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ここは、何でも相談所!  作者: 雨音奈緒
3/7

2話

真ん中に大きなテーブルと椅子。その奥にキッチン、キッキンの隣には2階へと続く階段があった。

「おじゃまします」

玄関でスニーカーを脱ぎ、叶夜に促されるままリビングへ行く。家の中は、ふわりと木の匂いがした。

「あ、お客さんだ!」

ベージュのくせっ毛を揺らしながら、1人の少年が僕に近づいてくる。

「初めまして。陽斗ひなとです」

陽斗は元気良く頭を下げた。

「どうも」

連られて頭を下げると、彼は僕の方に手を回した。

「仲良くしよーね」

陽斗から無邪気な笑顔を向けられ、僕は戸惑った。

「陽斗、初対面の人との距離近すぎ。困ってるじゃん」

そう言い僕から陽斗の手を離したのは、陽斗と同じ髪色をした少女だった。彼女は、首元まで伸びた髪の左側をそっと耳に掛けた。

「うちの弟がごめんなさい。姉の月凪るなです」

月凪は優しい笑顔をこちらに向ける。陽斗と月凪はどちらも目元が垂れており、笑った顔は瓜二つだった。

「ちょっと叶夜」

キッキンの方から、体格の良い男性が近づいてくる。

「帰って来るのが遅いんじゃない? しかもお友達も一緒じゃない。連れて来るのはいいけど、その子の親御さんには連絡したの?」

彼は低い落ち着いた声に、女性らしい柔らかな話し方をしていた。

「ヒロさん違うよ。家の前にいて、困ってるみたいだったから声掛けたの」

叶夜は、僕を見ながら説明した。

「そうだったのね。私は海光みひろ。みんなからはヒロさんって呼ばれてるわ」

ヒロさんは黄色と黒が複雑に混ざった髪色をしていて、その長い髪を1つに束ねている。切れ長の凛とした目が特徴的だった。


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