その20(最後) 我らが日常・それってつまりはにゃんだほ〜!
えっと、初めまして・・・やんな?
タママや。
こうやって俺の視点で語るのは、これが初めてっちゅうことやな。
今おんのは、いつも集会したりする空き地や。
ちなみに、ペロとトラ吉も一緒におったりする。
『なぁタママ、すっげえ暇なんだが。』
『知らんがな、んなこと。』
『翔太さんがいないと、特に騒動も起こりませんからね。』
なんだかんだ言って、翔太がおらんときは、いつもこんな感じや。
・・・ん?
珍しいな、こっちに人が歩いて来るやんけ。
しかも、この空き地に入ってきおった。
『そこの三毛猫、翔太ってヤツ知らねーか?』
極めつけに、ネコ語まで喋りおった。
なんやねん、こいつは。
『なんだ、テメェは?ここはネコの領分だぜ。』
・・・それになんとなく、トラ吉と同じオーラを放ってる気がすんなぁ。
『あっ、神野さん!』
あ、フーや。
・・・って、神野さん?
『フー、知り合いかいな。』
『おっ、フーちゃんじゃねーの。久しぶりだな。』
『お久しぶりですね。あ、タママ、この人は神野さんっていって、翔ちゃんの知り合いなの。198歳独身で・・・』
『いや待て、違う!36歳だ!!』
焦ったがな。
あと、独身はホンマやねんな。
『テメェ、嘘つきやがったな!』
あ、これはトラ吉な。
『ついてねー!どっちかっつうと、つかれたって!』
で、これは神野っちゅう人。
喋り方似てて、ややこしい。
・・・それにしても、なんや騒がしなってきたなぁ。
どっか行こ。
・・・・・・
「あっ、いつもの虎猫だ!!」
確かこいつは・・・智貴っちゅうやつやんな?
翔太が、いつもいつもうるさい言うてたけど・・・
「煮干し食べるか、煮干し!?スルメもあるぞ!そーだ、家に帰ったらネコ缶あるんだけど、来ないか!?」
ホンマうるさいやっちゃなぁ。
・・・まぁええわ、暇やしついて行こっかな。
『ネコ缶もらうわ。ついて行くで。』
「あっ、来てくれるのか!?よーし、ついて来い!」
言ったとたんに全力ダッシュを開始する智貴。
お前、ネコ語分からんのとちゃうんか?
ついて来んかったら、どうするつもりやったんやろ?
ま、ええか。
とりあえず行こ。
・・・・・・
ああ、食った食った。
なんかもうやたらと食ったな。
なんや体が重いわ。
食ってる間、ずっと智貴が話し続けとったけど、何言うてたか全然覚えてへんなぁ。
まぁどうせ、あいつもネコが話し聞いてるとは思っとらんやろうし、別にええんやけど。
『そこの虎猫よ・・・』
なんや今日は、よう虎猫って呼ばれる日やなぁ。
で、振り向いたら、そこには・・・羽生えた男の子が浮いてた。
『汝、何を望むか・・・』
いや、あのな。
『あのな翔太、もうそのネタは飽きてん。なんかもっと違う発想はないんかいな。』
『うーん・・・ないよ。』
羽の生えた男の子・・・もとい翔太は、口調を戻しつつネコに姿を変えた。
翔太が戻ってきたのは二週間前。
ちなみに、おらんようなってからは、三週間経ってたりする。
なんや聞くところによると、翔太は神様として、天国みたいなところに連れてかれとったんやとか。
でも連れてかれて、いきなり煮干しを降らしたり、他にも色々と変なことをしとったら、もっかいここに帰ってこれた(追い返された)んやとさ。
まぁ実際煮干しは降ったし、ホンマのことやねんやろ。
しかも翔太のヤツ、人間の姿なったり、ネコになったりできるようになっとったんや。
それで、今みたいなことするっちゅうわけ。
・・・毎日。
よう飽きへんなって、感心する日々やな。
『タママ君、またあの肉屋行かない?』
『なんでや。』
『だって、タママ君と肉屋のおっちゃんのギャグ合戦、見てて楽し・・・決着つけたいでしょ?』
『ホンネ丸見えやがな。』
あと翔太は、神様なっても、中身は全く変わっとらんかった。
・・・ちっとは変わっても良かったとは思うんやけどな。
『兄貴〜!』
『あ、トラ吉!・・・と・・・』
『翔ちゃん!』
『翔太さん!』
『・・・フーちゃん&モモちゃん・・・』
ああこれは・・・翔太にとっては最悪のコンビや。
ま、追いかけられる理由が分かってへん、翔太も翔太やけど。
『・・・まぁ、なんや・・・ドンマイ。』
『・・・ありがと、タママ君。』
バヒュンッ!
すごい勢いで逃げ出す翔太。
『待ってよ翔ちゃん!』
『待ってください翔太さん!』
ズバヒュンッ!!
当たり前のように追いかける、二匹の雌ネコ。
『・・・兄貴たちって、元気有り余ってるよな。』
『そやな。』
で、当たり前のように取り残される俺とトラ吉。
そうや、これが当たり前の毎日やねんな。
『どうする?タママ。』
『・・・肉屋でも行かへん?』
『肉屋?』
『ああ、その肉屋はなぁ・・・』
これからも続く、我らが日常っちゅうことや。
・・・ま、なんか“日常”っちゅう言葉の意味、大分と間違えてる気もすんねんけどな。
・・・・・・
The End and To Be Continued.
Thank You for Reading This Story!
さて、「にゃんだふる人間観察記」、完結してしまいました!
ええ、完結しましたよ。
初ですよ、初。
な〜んかうれしいですね〜♪
ま、色々としゃべくりたいことはあるのですが、それはまた、次回の後書きにて。
あ、ちなみに、最後の英語。
“話は終わるけど、奴らの日常は続く。読んでくれてありがと〜♪”って意味ですよ(かなり意訳)。
それじゃ、また後書きで会いましょう。
久乃 銑泉




