2016.7
彼がずっと彼女を見てる、と気づいた私はそんな彼を見てる。
廊下を歩く彼女を見てる、彼を私は見てる。
本を読む彼女を見てる、彼を私は見てる。
笑う彼女を見て、微笑む彼を見て、私も笑う。
そんな私を彼女が見て「じっと見ちゃって。好きなのね」
え、いや、すきなのは、え?
2016年7月1日 21:08
遠距離恋愛中だからか、七夕は織姫と彦星気分でちょっとセンチメンタル。彼に電話して同じ夜空を見ようと促す。
「だから真上のがこと座」
「えぇ?どれ?右から何番目?」
だめだこりゃ。
「…もう俺んとこ来てさ、教えてくれよ」
プロポーズだと気づいたのは電話を切ってから。
2016年7月7日 21:50
「今年の七夕も雨かあ。梅雨どきだし彦星と織姫も全然会えないね」と、少々かわいこぶって言ってみる。が、
「七夕は本来旧暦で行われてた行事だから8月でばりばり梅雨も明けてるし。大体働かないでイチャついてるとかマジ最悪」
理系で社畜の彼には振ってはいけない話題だった。
2016年7月7日 21:51
ようちえんのたなばたかざりでれいくんのたんざくをみつけた。
『やまのてせんになりたい』
すうちゃんはおひめさまになりたいのにれいくんがやまのてせんになっちゃったらおうじさまはどうするの!うわーんとないたらママがいった。
「大丈夫よ、山手線になるの…結構難しいから」
2016年7月7日 21:52
鬼ごっこで捕まって泣く、トランプでババ引いて泣く。幼い頃からいつもいつも泣いてばかりいた私を面倒みてくれたのは兄じゃなくその友人の彼だった。
そんな彼が告白されてるところに遭遇。相手の女の子は泣いていたけど彼はきっぱり断った。
「俺が弱いのはお前の涙だけだからね」
2016年7月10日 08:50
「一緒にいると悪いこと沢山しちゃってちょっと楽しい」
付き合い始めた彼女が言った。悪いこと?したっけ?
学校帰りに買い食いしたり、自転車2人乗りしたり、夜中にLINEしたり、と彼女は顔を輝かせる。え、それが?
「あと…手を繋いだり」
ちょ、待て。じゃあそれ以上は?
2016年7月11日 08:12
彼が遊園地デートに10歳下の妹さんを連れてきた。いちご組さんなんだって。かわいい。
コーヒーカップ、メリーゴーランドに観覧車。彼女に合わせて自然と乗り物はかわいらしいものになる。
…実は彼、私には隠してるみたいだけど絶叫系がダメなんだよね。知ってるけど黙ってるよ。
2016年7月14日 19:38
※毎月14日はツイノベデー。今月のお題は“Go”でした。(メリー“ゴー”ランドってことで…)
なんで雨じゃないのにかささしてんの
日がさっていうんだよ。ママにかりたの。入る?
うん
どうぞ
へえ…そっかあ、かさってはれててもさしていいんだ。なんかしゃがむとひみつきちみたいだな!
ひみつきち?
そう、いどうしきのひみつきち!
真夏の秘密基地に子供がふたり。
2016年7月19日 22:03
「夏休みだー!」
終業式が終わって友人らははしゃいでる。
けど私は夏休みは嫌い。暑いし虫いるしママはうるさいし宿題多いし暑いし暑いし。でも一番嫌なのは。
42日間、彼に会えないこと。
暑さも虫も我慢するし宿題も早く終わらせてママもスルーするから。
早く9月になれ。
2016年7月20日 23:59
「あ」
「あ」
取引先の担当者が元カノの友人だった。
最初は微妙な空気だったものの仕事自体はやり易く気が利いて刺激的。徐々に惹かれるもののお互い躊躇う原因は一つだ。
「いいからとっととくっつきな!泣かせたら末代まで祟る!」
件の人の5年ぶりの電話に僕は走り出す。
2016年7月22日 20:43
「彼氏いんの?」「5人ほど♪」
「今日の下着何色?」「紫レースv」
「胸大きいね」「豊胸ですけどネ」
セクハラ発言の嵐に今日も彼女は笑って返す。男慣れしてるのだろう。
そんな彼女と書類の受け渡しで手が触れた。途端彼女は耳まで真っ赤に。
…もしや、耳年増ってやつ?
2016年7月24日 13:06
今日花火大会だから。
浴衣の女の子が多いので疑問を口にしたらバイト仲間の彼が言った。すっかり忘れてた。
「行かなくてよかったの」
「まあ別に」今更だし。
「じゃあさ…」
帰り道はすっかり祭のあと。でも彼の手には玩具花火。私たちの花火大会はこれから。なぜか2人きり。
2016年7月30日 21:33