#016「アーケード」
@商店街
チアキ「どうだったっすか、コレ?」
タクミ「興味深い作品だったよ。政治、芸能、技術。急速に進歩したものもあれば、相変わらずなものもあるよなぁって思ったよ。――あっ、大地くん」
ダイチ「よぉ、琢己。何の話をしてるんだ?」
チアキ「この漫画っすよ。いま琢さんから返してもらったんすけど、大さんも読んでみるっすか?」
タクミ「十二年の昏睡から目覚めた主人公が、ひと回り年下の同級生との高校生活で巻き起こすドタバタ劇を描いた作品なんだ」
ダイチ「ほぉ。そいつは面白そうだな」
*
チアキ「会話を愉快にしようの会の会長としては、やっぱり笑いを取り入れたいところっすよ」
タクミ「以前に、短歌で話そうとしてたことがあったよね」
ダイチ「あったな、そんなこと。風流さを出すといいながら、季語や技巧の欠片もなかった」
チアキ「都都逸や標語に近くなってしまったっすからね」
タクミ「英語で話そうとしてたときも、単語の継ぎ接ぎだったよね」
ダイチ「バイザウェイ、フォーイグザンポー、パードゥンの繰り返しで、最後はジェスチャーゲームだったもんな」
チアキ「ボキャブラリーが足りなかったっすね」
タクミ「ボキャブラリーというより」
ダイチ「語彙を増やすこと、だな」
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ダイチ「茶髪にしたり、金髪にしたり、黒染めしたり」
チアキ「コテで巻き髪にしたり、アイロンで直毛にしたり」
タクミ「ローラーで皺を伸ばしたり、脂肪を剥がしたり」
ダイチ「ご苦労なことだな。だいたい、コテって何だよ? 焼き鏝か? 半田鏝か?」
チアキ「家畜や饅頭と一緒にしちゃ駄目っすよ」
タクミ「電気配線とも違うよ。髪をカールさせるのに使う、専用の道具があるんだよ」
ダイチ「フゥン。アイロンで皺は伸びないのか?」
チアキ「そのアイロンとは違うっすよ」
タクミ「ついでにいうと、ローラーもグラウンド整地用の押し車とは違うよ」
ダイチ「さすがに、アレを使うとは思わねぇよ」
チアキ「下手すると、真っ平らに熨されてしまうっすね」
タクミ「今の時期、お歳暮にピッタリかもね」




