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twno-baby  作者: 花*
7/65

2015.4

一部「あらすじ100ものがたり」からツイノベ用に編集したものがあります

 

2015.04.01

3/31の23:59に彼からメールが届いた。

『すきなんだ』

そうしたら4/1の0:01にまた届いた。

『…っていうのは嘘』

すき、っていうのが嘘、というのが嘘?つまりすき?

よくわからないけど、とりあえず『わたしも』って返信しといた。

あとは勝手に考えて。



2015.04.01

『わたしも』

3分後に返事がきた。

私も?私もって何。私もすき?…ってのは嘘?

私もすきの嘘、の嘘だとしたらすき???

こっちから仕掛けたのに見事な反撃。真意を確かめに今すぐ会いに行きたいけどもう嘘は勘弁だから、2日になったらすぐ言いに行く。


すきなんだ。




2015.04.01

「ただいまー。お、どうしたのあーちゃん仁王立ちして」

「パパきらい!」

「えっ」

「パパきらい!」

「ええっ」

「ホラ今日4月1日だから」

「あ、ああ、そか…」

「ささ、あーちゃん心置きなくもう1回」

「パパだいっっきらい!!」

「これホントに嘘なんだよね…?」



2015.04.04

大学の裏庭の桜の木の下で彼女が寝っ転がっていた。

近づけばどうやら熟睡中。危なすぎ、と思ってるそばから気の抜けた寝顔にそっと顔を近づける。そのときぶわっと風が吹いた。一斉に散った花びらが1枚ひらりとそこに乗る。

不埒な自分から、彼女の唇を守ったのか奪ったのか。



2015.04.10

「ただい「パパ!いますぐそこでおうまさんになりなさい!」

「え?」

「うま!」

「今日女王様と下僕の日らしいよ」

「え。何の語呂合わせもないじゃん」

「いや知らないけど」

「はやく!」

「ハ、ハイ」

「頑張って~」

「(なんでママは下僕にならないんだろう…)」


※正しくは主従の日だそうです。4月10日。(しじゅー、じゃないの?)




2015.04.14

「ここ、夜は図書館オバケが出るんだぜ」

そう嘯いたのは図書館だけで会う小学校の違う男の子。怖がりな私はその話を聞いて震えあがった。

しかたない、じゃあいつもいっしょにいてやるよ、と約束して早10年。図書館オバケはいまだ見ないけど、本の虫ならいつでも私の隣にいる。


※図書館オバケは、夜のうちに間違ったところに入ってる本を元の場所にもどしたり、破れた本を修理したりします。…あれ?それって図書館職員では?




2015.04.16

女の子ってなんでこんなに喋るんだろう。隣の家のアコは登校中も下校中もずっとしゃべってる。遅刻しそうになって走って学校行く時も息切れしながらしゃべってる。正直ちょっとうるさいなって思ってる。

でも、アコが風邪で休むと静かでちょっとつまらなく思ってる自分がいるんだ。




2015.04.16

女とは何故こんなに喋るのか。アコだけか。知ってたが。一緒に住んでる今となっては夜1人で走りに行くときだけが静寂な時間だったがそれも「私も一緒に走る!」の一言で終わった。もちろん走ってても喋る。

でも、静かな時間が欲しいかというと。今となってはやはり物足りないのだ




2015.04.20

彼はマヨラーだ。私が何を作っても全部マヨネーズをかけて食べる。

「何でもかんでもかけないでよ!折角の手料理に!」

「だってかけるともっとウマいんだよー」

むむ。ならば。

「あれ。瓶入りのマヨネーズだ」

もうマヨネーズも手作りした。

「ウマい」

何かすっきりした。




2015.04.26

馴れ初め?えー照れるなあ。

彼は実は私の友達のお姉さんの旦那さんの弟さんだったんだけど知り合ったのは職場ででもちろんそんな関係はお互い知らなくて珍しい苗字だから私の友達のお姉さんの旦那さんが同じ名前ですって言ったら

「ハイ文字数。社内恋愛でファイナルアンサー」




2015.04.27

禁煙してからミントタブレットを常備している。歯磨き粉味ヤダ、と彼女は言うがそれがいんだっつーのに。

社食で昼を食った後、胸ポケからケースを出して見もせず一粒口に入れる。

「甘っ」

驚いてケースの中を出すと半分以上が薄桃色のピーチ味。ニヤリとした彼女の顔が浮かんだ




2015.04.30

大人しくて本が好きな私は5年生6年生と図書委員だった。賑やかで運動の得意な彼は体育委員。そんな感じのまま中学校にあがって、高校は別で、大学も別で。

そんな彼と私が結婚するとき誰もが首を捻った。

──彼が昼休みの鬼ごっこで図書室に隠れていたのは今でも私たちの秘密。




2015.04.30

仕事上、手が荒れるの。

結婚式の二次会の余興で手を繋いだ初対面の相手が恥ずかしそうに言った。美容師さん?違う。飲食店?ううん。何を言っても当たらない。結局謎のまま別れて名残惜しい翌日、市立図書館で彼女に会った。本に脂を取られるのよ。カウンターの中で彼女は苦笑い。


※4/30は図書館記念日だそうです








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