お祭りに行きましたの。本屋編ティファニー無双
「小説とお菓子作りの本が欲しいですの。ダーリック様も一緒に選んでくださいませ。」
「わかった、好きなだけ買うと良い。」
そう言ったダーリックは後悔する。
大きな本屋に入り視線を彷徨わせふらふらと歩き出しいつの間にか本屋の奥の方へ、目標を見つけたのかティファニーは一目散に向かうのでその後をダーリックは追う。
「これと、これ。これもお願いしますの。」
次から次へと積まれた本は『淫らなメイドは陰獣に堕ちる』『若奥様は大きいのがお好き♡』『先生と深夜レッスンは密夜の調べ』知識にはある、女性用の官能本だ。
最近ティファニーの知識が増えた、何の知識かは言わずともこの本を見せられたら納得がいく。
それにごっこ遊びの様に役職を決められ励む事も何度もあったのだ。
「さ、最近こういう本をよく読むのか?」
自然を装いながら、とは思うも声に戸惑いが現れてしまうがティファニーは選ぶ手を止めよくぞ聞いてくれましたと向き直る。
「そうですの、今メイド達の間で流行っていまして、読んだらわたくしもすっかりハマってしまいましたの。是非ダーリック様も読んでくださいませ。」
「いや、私は遠慮しておこう。」
よくよく見るとこのサイズの本は覚えがある、一般的なサイズの本よりも少し小さく独特のサイズ感なのである。
最近ダーリックが机に向かっている間にティファニーが本を読み、たまにちらりと見つめ目が合えば頬を染め恥ずかしそうに視線を下げる。
初々しい反応に癒されていたが本の内容は官能本だったとは……
「遠慮なんてせずに、いつも主人公がわたくしで、相手がダーリック様だったらって考えながら読んでいますの。ですのでダーリック様もわたくしだと思って読んでくださいませ。」
いつの間にかダーリックの両手には官能本が積まれていた、まさかの可愛い花嫁の趣味に驚くがこんなにも楽しそうに選んでいるのなら良いかと思う事にする。
「次はダーリック様の番ですの。是非わたくしに好きなタイプを教えてくださいませ。」
そう言うとまたキョロキョロと辺りを確認し、目的地を見つけたら歩き出す。
辺りにはせっかくのお祭りの日だと言うのに1人で本を読む男性が何人か、誰も彼もダーリック程には遠く及ばなくとも奇異される見た目をしていた。
皆こんな祭りの最中にカップルがイチャつきに来た事に苛立ちダーリックとティファニーを見るがその表情は驚きに固まり直ぐに本へと視線を戻す。
あんなに恐ろしい見た目をした男があんなに美しく可愛らしい少女と歩いている。
そんなそわそわとした男性達がいる中ティファニーは全く気にせずに本棚に近寄る。
「ダーリック様はどんな本が好きですの?本を持ってくださっている代わりにわたくしが取って差し上げます、これなんてどうです?『淫乱妻の「待て、読まなくて良い。私は本は買わないからティフの用事が終わったなら帰ろう。」
「でもわたくしもダーリック様の好みを知りたいですの。せめてどんなのが好きか教えてくださいませ。あっこれなんてどうです」
一冊の本を手に取り、今度は音読はせずに表紙を見て固まるティファニー。
「凄くお胸が大きいですの、ダーリック様もこのように胸は大きい方が良いのでしょうか?」
ダーリックも確認すると確かに本の表紙に映る女性は大きな胸をしていた、しかしティファニーだって大きい方である。
なんなら大きかろうと小さかろうとティファニーの付属物というだけで愛おしい。
「私はティフの胸が1番好きだ。それに本を読むよりも本を読んでいるティフを見ていたいし、官能本を読まなくても……な?」
最後は恥ずかしく言い淀んでしまったけれど、ティファニーにも、ついでに周りの男達にも通じたらしくティファニーは頬を染め、男達は嫉妬にかられた。
「はい、わたくしがいっぱい気持ち良くさせますの。大好きなお胸もいっぱい触ってくださいませ。」
あまりの直接的な言い方に周りの男達は前屈みになり数人が立ち去る。
「だっ、まぁ確かに大好きだ。さぁそろそろ菓子作りの本を選んで帰ろう。」
「わかりました。ちょっと待ってくださいませ、これとこれも欲しいですの。」
男達の間を抜け数冊の官能本を抱えると大切そうに抱えてダーリックに合流する。
ふわりと香る甘い香りに男達は1人また1人と前屈みになり立ち去った。
「わたくし今日はこういうのがしたいですの。」
そう言いティファニーが見せた表紙には『囚われの子豚は剛腕女海賊に可愛がられる。』と書かれていた。
