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序章

「おいおいおい、これってさァ」


 目の前にそびえ立つ霊峰。

 遥か遠く山頂を、優雅に舞う影は――


「まさかとは思うけどさァ!」


 現物を見たことがない筈なのに、

 誰もがこう答えるだろう、ドラゴンと。


「来ちゃったんじゃないのォ!?」


 いつの間にか男を囲んだギャラリーは、

 長い耳、毛皮、鱗、バラエティーに飛んだカラーを見せる。


「異世界ってやつによォォオ!!!!」









 彼を異世界に放り込んだのは、どうも僕らしい。


 話は二週間前に遡る。

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