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その17 空飛ぶ亀より衝撃の新事実


今日も平凡な一日を過ごした翔太だよ〜

ちなみにさっきは、公園にガラパゴス象亀がいたとかで、見に行ってたんだ。

話したところによると、ちょっと世界一周の旅の途中で立ち寄ったんだとか。

手足を引っ込めたところから火を噴いて、クルクル高速回転しながら飛べるんだよ!

すごいよね〜

なんたって、あんなに高速で回転しても目が回らないんだもん。

あ、そういえば今日、空の高いところを、背中に羽の生えた人が飛んでいくのが見えたんだけど、なんだったんだろう?

ま、いっか♪

・・・あれ、なんでそんな、まるで呆れたみたいな顔してるの?


・・・・・・


『・・・なぁ翔太、俺は一体何に突っ込んだらええねん。』

『すごいです、兄貴っ!』

『・・・いやだから何がや。』

で、今は集会をしたりするあの空き地にいるんだ。

タママ君やトラ吉もいるよ。

『そういえば兄貴、フーのヤツはどうしたんです?』

『ホンマや、姿みえんけど、どうしてんやろな。』

『・・・ど、どうしたんだろね〜・・・』

多分今も、モモちゃんと一緒に僕を捜してると思うよ。

第一ここに来たのだって、その二匹から逃げ・・・

『あっ、翔ちゃんこんなところにいたの!』

『翔太さん、見つけましたよ♪』

・・・うん、まぁ、来るとは思ってたよ?

タイミング的にさ。

『翔ちゃん、なんで逃げるの!?』

いや、何回も体を二つに裂かれそうになったら、さすがに逃げるよね?

危機管理本能だよ。

『翔太さん、もう逃がさないですよ♪』

・・・モモちゃん、そういう内容のセリフに♪マーク付けないで、怖いから。

『ええなぁ翔太、両手には・・・』


ズギョバゴギュルルンドガンッ!!


フーちゃんとモモちゃんのツイントルネードクラッシュ(なんだそりゃ?)が、タママ君にクリティカルヒット。

『・・・りょ、両手やなくて、両前足やった・・・ガクッ・・・』

訳の分からないセリフを残して、タママ君は息絶えた。

ありがとうタママ君、君の犠牲は・・・(以下略)・・・

こうして僕は、四つの魔の手(前足?)から、ひとまず逃げることに成功したのでした、ちゃんちゃん。


・・・・・・


・・・と、ここで終わるって事はないけどね、さすがに。

あれからもう1時間は逃げ回ったんだ。

もう日が沈んじゃったや。

なんか最近、あの2匹によく追いかけられるんだけど、なんでなのかなぁ?

『そこの金色の猫よ。』

ちょっと悩んでたら、後ろから声がかかった。

あ、メチャクチャ長いこと言い忘れてたけど、僕は体中の毛が黄色なんだ。

別に大したことじゃないけどね。

と、それより今は・・・

『ん、僕?』

後ろにいる人だね。

明らかに人間の女の人の声なのに、喋ってるのはネコ語。

そんな知り合い、神野さんくらいしかいないよ。

『そうだ、そなたに話しがある。』

で、振り向いた僕の目に映ったのは・・・

あ、この人知ってる。

昼間、空飛んでた人だ。

背中から羽生えてた、あの人。

『・・・君、誰?』

今どっかから、『もっと驚けよ!』って声が聞こえた気がしたけど、空耳かな?

『我は天使だ、ガンドよ。』

『ガンド?誰それ。』

聞いたこと無い名前だね。

『そなたのことだ。最高神、ガンド・ヨルムン。』

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・へ!?』

今思えば、そのとき僕は、生まれて初めてまじめに驚いたんじゃないかな。


・・・・・・


『そうしてソナタはこの世界に生を受けたのだ。』

・・・えーと、今、さっきの発言がどういう意味なのか聞いてたんだけど・・・

『つまり僕は、事故で死んじゃった神様の生まれ変わりっていうこと?』

いくら何でも急展開すぎだね。

『うむ、その通りだ。厳密には、魚の骨をのどに詰まらせて死んでしまった神の魂が、本来ならば天国に転生するはずが、転生途中の魂を運んでいたアヌビスがこの世界に魂を落としてしまい、偶然雌の野良猫に直撃して、そなたが生まれたというわけだ。』

・・・何とも言えないエピソードだね・・・

『そして4年がかりでそなたを探し出し、迎えに来たのだ。天界で神の座にもう一度ついてもらうために。』

『うーん、急にそんなこと言われても・・・』

いきなりこんな話聞かされたって、僕が今まで猫として生きてきたという事実は変わらないわけで・・・

『行かない、って選択しは無いの?』

『無い。』

うわっ、即答だね。

『神がいないと世界に歪みが生じるのだ。後10年も経てば、あちらこちらで怪奇現象が起こり始めるだろう。』

それも楽しそうだね〜・・・っていうわけにもいかないか。

どうしよ、行きたくないんだけどなぁ・・・

『あっ、翔ちゃん!見つけた!』

微妙なタイミングで、フーちゃん登場。

モモちゃんの姿は見えない。

・・・あ、いいこと思いついた。

『あのさ、天使さん。天界に行く前に、あのネコにサヨナラって言ってきてもいい?友達なんだ。』

『良かろう。ただし、逃げ出そうと思うな。そなたでは我のスピードにはかなわん。』

『はーい!』

・・・なんちゃって。

逃げ出さないワケ無いでしょーが。


てってって・・・


『フーちゃん。』

『?・・・なぁに?』

『ごめんなさい許してください後で煮干し100本あげるから。』

『は・・・?』


ムギュウ


フーちゃんのほっぺたを前足で押さえる。

・・・全部のヒゲごと。


ブチッ


アハハハハ・・・やっちゃた・・・

『・・・シュゥゥゥゥ』

・・・念のために言っておくけど、この湯気みたいな音は、キレたフーちゃんが出してたりするんだ。

と、いうことで、退散っ!!

『なにっ、待て逃げるな・・・うおっ!?』


ガラピカドッシャァン!!!


『フシャァァァァ!!』

『ぬおっ、こやつ・・・!!』

フーちゃん、足止め頼んだよっ!!

・・・それにしても、ヒゲ全部を一気に触られると、あそこまで凶暴化するとは・・・おそるべし、フーちゃん。


さて、久しぶりの後書きです。

見ての通り、この「にゃんだふる人間観察記」もそろそろ終わりへの階段を転げ落ち始めました。

ここから先、作者の苦手な、ちょっとシリアスな展開になる予定です。

あくまで予定です。

平気で裏切りますんでよろしく。

で、まぁ最後まで読んでくれるとうれしいかなぁ、なんて思っているしだいです。

ちなみに評価や感想くれるともっとうれしかったりします。

作者喜びます。

それでは、また。



久乃 銑泉

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