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twno-baby  作者: 花*
20/65

2016.5

 

GW中の平日、いつもの朝の電車は家族連れやカップルばかりだ。

そんな中見つけたスーツ。毎朝電車で見る彼もGWの関係ない仕事なのか。

彼も私に気づいたようだ。ふっと微笑まれる。

今日は息を詰めて乗る満員電車ではない。

「おはようございます」

彼と初めて言葉をかわす。

2016年5月2日 23:33




「あーちゃんパパとお風呂入ろう」


「パパ!おふろにおねぎがういてるよ!」

「あーちゃん違うよこれは葱じゃなくて…えーと、ニラ…」

「菖蒲」

「あっそうそう菖蒲!紫の花が咲くんだよあーちゃん!」

「それは花菖蒲。全くの別物」

(´・ω・`) (・ω・)

2016年5月5日 21:48


※端午の節句




GW明けの学校。みんなやれランド行っただBBQやっただ言っている。いいなあ…。

「あんたは?」と訊かれた私はここぞとばかりに不満を爆発させた。

「漢字と数式と英単語で終わったよ!中間テストが近いからってどこにも行かず彼と家で毎日毎日!」

「何だノロケか」

ひどい。

2016年5月6日 17:26


 ↓


「ノロケじゃないよ!質問する度に『何でわからないのかがわからない』ってため息つかれるし!説明されても途中はしょるからなおさらわかんないし!英単語100覚えるまで遊びに行けま10だし!てか行けま100だし!そんで行けなかったし!」

(嫌かも…)

(嫌かも…)

(すっごい嫌だ…)

2016年5月6日 19:40




「パパおはよー!おきてー!」

「うぐっ!あーちゃんおなかにいきなり乗らないで…」

「きょうはははのひだよ!だからきょうはパパがごはんつくっておせんたくしておそうじしてあーちゃんをこうえんにつれてくんだよ!」

「あーちゃん、それ毎週土日パパやってるよね…」

2016年5月8日 09:57


※母の日




例えば幼馴染とか、中高生あたりから付き合ったりして最後に結婚する。そんなの小説や漫画の話で現実は絶対その前に別れるに決まってる。

そう主張してたら「じゃあさ、試しに俺と付き合ってみようぜ」と単なるクラスメイトが提案してきたので乗ってみた。

──10年後に結婚した。

2016年5月8日 23:51




ドッジで汚れた手を洗ってズボンでふいてたら、となりに影ができた。

「ハンカチぐらい使いなよ」

そう言って渡されたそれは、他の女子が使ってるようなキャラクターとかのじゃなくて、うすいきれいな青色で1本だけ白い線が入ってて。

たったそれだけのことで、ぼくは、簡単に。

2016年5月9日 21:43




「おはよう!」

朝練で早く来た学校の門で、知らない女子に声をかけられた。赤いライン。一つ先輩だ。

それから1週間、毎朝毎朝挨拶する。何で待ってる?何で俺に?

もしやという思春期の淡い期待は、1週間後に打ち砕かれる。

彼女は風紀委員でそれは朝の声かけ運動だったのだ。

2016年5月14日 09:58


 ↓


「おはよう!」

勇気を出して声をかけた。彼はぽかんとしつつも、おはようございます、と返してくる。嬉しい。

それから1週間、毎朝毎朝挨拶をかわす。

このために今年風紀委員になったのだ。朝の声かけ運動を利用するため。

でも、この1週間が終わっても、声をかけていいかな。

2016年5月14日 09:59


※毎月14日はツイノベデー。今月のお題は「声」でした




「まだガラケーなの?」

呆れる友人らに苦笑いする。確かにクラスメイトはみんなスマホ。

そんな会話を聞いて彼が寄ってくる。

「俺らガラケー仲間だもんな」

そう。ただ彼を除いては。

アプリやラインも魅力的だけど、彼と私だけガラケー。

この魅力に勝るアプリはないのです。

2016年5月19日 23:10




むかーし昔にもらったのよ。ばあちゃんが見せてくれたラブレター。じいちゃんから?と訊いたら、うふふないしょ、と少女のように笑う。

何となく彼女が恋しくなりメッセージアプリを開く。が、すぐ閉じて紙とペンを出した。

スマホじゃ50年も60年も残らないから。

2016年5月23日 21:26


※恋文の日


 …からの↓


隣の部屋から妻と娘の会話が聞こえる。


「ママこれ何?」

「昔貰ったラブレターよ」

「えー見せて!何々、“こうして改めて君に手紙を─」

「…ママいいなあ。ラブレターいいなあ」

「うふふ、いいでしょ。宝物なのよ」


思わぬ羞恥プレイだったが、後悔はない。

また君に恋文を書こう。

2016年5月24日 23:59




ちびた鉛筆が5本。もう影も形もないけど人気のキャラクターのものだった。時々机の引き出しを開けてみては眺める。

「何これ。取っといてんの?」

遊びに来ていた従兄弟が覗き込んだ。

「捨てればいいのに」

捨てれるわけないでしょ。小さい頃にあんたがくれた誕プレなんだから。

2016年5月27日 09:31




「あなたと私が出会った確率って7200兆分の1らしいよ」

「は?何言ってんの?それって老人とか赤ん坊とか海外の人間も計算の範疇なんだろ?それおかしいし性格や理想を考慮す(略)こんなのただの偶然の積み重ね、つまり…」

「つまり?」

「ただの運命だろ?」

「すき!!」

2016年5月30日 19:20






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