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14/22

その13 4匹と市場

どうも、久乃 銑泉です。

久しぶりの更新ですね。

ネタがなかなか浮かばなくて、だいぶと苦労しました。

そして久しぶりに読者数を確認してみると・・・アクセス数が1000を越えていました。

驚きです。

うれしい反面、こんな物が1000回も人の目に触れていると考えると、何か恥ずかしいような気もします。

これからも、読者の方々がシケた顔しなくてもいいよう、頑張っていきたいと思っています。

それでは。



うーん、おはよう。

枝の上から翔太だよ〜。

枝って何のことだ、って?

ああ、昨日は近くにあった公園の木の上で寝たんだよ。

まぁ木の上で寝るなんていつものことだしどうとも思わないけどね。

『翔ちゃ〜ん!おはよー!』

木の下でフーちゃんが叫んでる。

でもとりあえず無視。

だって眠たいんだもん。

『翔ちゃん、今日は魚屋さん行くんじゃないの〜?タママもトラ吉ももう起きてるよ〜!』

そういえば、今日はこの近くの卸売り市場ってところに魚を盗・・・もらいに行くって予定だったね。

すっかり忘れてたや。

『ちょっと待って、今行くよ〜!』


・・・・・・


今僕たち四匹は卸売り市場の前にいるんだ。

そして僕たちの前に立ちはだかるのは、一枚の大きな扉。

『こんなんあったら、入れへんやんか。』

タママ君が心配そうに言う。

だが・・・

『ふっふっふ、僕に任せて!これでも、魚を盗・・・とり続けて30年の翔太だよ!!』

『すごいです、兄貴!!』

『翔太、今“とる”の字を直したやろ。』

『それに翔ちゃん何歳よ。』

『・・・ほらみんな、こっちこっち!』

フーちゃん&タママ君の指摘をスルーしつつ、みんなをある場所へと連れていった。


・・・・・・


『ここどこや?この先海しかないで。』

ここは、入り口から塀沿いにまわって来た場所。

すぐそこから海が始まっていて、塀は海岸ぎりぎりで途切れている。

『この塀の端っこに、ちょっと隙間があるでしょ?』

『でも、この大きさじゃあ通り抜けられませんよ。』

『いくら細身の私でも、これはちょっと・・・途中で海に落ちちゃうかも。』

ふっふっふ、甘いよ、みんな。

・・・あとフーちゃん、さりげなく自慢しないでいいからね。

『大丈夫、僕についてきてよ。』

先導して、塀の隙間をすり抜ける。

後から三匹がついきて・・・

『あれ?この塀、中が空洞になってるやんか。』

この塀、薄い板を組み合わせた箱になってるから、中を通り抜けられるんだ。

『翔ちゃん、よく分かったわね。』

『叩いたら音がよく響いたから。』

『どこでそんな知識を得たんですか、兄貴?』

『うーん・・・ずっと前から知ってたよ。』

あれ?僕どこでこんなこと覚えたんだろ?

『あ!あそこに穴があんで!』

タママ君が指したところを見ると、塀の内側から光が差し込んでいた。

あまりにぴったりサイズの穴だったので、人間が仕掛けた罠かと思ったけど、ネコにいちいちそんな罠を仕掛けるような暇人はいないだろう。

『ここから出られるね。』

そこの隙間から顔を出してみる。

偶然こちらを向いた人と目があった。

「・・・・・・」

『・・・・・・』

とりあえず顔を引っ込める。

「あれ、ネコがそこから顔のぞかせてたぞ。」

「塀の中に入り込んだんだな。」

「魚をとられたら困るし、捕まえようぜ。」

「でも塀の中に入っちまった。」

「海側から塀に入れるだろ?」


タッタッタ・・・


『まずい、見つかっちゃった!』

『トラ吉、フー、こっちに逃げるで!』

『『えっ!?』』

いまいち状況が掴めていないトラ吉とフーちゃんを引っ張って、入ってきたのとは反対方向へ逃げる。

「いたぞ!四匹だ!」

追いかけてきた人間の姿を見て、やっとこさ状況を理解したトラ吉&フーちゃん。

が、しかし、前方はお約束の・・・

『あっ、行き止まりよ!』

袋小路であった。

『うわ〜、よくある展開だね〜。』

『なんでこの状況で落ち着いてるんですか、兄貴!』

『絶体絶命ってやつやな。』

もう捕まえたも同然と考えたのか、人間たちはゆっくりと歩いてくる。

まぁ、それで助かったんだけどね。

『さてみんな、閉じこめられた場所から出たいとき、どうすればいいと思う?』

『『『???』』』

『答えは、壁に穴あけて脱出♪』


ズゴガーン!!!


・・・・・・


『なあ翔太、たまに思うんやけど、お前ってほんまにネコなんか?』

『うん!・・・多分。』

『多分かいな。』

今僕たちは、昨日寝た木の上にいる。

あの後、海鮮市場の中を通り抜けて反対側から脱出、ついでに何匹かお魚をかっさら・・・もらってきたんだ。

『あの壁結構堅そうだったし、人間でも割るの大変なんじゃない?』

『そこにまん丸な穴をあけるなんて・・・兄貴はホントにすごいですよ!』

『え〜、ちょっとネコパンチしただけなのに。』

『いや、よけいにすごいがな。』

『翔ちゃんって一体何者なの?』

『ふふっ、お魚美味しかった♪』

『『『・・・・・・』』』


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