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ぶち切れ美少女??

~船の上、祖父と二人。~

3年ぶりに外に出るたけるは、あまりの太陽の照らしっぷりに体育座りで顔をうずめるしかほかなかった。”自動操縦”で海の上を走る”小型船舶こがたせんぱく”は、

スピードに乗って、順調に”沖合おきあい”まで二人を運んでいく。

船酔いしはじめるたける。


「おっえ、ぎもちわるぅい、、、」


吐きそうにうずまくる孫をほったらかし、祖父は口を開いた。


「孫よー女の子ぉは好きか?」


たける心の声(いやいや、、いま吐きそうなんですけど、、)

船酔いする、孫の気持ちなどお構いなしに祖父は口を開いた。


「彼女はー、できたことないのか?

”現実の女のおんなのこ”は””れそうにないかの、?」


船酔いしながらも、当然と言わんばかりに声をあげるたける。


「彼女なんて一度もできたことないよっつ、あたりまえじゃん、

こんな引きこもりで喋ったことすら、ろくにないのに、、、

女の子なんて釣れるわけないよ、、」


ニタリと”薄笑い(うすわらい)”を浮かべる祖父。


「たしかにそのとおりじゃ。

”現実の女のふつうのおんなのこ”なんて、二枚目でもない限り

なかなか釣れんわい。」


そう言った祖父は、なぜか孫に一本の釣り竿を手渡した。


「 学校だけに”出逢い(であい)”があるわけではない。」


ぽかんと仰ぐたける。


「っほれ、! 立ち上がって釣ってみー!

”愛の大釣り(ラブフィッシング)”ってやつじゃっつ、

はっはっはー」


ますますぽかんと仰ぎだす孫のたける、

(じいちゃんもついに、、ボケ始めたのかな、、?)

やれやれと、、立ち上がるとやる気のない両腕をふり上げ

先端にエサのついた釣り糸をめいっぱい海へと投げ入れた。


開始ものの

2秒、、


ガリガリガリガリガリッツ!!!!


リール部分が物凄い音を引き立てて強制的に回り始めた。


たける「投げ入れたばっかなのにっつ、! 食いつくの速っ、、

重いいい、、もっていかれるるるっつ、、、」


”巨大サメ(きょだい)”にでも食いつれたのかと言わんばかりのあまりの引き強さ。

その恐ろしいほどの重さで、身体ごと海に引きずり込まれそうなほどだった。


「やばいやばい、やばいやばい、、

やばいやばいやばいっつっつ」


釣り竿を必死で握り持ち、なんとかふんばりをみせるたける。


「最初から”誘う””のは~ご法度じゃからのぉ~~~

まずは””ご趣味””はなんですか~? からじゃぞぉっつ~~」


意味不明なアドバイスをくれる祖父。


「やばいやばい、、ほんとにやばい、、やばいやばい、、

やばいやばいやばい、、っつてなんでっっつ、、重っつ、、、、」


あまりの引きの重さに、どんどんと海に引きずり込まれそうになっていくたける

それでもなんとか船舶の端っこに足を引っかけると、

両腕ごと釣り竿を握りしめて、必死にこらえ耐えていた。


ガリガリガリガリガリッツ、、!

ガリガリガリガリガリッツっつ、、!!


けたたましい金切り音はそれでも止むことを知らず、

どんどんとリールの糸を逆回転させ、釣り竿ごと引きずり込もうとする。


だが、なぜか、、体力の限界に近づいてきた

たけるの手元がなぜか急に軽くなった。。


「 おっりゃあああっーー、、!!!!!」


あまりの疲労っぷりに、完全に気の狂ったのような声で絶叫すると、

全身全霊の力を振り絞って、リールの糸を巻き返し始めた。


ぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるぎゅるっつ、、!!


完全に完全に形成大逆転のたけるは、”勝利の確信しょうり”を持って、

釣り竿の持ったその両腕を、めいっぱい思いっきりっつに振り上げたっ!!


