4/7
3話
叶夜、陽斗と月凪にヒロさん。4人の年齢は大体同じくらいだろうか?
そんなことを思っていた時、階段から1人の少女が降りてきた。降りる度、紺色の長髪がふわりと揺れる。
「なにかあったの?」
少女は、不安そうな表示でか細い声を出す。
「お客さんが来てるんだ」
叶夜は、少女に笑いかける。
「お客さん……」
少女と目が合う。彼女は慌てて目を逸らした。
「こっちおいでよ。紹介するよ」
陽斗が言うと、少女は首を振った。
「いい」
少女は僕たちに背を向け、階段を駆け足で登って行った。
「嫌な思いさせちゃったかな」
僕が呟くと、陽斗が首を振る。
「違う違う。嫌な思いさせたのは僕。いつも僕にだけキツいんだ」
陽斗は呆れた顔をしていた。
「あ、ちなみにあの子は地歩ちゃん。私の1つ上なの」
月凪が、少女の名前を教えてくれた。