5話
「えっと、何者、ねぇ……」
叶夜は、少し困ったように目を泳がせた。ほかのメンバーも何も言わず、気まずい空気が流れる。陽斗は目を丸くし、月凪は俯いている。ヒロさんは、何か良い言葉を探しているようだった。
「え、なんで皆黙るの? 雰囲気悪!」
沈黙を破ったのは、陽斗だった。陽斗は不思議そうに3人を見てから、僕を見て笑みを浮かべる。
「僕達、魔法使いなんだ!」
キラキラと瞳を輝かせている陽斗に対し、僕はどうすべきか必死に考える。結果、じっと見つめることしかできなかった。
「かっこいいでしょ! もっと見ていいよ!」
「あ、うん」
嬉しそうな素振りを見せる陽斗に、僕は苦笑いする。苦笑いという言葉を知らないのか、陽斗は更に嬉しそうに笑った。
「もうやめてあげて」
そんな状況に助け舟を出してくれたのは、呆れ顔の月凪だった。
「へ?」
間の抜けた陽斗の声に、月凪はため息をつく。
「魔法使いですって言われて、はいそうですかってなるわけないでしょ」
「えー」
月凪から言われても、陽斗にはピンと来ないらしい。
「うちの弟がごめんなさい」
本日2度目の彼女のセリフに、思わず笑ってしまう。
「他人がどう言おうか考えている時に……」
「陽斗、すごいわね……」
叶夜とヒロさんが、ほぼ同時に言った。