その16 哀れな探偵さん
どうも、久乃 銑泉です。
メチャクチャ更新が開いてしまいました。
・・・いやね、色々あったんですよ、色々。
とまぁそういうことで(どういうこと?)、次もどのくらい間が空くか分かりません。
それでも読んでくださる人が、一人くらいはいたりすれば、うれしいなー、なんて思っている今日この頃です。
なるたけ早く書こうと努力はしてみますので、これからもよろしく。
さて、今日は久しぶりに街に繰り出しました、昼寝も大好き翔太だよ〜
街っていっても、日民家の最寄りの駅から二駅来ただけなんだけどね。
それでも、だいぶと“都会”って感じのところだから、すごく遠くに来たような気がするよ。
えっ、どうやって電車に乗ったんだ、って?
もちろん、途中で飛び乗って無賃乗車♪
『あれ何?あれ!あのピカピカ光ってるヤツ!』
この好奇心ほとばしるようなセリフは、フーちゃん。
ここに来たことがなかったとかで、ついてきたんだ・・・勝手に。
『なんか、赤とか青とか黄色に光ってる!』
『それは信号機だよ、フーちゃん。』
・・・ってあのさ、信号機って、僕たちの住んでるところにもいっぱいあったよね、確か。
信号機が1つもないほど、田舎じゃなかったはずだよ。
『冗談冗談、知ってるって〜』
『・・・怒るよ?』
『・・・ゴメンナサイ。』
ああもう、観光しに来たんじゃないんだから。
・・・・・・
さて、今日は知り合いに会おうと思ってここに来たんだけど。
『翔ちゃん、その知り合いって、この空き地に住んでるの?』
僕たちの目の前に広がるのは、ちょうどアパート一つ分くらいの広さの空き地。
“売地”とだけ書いた看板がぽつんと立っていて、ピュ〜って効果音が聞こえてくる。
・・・よーするに、前に会ったときにその知り合いが住んでいたアパートが、無くなっちゃってるってことだよ。
『翔ちゃん、どうするのよ。』
『うーん、一体どこにいるのかなんて、見当もつかないし・・・』
『この近くの、ネコの集会場所にでも行ってみたらどう?誰か知ってるかも。』
『ううん、それはないよ。だって・・・』
『おーっ、翔太しゃんか!久しぶりー!』
・・・あらら、探す必要なかったね。
『うん、久しぶりだね、神野さん。』
『え、しょ、翔ちゃん、この人が・・・』
『そうだよ、この人が、僕の知り合いの神野 隆文さんだよ。で、神野さん、こっちは友達のフーちゃん。』
『ん?おお、かわいいネコちゃんじゃねーか。美人、いや、美ネコかな?』
『あ、ありがとうございます・・・って、なんで人間がネコ語喋ってるの!?』
あ、フーちゃんに説明してなかったや。
『あのね、フーちゃん・・・』
・・・そして三十分経過・・・
『・・・とまぁ、そういうわけで、神野さんはネコ語が喋れるんだ。』
ふう、やっと説明が終わったよ。
『・・・つまり、若い頃事故で頭をうって、それ以来ネコ語を話せるようになった、ってわけね。』
『なぁ翔太、なんでそれだけのことを説明するのに、三十分もかかんだ?』
『話にあること無いこと織り交ぜたら、時間かかっちゃったんだ。』
『へぇ、あること無いこと・・・っておい!一体何話した!?』
『翔ちゃんは、神野さんは実は福耳で、探偵稼業をしていて、百九十八歳で、視力両目6.0で、ゴレオロン星出身で、口癖は『アイ アム ア ペン!!』なんだって言ってたわよ。』
さっき神野さんが、缶ジュース買いに行った時に、好き放題言わせてもらったんだよ〜♪
『いやまて、ほとんど無いことだらけじゃねーか!!あるのは福耳と探偵稼業だけだぞ!』
『(福耳ってホントだったの?髪の毛長くてよく見えないけど。)』
『(いや、口から出任せだったんだけどね。)』
嘘から出たまこと、だね。
『はぁ、なんかお前と会う度に、こんなやり取りしてる気がするぞ。』
『ありがと。』
『いや、全くもって褒めてねーから。・・・で、何の用だ?用事あって来たんだろ?』
さすがは神野さん。
よく分かってるね。
『うん。じゃぁとりあえず、神野さんの家に行かない?ここでずっと立ち話って言うのも、どうかと思うし。』
『今まで三十分以上、立ち話してたじゃない。』
『いやつーか、お前らは寝そべってただけだろ。・・・まあいいか。んじゃ、俺ん家に案内するぜ。』
『またおんぼろアパート?』
『うるさい!黙ってついてこい!』
図星だね、これは。
・・・・・・
『なるほど、それでその、“崎中興信所”ってところの動きを調査してくれってことだな?』
『さすがに、そんなことでさらわれちゃうのはイヤだからね。』
『・・・まぁ、お前とはそこそこ長い付き合いだしな。引き受けてやるぜ。』
『ありがと〜♪』
ここは神野さんの新居。
広さは・・・まぁちょっと哀れになるだけだから、言わないでおくよ。
・・・金欠病は治ってなかったってことだね。
『翔ちゃん、その崎中興信所のこと、なんで先に、私たちに相談してくれなかったの?』
『うーん、他の人を巻き込むわけにはいかないから・・・かな。』
言うのがめんどくさかった、っていうのもあるけど。
『おいこら翔太、じゃあなんで俺を巻き込んでるんだ?』
『やっぱり、他人じゃなくて他ネコにしておくよ。』
『・・・・・・』
さて、用件は済んだし、あとは・・・
『ところで神野さん、結婚相手は見つかったの?』
ひとしきり神野さんで遊んだら帰ろっかな。
『ははっ、見つかってりゃいいんだけどなぁ。』
『そういえば神野さんって、ホントのところ何歳なんですか?』
『36歳独身。』
『こら翔太!勝手に暴露すな!!』
『うーん、ちょっと(結婚は)厳しいですね。』
『な、なぜフーちゃんまでもが敵に・・・』
『まぁいいじゃないの。今度報酬として、煮干し一個あげるからさ。』
『・・・なんか泣きたくなってきた。』
ふふっ、相変わらず、神野さんって楽しい人だね♪
・・・・・・
あれから、一時間は神野さんと話してたんだ。
というか、からかってただけだけどね。
神野さんっておもしろい反応してくれるから、からかいがいがあるんだよね〜
またこんど、ストレスが溜まったときにでも行こうかなぁ?