2018.8
「いちごちゃんいちごちゃん!」
「何だよご主人」
「えっちゃんがいまからあそびにくるって!」
#ご主人さまといちごちゃん
「よう、えつこ」
「えつこってだれよ。わたしのなまえは絵美梨依よ」
「えみりぃって顔じゃないな」
「ねえ、このうさぎのおなかきって中からわた出していい?」
21:36 - 2018年8月4日
道で会った人には必ず挨拶。小さな町ではそれが常識だった。じゃないと学校に苦情がいったりするし。
だから都市部の高校に進学した時も、通学途中で会った見知らぬ先輩に挨拶したのだ。最初は変な顔で無視されて、そのうち話すようになって。
#twnovel
「気があるのかと思った」
のちに先輩は語った。
13:16 - 2018年8月9日
「おはようございます」と声がした。見るとうちの制服の知らない女の子。俺に言ったんじゃないよな、とそのままスルーした。#twnovel
「おはようございます」
それからも挨拶され、そのうち話すようになり、結局自分から告白した。
誰にでも挨拶するという彼女の町の習慣を聞いたのは、その後の話だ。
13:16 - 2018年8月9日
新規出店で彼が地方に2年異動することになった。遠恋に不安になる私に「心変わりも浮気も絶対ないから」と言うけれど、違うの。
「遠くのイケメンより近くのフツメン…」
「え、そっち!?」#twnovel
私の心変わりを恐れた彼は新規店舗を半年で軌道に乗せて帰ってきた。
半年後には結婚する予定です。
22:24 - 2018年8月13日
学校の階段の踊り場、屋上へは原則立ち入り禁止だから4階から屋上までの階段はほぼ誰も通らない。専科棟のそこは、私と彼が一緒にお弁当を食べる場所。 #twnvday
新しく建てた家の階段は、踊り場を少し広めにした。そこに腰かける。
「弁当買ってきて今日はここで食おっか」
彼が隣に座って、言った。
23:52 - 2018年8月14日
彼女が窓際のカーテンに何かをシュシュッとかけている。
「何それ」
「ハッカ油のスプレー。ゴキブリ除けになるんだって。ネットで見たの」
「ふーん」
部屋にミントの香り。#twnovel
ベッドに入って彼女の腰を引き寄せようとすると…シュシュッ。ミントに包まれる。
「今日はダメー」
俺はゴキかい。
22:07 - 2018年8月21日
地方出身者ばかりの“上京それから同好会”、只今闘争勃発中。
「今年こそ!」
「我が県!」
「いやうちだ!」
「黙れ東北!」
#twnovel
「よっしゃあ!俺やで!!」
死屍累々の上で仁王立ちする先輩。今年も終わった…
端でニコニコ見てる後輩。そういや出身どこだっけ?
「俺?LAです」
OH!いえーす…
23:16 - 2018年8月22日
久々に帰省したせいか少しホームシック。そんな状態だったからつい職場でぽろっと出てしまった。
「いがさまそうやればいいじな」
「え?」
しまった!しかもよりによって憧れの先輩の前で!!
「もしかして青森?どご?わー弘前だが」
まさかの同郷…
#twnovel
それから2年。この夏は一緒に帰省する。
20:30 - 2018年8月24日
↓
「したっきゃ酔っぱらって靴とつげで行ったでば」
「ばがだけんた~」
「そんで、『おー、つどまずなが!』って」
「なすてキムタク風!?」
キャッキャと話す二人をうかがう周囲…
「何話してんだかさっぱりわかんない…」
「コータ、明日から学校だけど宿題できてる?」
「えっ!9/1からだろ!」
「今年から早く始まることになったじゃん忘れたの?」
慌てて宿題を見直す幼なじみ。「やべー徹夜だ!頼む写させて!」
#twnovel
翌日。
「おいこらテメー!やっぱ学校1日からじゃんか!」
余裕持って新学期迎えられるでしょ?
22:14 - 2018年8月30日