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最推しは攻略対象のお兄さん

 突然だが、クロエには兄がいる。

 兄、オリバー・アッカーソンは所謂お助けキャラだ。


 この乙女ゲームは俗にいうノベルゲームとは違い、一般教育・貴族のマナー・経営学の知識・身体能力・美的感覚の5つを平均的に上げつつ、各キャラクターに合わせた能力をより高く上げて行くことにより、初めてルートが確定する。


 ちなみに剣術・魔術は2週目以降に出現する能力である。


 しかも、ルートに入ったからと言って油断は出来ない。

 攻略対象以外の能力も万遍なく上げつつ、攻略対象以外のキャラクターとも良好な関係を維持しなければ、好感度目安の花束が少しずつ枯れ、全部枯れると一気に全キャラクターの好感度が落ちる。


 それはもう容赦なく落ちる。


 その好感度転落を防いでくれるのが兄・オリバーだ。

 兄は事あるごとに口を出してくる。「最近〇〇と会ってないらしいな」とか、現実で言われると結構余計なお世話であることを。

 とは言え、この兄の忠告後、すぐに対処すれば好感度転落は免れるので文句は言えない。


「シリル様は確か、経営学の知識がメインだったはず」


 授業終了後、寮の部屋に戻った「私」はぼんやりとした記憶を明確にするためにノートに情報を書き出すことにした。


「と言っても、経営学は一般教養を50まで上げないと受けられない授業だし、一般教養メインでどのキャラともフラグを立てずに平均的に能力を上げるか」


 椅子の背もたれにダランと頭をもたげ天を向く。貴族の娘としては絶対に他人に見せられない姿だが、自室は1人部屋。気にするだけ無駄である。


 方向性が決まれば早く動こう。なんせ1年しか無いのだ。

 3年生を送る会と言う名目の舞踏会。プレイヤーは、その舞踏会で攻略キャラクターからダンスを申し込まれなければいけない。

 期限は1年。3年ある学園が舞台のくせに短い期限だ。

 

「最推しのためならやってみせるけどね!」

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