その5 いじわる智奈ちゃん
こんにちは、翔太どぇーす!!
・・・なんか今、絶対零度の視線を感じたよ〜な気がする。
うんにゃ、気のせい気のせい。
ちなみに今、煮干しを食べてるぜぃ!
テンションがおかしいのはそのせいだ!
語尾がおかしいのもそのせいなのだ!!
ハッハッハ!!どうだ、参ったかぁ!!!
・・・・・・
ごめん、ちょっと待ってて。
・・・十三分四十九秒経過・・・
はぁ、やっと戻った・・・
自分が言ってたこと思い出すと、なんだか悲しくなってくるよ。
「あれぇ、翔太がもとにもどっちゃった。
せっかく面白いことしてたのに。」
このセリフは智奈ちゃん。
僕に煮干しを大量に食べさせた張本人だよ。
なんか今日は気前がいいと思ったら、煮干しを食べた僕の行動を見て楽しんでたみたい。
いったい僕はなにをしてたんだろう。
あんまりよく覚えてないんだ。
「それにしても面白かった〜!
翔太ったら、○○○や、×××とかするんだもん。」
・・・知らなかった方がよかったかもね。
ガチャガチャ、バタン!
「ただいま」
「あ、お母さんおかえり〜」
ん、どうやら、英恵さんが帰ってきたみたいだよ。
「智奈、今日はおみやげが・・・」
「おみやげ〜!!」
おみやげという単語を聞いた智奈ちゃんは、僕を見ていた姿勢(四つん這い)のまま、高速で玄関まで走っていった。
「あんたはゴキブリか!!」
うん、なんか、カサカサって音が聞こえた気がするね。
ん?なんで英恵さんがおみやげなんて持ってきたんだって?
ああ、英恵さんはね、よく仕事帰りに食べ物とかを買って帰ってきてくれるんだ。
それを日民家ではおみやげって呼んでるんだよ。
そんなことより、今日のおみやげはなんだろう?
僕も貰えるものだとうれしいな。
「おみやげって煮干し?」
「おみやげにわざわざ煮干し買ってくるわけないやろ。」
へぇ〜、そうなんだ。
僕はおみやげが煮干しでもかまわないんだけどな。
英恵さんが買ってきてくれたのはチーズケーキだった。
「おいし〜!」
いいなぁ、智奈ちゃん。
僕もチーズケーキ食べたいよ。
「翔太も食べる〜?」
智奈ちゃんが、手にチーズケーキをのせて差し出してきた。
やったぁ!
僕はチーズケーキに飛び付く。
『ありがと、智奈ちゃブッ!?』
智奈ちゃんが急に手を引っ込めたから、勢い余って床にぶつかっちゃったよ!
「ふふふ、引っかかった〜♪」
『・・・・・・』
シャッ!!
「いったーい!お母さん、翔太がひっかいた〜!!」
「あんたがそんなアホなことするからやろ!!」
『全くその通りだよ、ホントにもう。』
「翔太は許してくれるってさ。」
言ってないよ。
「うわぁ、それにしても翔太の鼻赤いね〜!」
『智奈ちゃんがあんなことするからだよ。』
「え?なになに、トナカイみたいで面白いだろ、だって?
うんうん、よく似合ってるよ。」
・・・後でもう三回ぐらいひっかいてやる。




