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#017「時代の遺物」

@村上家

タクミ「コント。面接」

チアキ「ガラガラ。お邪魔しまぁす」

ダイチ「友人宅か。そこは、コンコン、ガチャ。失礼します、だ」

チアキ「コンコン、ガチャ。失礼します。田中千晶です。よろしくお願いします」

ダイチ「そこに座って。あぁ、アレは持ってきただろうね?」

チアキ「あります。――コレです」

ダイチ「どうも」

チアキ「読めたら、判子かサインを」

ダイチ「回覧板だったのか。コレじゃなくてさ。面接といえば」

チアキ「あぁ、はいはい。――つまらない物ですが、お口に合いますかどうか」

ダイチ「これはこれは、って違う」

チアキ「そちらのかたも、どうぞ」

タクミ「助かります」

ダイチ「お裾分けするな。受け取るな」

チアキ「ココだけの話、斜向かいの奥さん。若いツバメを飼ってるらしいわよ」

タクミ「あら、嫌だわ。まぁ、倦怠期かしら?」

ダイチ「話を進めるな、物見高いオバサンども」

――ダイチ、人差し指で四角を描く。

ダイチ「ホラ。これくらいで、写真が貼ってある」

チアキ「アレですか。――気立ての良い子なの。一度会ってご覧」

ダイチ「違ぁう。お隣のオバサンは、用がないから帰ってくれ」

タクミ「病院とか鍼灸院とか接骨院とか。はたまた医薬品や健康食品や健康器具や健康法の紹介に繋がりそうだったのに」

ダイチ「井戸端会議したいんじゃない。面接だ。――弊社を志望した動機は?」

チアキ「家から近くて便利だからです」

ダイチ「コンビニ感覚で応募するな。こういうときは、御社のモットーに共感しました、とでも言うべきだ」

タクミ「御社の時代錯誤も甚だしい社訓に感動しました」

ダイチ「褒めてないよな? 喧嘩売ってるのか?」

タクミ「だって、いまどき全員野球の精神で一致団結して頑張ろうって言われても、ねぇ?」

チアキ「失笑モノっすよね」

ダイチ「あとで話し合おうな、琢己。――最後に何か質問は?」

チアキ「ぶっちゃけ、幾ら稼げますか?」

ダイチ「露骨に金の話をするな」

タクミ「それ以外に、就職面接で訊くことないよねぇ」

チアキ「分かり合えそうですね。これから、一緒に話しませんか?」

タクミ「良いね。そこの角の二階に、スターズ珈琲があるんだ」

ダイチ「二人で意気投合するな。俺は何なんだ? おぉい。置いて行かないでくれ」


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