「その場合……私の位置はどこになるんだ?」
「囚われの子豚……ダーリック様は子豚ではありませんね。そうなると……ではダーリック様はそのまま誘拐されて剛腕女海賊のわたくしに可愛がれる役ですの。」
そう言い力こぶを作るティファニーのなだらかなそこは力とは無関係で、なんなら柔らかくて唇で食むと気持ちが良い事はダーリックしか知らない。
「今夜は沢山可愛がってあげますの。」
その発言にとうとう今までに耐えていた男性達は皆揃って前屈みでどこかへと消えていった。
「私のままの役なら喜んでやろう、奴隷やら誘拐犯よりはずっと気が楽だ。」
そういえば最近は色々なプレイをやっている気がする。
よく今まで疑問に思わずにこなして来たものだと思うが今日の買い物で一気に謎が解けた。
「ちなみに今までやった物の中で1番好きなのはどれでしたの?」
「そうだな………パン職人だな。」
「あっ、それはわたくしも好きです!特に最後はわたくしが捏ねられたのはとっても面白かったのでまたやりたいですの。」
パン職人は何故かダーリックがひたすら布団をこねる様に指示され、それを見ていたティファニーが我慢出来なくなり自分も捏ねて欲しいと捏ねられ汗をかいたから一緒に風呂に入ってぐっすりと寝ただけの遊びである。
大量の官能小説を抱え調理コーナーへと向かうのかと思うと憂鬱になるが早く終わらせるためにティファニーの持つ本も表紙を裏にして持たされている本の上に重ねる様に言う。
帰りの馬車、ティファニーは落ち着かなそうに買った本をソワソワと眺める。
まだ日は高く馬車の中で本を読んでも目が痛くならない、ちらりとダーリックを見ると仕方がないなというように微笑まれるので早速一冊の本を手に取る。
『陥れられたメイドは旦那様の甘いお仕置きを受ける。』
「ダーリック様、近いうちにメイド服なんてどうでしょうか?」
本の表紙を見せながら上目遣いでお願いするとダーリックは数秒固まる。
「メイド服は着て働いてる者がいるから駄目だ。」
「確かに……今度わたくし用のメイド服を作ってもらいますの。では先生と生徒はどうでしょう?」
皆が着ているメイド服をして情事をしたとして、次からダーリックがメイド服を見る度に思い出されてはいけない。
嫉妬の鬼ティファニーはダーリックが女性と話しているのはメイドだって許せない、次からは夜の思い出のメイド服着ているメイド達に嫉妬しなければならないところだった危ない危ない。
「生徒は……あの学園の制服を着るのか?次から学び難くなると思うのだが。」
最近ティファニーはダーリックに勉強を教わっていた、簡単な算数だけれど初めてする勉学という物は楽しい。
なんたって正解したらダーリックが褒めてくれるのだ、その時にダーリックの出身校の女生徒の制服を着ているのだがそれで先生と生徒プレイをしたいとティファニーは言う。
「そんな事ありません、それに今日はいっぱい怖い思いをしたのでしばらくはいっぱい甘やかされたい気分ですの。」
「怖い思いを出されたら断れないな、ひとまず今日は沢山甘やかそう。」
「でも今日可愛がるのはわたくしですの。」
満足気にティファニーは微笑むとそれぞれティファニーは官能本を、ダーリックは官能本を薦められるもお菓子作りの本をパラパラと捲りながらコロコロと表情を変え真剣に官能本を読むティファニーを眺めていた。
屋敷に帰った時には馬車に酔ったティファニーが吐きそうになり使用人達は「ついにつわりが……!」と喜んだがただの馬車酔いで落胆する。
今まで吐きそうな顔で見られた事は何度もあり誰も彼もが醜いとしか感じなかった、しかしティファニーは吐きそうな顔すらも可愛らしい。
感心するダーリックは使用人達に買った本達を全てティファニーの部屋へ運ぶ様に指示をし……さすがに可愛い花嫁の趣味が官能本とは言えずにやはり自分で全て運ぶからと指示を取り消した。
その後お化け屋敷からダーリックの肖像画を飾って良いかと提案が来て、非常に悩むもあの時の驚かせ役の反応を思い出すと街の発展に繋がるかと了承を出す。
しかし僅か3週間で度を越した恐怖で気絶者が殺到し肖像画は外された、という事がやんわりと書かれた手紙が届いた。
その後肖像画はティファニーの肖像画と共に然るべき所へ飾られたというが、初めからそうしろと突っ込まずにはいられないダーリックであった。
R15を保険につけていたけれど何もないので、本のタイトルをいやらしくしてR15要素を出そうかと。
今回のMVPは下半身を抑えて退出するモブくん達です。




