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twno-baby  作者: 花*
26/65

2016.10

 

目を覚ます。隣には背を向け眠ってる彼。そうだ昨夜喧嘩したんだった。

起き上がって眼鏡を探す。

見つけたそれは、ナイトテーブルの上で彼の眼鏡とぴたりとくっついていて。

思えば下らない喧嘩だった。彼が起きたらごめんねって仲直りしよう。

眼鏡に先を越されてしまったけど。

2016年10月2日 00:27




「あいつ人の嫌がることばっかするんだよ」

中学に入ってから仲良くなった子が、ある男子のことをそう言った。それってすごいヤなやつじゃない?

なのに、彼は不人気な美化委員を引き受けたり、休んだ子にプリント届けたり。

あるときハッと気づいた。

そっか、人の嫌がることばっかするんだ、と。

2016年10月2日 11:57




「ただいまー。今日は天使の日なんだって!我が家の天使さんは?(●´ω`●)」

「その天使さんとは」

「うん」

「今日CDコンポのディスク挿入口に」

「うん」

「大判えびせんをぶっこんでコンポを壊した天使さんのことですか?」

「あああーーちゃあああん!!」

2016年10月4日 19:25




借り物競争直前、何故かみんなに髪の毛を三つ編みにされて丸メガネ(伊達)をかけさせられた。何これださっ。

「木村くーん!ここ!『三つ編みメガネ』ここ!」

その台詞で魂胆を知る。さては細工したな!もう!ずるして!

実はお題が『好きな人』だったと知るのはのちの話だ。

2016年10月10日 22:02




体育祭の〆は恒例フォークダンスである。

手汗のひどい私はジャージの中に手をひっこめて男子たちと踊っていたわけで。そんな中片思いの彼がまわってきたわけで。

「ごめん私手汗が酷くて…」と言い訳をしたところで彼は強引に手を引っ張り出したわけで。

「俺も酷いんだ」って。

2016年10月10日 22:03




放送部から体育祭実行委員会にごり押しし、プログラムに20年ぶりにフォークダンスを復活させた。

だって!男子と手を繋ぐなんて!こんな機会でもなきゃできないし!

─だがしかし、誰かが曲を流さねばならない。

悔し涙を流す私に、ここで踊りましょうと後輩が手を差し出した。

2016年10月10日 22:03




「先生も入りなよ!」と参加させられたフォークダンス。

久々すぎるけど何人かの男子と踊っていくうちに思い出してきた。

「はい次オレ」

手を取ったのは元同級生の数学教師。

高校時代に思いを馳せる。

あのときは「あのときはあと1人で踊れなかったよな」

夢が「夢が叶った」

2016年10月10日 22:04




フォークダンスあるある…それは好きな人が廻ってくる直前に曲が終わること。そんな生徒の嘆きを解消すべく私が実行委員長となった今年はフォークダンスに30分割いた。

みんな!私に感謝するといいよ!

─数年後、それは脱落せず最後まで踊りきる体力勝負の競技に変わっていた。

2016年10月10日 22:05




一日盛り上がった体育祭も終わり、誰もいなくなった薄暗い校庭を眺める。

「…校庭や 兵どもが 夢のあと」

後ろからブフッと吹き出す声がする。こら、聞いてたな。しかも笑いやがって。

「実行委員長おつかれさま。帰ろ」

差し出された手を握って。

家に帰るまでが体育祭です。

2016年10月10日 22:06




わたし運動会が大きらい。足がおそいから。

「おれ大すき」

それはあんたは足がはやいし運動がとくいだからでしょ。

「でも図工はきらい。てんらん会とかさいあく」

わたしすき。

「それはおまえが絵がとくいだからだろ」

そうだけど。

「つまりおあいこってこと」

なっとく。

2016年10月10日 22:08




「俺スマホもガラケーも持ってない」

入学以来気になっていた彼とやっと友達になれた、と思ってからの衝撃の事実。じゃあ連絡したいときは、と問えば

「家の電話にかけて」

ハードル高ッ!

だがしかしそこでめげずに頑張っておうちに電話をかけ続けた結果。

嫁姑関係は良好です♪

2016年10月13日 22:43




「俺は気づいてしまった。この世界は実は仮想現実なのだと」

「気づいても明日のテストはなくならないよ」


「俺はやはり仮想現実の中にいる」

「卒論出さなきゃ内定パーだからね」


「…仮想現実でももうここから抜け出たくない」

「大丈夫、どっちでもお嫁にいったげるって」

2016年10月14日 06:23


※毎月14日はツイノベデー。今月のお題は「VR」でした




キスしたい、と彼。

えっとえっと、じゃあつきあって1年めの日にしよう!って約束した。

けどいざむかえたその日は平日で、授業のあとお互い部活があってあれよあれよと帰宅。…あれ?

次の日、じゃあ2年めに…と切り出したら、そのまま階段の踊り場に連れていかれてキスされた。

2016年10月16日 20:57


※「ドラマティックキス企画」に影響され




中学に入って初めての合唱祭、実行委員だもんはりきっちゃう。のに、テノールの頼みのパートリーダーが風邪で3日も休むなんて!

病み上がりの彼はかすれ声でかつての高い声はどこへやら、1週間経っても治らぬ低い声にのど飴を2袋も押しつけたんだけど。

「ごめん、実は声変わり」

2016年10月20日 23:16




合唱祭の練習で一人高い声を出している。厳密に言うと男ん中で一人。

カモン声変わり。いつでもどうぞ。てか早くきて、俺もう14歳。

…だけど実は、スマホ持ってないカノジョんちに電話するときは便利なんだよね。おとーさんもおかーさんも、俺のこと女友達と思ってる、絶対。

2016年10月20日 23:32




「え?いま駅?」

休日の昼、今から一人暮らしの部屋に母が来るという。ヤバい!

「ちょっと2時間外出して!」寝てる奴を蹴り飛ばす。

奴の荷物はクローゼットに…あと歯ブラシ!あっ靴!

ふう…。奴はと見ると何故かスーツ姿。

「キンチョーするなあ~」

えっ会う気満々ですか

2016年10月27日 17:39









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