誇らしげな表情を浮かべたけるは叫んだっ、


ったどぉーーーー!!!!!!」


”勝ち誇った顔”をするたけると、

釣り糸に引っ張られて、海から何かが釣り上がってきた、、


ザッーーバァーーーーン!!!!


高々と舞い上がった生き物は太陽の下で、その正体を確認できない。

舞い上がった正体不明の生き物を見上げるたける

「、何の”魚”だろ、、、?」

どんどんとある物体が船上に立つたけるの顔面目がけておちてくる、


真っ逆さま!!!


「おいおいおいおいおい、、、

おいおいおい、、、、、ちょっとっつ待ってっつ、、ちょっ、ちょっつ、、、」


ガッツーーーーンッツ!!!


船上に立つたけるの顔面に見事直撃する””なぞの生き物”

ペタペタとはねるわけでもない、ただ目の前の生き物は、、

たけるの顔をずっと見つめていた。

可愛い顔をした生き物は、船の上でゆっくりと口を開いた。



「”り”あげたんですから

責任は取ってくださいね、?」



謎の美少女はたけるを、キッと睨み付けていた。


腰が砕け、あ然とする


「あ、、あっ、、なん、、なんで、、、なな、、」


口を開く""謎の美少女"。


「”用件ようけん”いいなさいよ?」


あきらかにその声色からは”ガチギレ”が伝わってくる。。


「あわ、、わ、、あわ、、、あわ、あわ」


「は・や・く・用件・いいなさい・よ?」


ずぶ濡れの状態で、どんどんと声色が変わっていく謎の美少女。

ただ目の奥は真珠のように透き通っていて、声自体も可愛い声だった。


パニックとともに”見惚みと”れてしまうたける。


その姿についにぶち切れる美少女。

へたり込むたけるの顔面すれすれまで顔を近づけ、


「あんたがっつ!!!!!

わたしを釣り上げったんだよねっつ、!!!?

あんなに抵抗したのにっっ、

それでもひっぱってきたの

あんたでしょっ!!!!! 」


ぶちぎれ、、、

至近距離なため、顔を赤く染め思わず謝ってしまうたける。


「ご、、ご、、ごめんさい」


胸の鼓動はどんどんと高まっていく。 

でも、

、ん?

たけるは、至近距離で怒り顔を見せる彼女の、

”ある身体的な特徴”に気が付いた。


「なんか、、”ヌメヌメ”、、してる、、?」


目の前の謎の美少女の身体の表面には、

なぜか魚のヌメヌメのような何かが覆われていた。


「なんで?からだ、、魚みたいにヌメってるの、?」


完全に、女子には言ってはいけない”禁句ワード”だった。


瞬く間に、美少女の顔面は真っ赤に染まりあがっていく。

物凄い速さで船の端っこまで移動すると、

なぜかその場で恥ずかしそうにうずくまった。


「もぉーーーっつ!!!ばかぁっつーーー!!!!」


困惑してしまうたける、、

背後で見守っていた祖父は、ゆっくりと口を開いた。


「女子に向かって、ヌメヌメしてるとか~~

おぬしも”卑猥ひわい”なやつよのぉ~~~」


「はいっ、、?

そういうつもりでっつ言ったわけじゃないよっつ、

ぼくはただ、、ホントにからだの表面がなんか、、

ヌメヌメ、、」


その瞬間、、


ばちんっつ!!!!!!

ばちんっつ!!!!!!!!


たけると博士の右ほおにおそろしいほどの

高速平手ビンタがお見舞いされた。


渾身の一撃に船上で吹っ飛ぶ孫と祖父。

なぜか祖父に対するビンタの方が強かった。、


その顔をピンク色に染めあげ、

一瞬にして海の中へ帰っていく謎の美少女。


船上で転げる二人。


パニックなたける。


「なんなんだぁっ、、今日は、、なんで、なんで、 」


目を真っ赤に染め、半泣きになる博士。


「きゃっちあんどりりぃす」


たけるはしばらくの間、船上から見える青空を眺めていた。

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