった。

 大学生になっても、私達の世界は2人だけで構成されていると思ってた。卒業して、就職をして、数年経って仕事にも慣れたら結婚をする。私の描いた青写真は、あなたと共有出来ている筈だった。あなたには、あなただけの叶えたい夢があったのにね。その夢を応援してあげれなくて、ごめんね。自分の所為だって、あなたは言ってたけれど、私の夢をあなたに背負わせてしまっていたの。別れの日、伝えられなかった言葉があるよ。

「ごめんなさい。ありがとう。幸せになってね」

 私は今日、結婚するよ。だから、さようなら。愛してたよ。


 君と恋人同士だった5年間。別れてから今日を迎えるまでの5年間。長かった。俺の人生、君と出会う為に生きていたと本気で思った。15歳、一目惚れだった。君を手に入れるのが夢になった。初めて言葉を交わした日、初めてデートに誘った日、初めての告白を決行した日。緊張で震える俺を、涙を浮かべながら抱きしめてくれた君。付き合ってからも、拙い俺の一挙手一投足を、君は微笑みながら受け入れてくれたね。

「末永くよろしくお願いします」って1年記念日に、君がくれた答え、絶対に叶えるって、この出会いは運命だって信じてた。

 大学生になってから、俺の世界は2人だけで完結しなくなった。卒業して、就職をする、そして……。最初の夢は俺の中で輝きを失い、萎んでいた。俺だけの叶えたい夢を、君には強要出来なかった。2人の夢を叶えられなくて、ごめんなさい。「私が悪いのね」って、泣いていた君を今でも忘れられない。夢に近づく度に、君を思い出す。あの時の俺では、伝えられなかった想いがあるよ。

「夢が叶ったら、結婚して欲しい。俺が君を幸せにしたい」

 俺は今日、夢の切符を掴んだよ。だから、会いたい。今でも君を愛してる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