表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
twno-baby  作者: 花*
14/65

2015.11

 

秋も深まり鍋のおいしい季節がやってきた。というわけで今夜は彼と部屋でちゃんこ鍋です。

「おーい鍋吹いてるぞ」

「やばっ蓋取って!」

「鍋つかみどこ」

「そこの後ろのどっか」

「ああ、あった。…お前んちの鍋つかみ変な形だな」

「それティーコゼー」

2015年11月1日 22:19

※紅茶の日らしいです




お見合いで知り合って、食事をするのは今日で4回目。「コーヒーと紅茶、どちらにしますか」と最後に問われると、彼はいつも紅茶を頼む。英国紳士みたいですね、と言ったら彼はちょっと躊躇ってから、苦いのが駄目で…とうっすら顔を赤くした。

あ、わたしこの人と結婚したいな。

2015年11月1日 22:31




「先輩!肉行きましょ肉!」

会社の後輩が俺を飯に誘うときは大抵焼肉だ。

「毎回肉肉って…もっと色気出せないのか」呆れる俺に彼女は頬を赤らめて、出してるから肉に誘ってるんです、と睨んだ。

「焼肉食べる男女はデキてるって言うじゃないですか」

いや、まだデキてないよな?

2015年11月2日 22:42




推薦入試を間近に控え、幼なじみがお守りを買ってきてくれた。がしかし。

「これ【良縁御守】て書いてあるけど」

「ああっ間違えた!」

「お約束」

でもまあ大事にもらっておこう。これはこれで近いうち役目を果たしてもらいたい。目の前の相手を対象に、是非。

2015年11月5日 09:48

※縁結びの日。男子×女子でも女子×男子でも通じますね。お好きな方で。




おばあちゃんが亡くなった。大大大好きなおばあちゃんだった。

火葬場でぐずぐず泣いてたら従兄のケンちゃんが呟いた。

「ばあちゃん、やっとじいちゃんに会えるな。50年ぶり?『遅えよ』『ごめんね』とか言ってるかな」

そうか、おばあちゃんは大好きな人に会いにいったんだね。

2015年11月6日 23:04




雨がしとしと降っている。休日に、どこにも出かけず部屋で二人。

只管読書にふける相方に話しかけた。

「ずーっと本読んでて飽きない?」

「飽きない」

こちらをチラとも見ない。見ないまま聞き返してきた。

「そっちこそ、人のことずーっと見てて飽きない?」

「…飽きない」

2015年11月8日 21:52




「パパ、ポッキーゲームしよう!」

「いいよ~(●´ω`●)」

「はいパパのぶん」

「ん?」

「よーいどん!ぱくっ!ぽりぽりぽりぽりっ。ぱくっ!ぽりぽりぽりぽりっ」

「あーちゃん…?一人で食べるの…?」

「おててをつかわないでポッキーをはやくたべるゲームってママが」

2015年11月11日 20:25

※言うまでもなくポッキーの日



「あーちゃん違うんだよ本当はねポッキーのはじっことはじっこを二人で咥えてね両方から食べてくんだよ。パパとやってみ…」

「やだ!!」

「(´;ω;`)」

2015年11月11日 20:26



パパはママを誘えばいいとおもいます

2015年11月11日 20:27



「ママ、ポッキーゲームしよう」

「いいよ」

「(えっ)」

「じゃ目瞑って」

「う、うん(ドキドキ)…んぐっ!?みゃ、みゃみゃ…にゃにすんの?」

「じっとして危ないから」

「んぐっ」

「パパすごーい!はなのあなにポッキー3ぼんはいった!」

「まだいくわよ」

2015年11月11日 22:15




取引先に伺ったら担当が何と学生時代の後輩だった。打ち合わせ中、女の子に「これ先方に在庫確認して。大至急」と奴はすっかり上な物言い。昔の『ハイ、先輩!』を頭に浮かべた私に「いつまでも年下扱いさせませんよ」とにやり笑うけど、いやもう何かやられたよね、下剋上的な何かに。

2015年11月13日 18:26




ツイッターのファボが星からハートに変わり、仲間たちは「星でいいのに」「えー可愛いじゃん」と言いつつあっという間に慣れちゃったみたい。

けど私は彼のツイだけ気軽に『いいね!』できなくなってしまった。だって、ハートマークを押すなんて、私の気持ちがバレる気がするじゃん!

2015年11月14日 13:40

※毎月14日はツイノベの日!今月のお題は「どっち」または「(ハート)」または「(スター)




彼女が恋人をなくして3年。自分を見てほしい気持ちと、いつまでも奴を思っていてほしい気持ちと、どっちの思いも抱えている。

「それじゃ誰も幸せになんないぜ」

つい最近僕の前に現れた、半透明の姿の彼女の恋人兼僕の親友(故)はふわふわ浮きながら言うけれど。どっちも大事なんだ、どっちも。

2015年11月15日 01:42



某吉日、控室で白いドレス姿の彼女が写真を見て呟く。

「私結婚するよ」

うん。

「あなたの親友と」

うん。

「…ごめんね」

謝んな。むしろ俺が謝る。

いなくなってごめん。幸せになれよ。

しかし、まさかあいつが10年も黙ってるとは思わなかったがな!クソが!幸せにしろよ!

じゃあな!

2015年11月15日 01:48




友人と参加した合コンにいた男。とにかくよく喋って騒がしくてギャグ飛ばす。場は盛り上がったけど正直“ナイ”。

カラオケ(二次会)でトイレに抜け出るとホールに彼がいた。一人煙草をふかすその顔は無表情でクール。…あれ、もしやわざと、煩くしてた…?

─もっと彼を知りたい。

2015年11月16日 23:08




「オイゆとり」

「主任、私ゆかりです」

「ゆとり世代だろーが」

「そうですけど、何か嫌です」

「今度の企画通したらちゃんと名前で呼んでやるよ」

「言いましたね!」

よぅし、と張り切ったもののよく考えたら苗字で呼べばよくない?

そう同僚に言ったら生温い目で見られた。

2015年11月18日 23:13




元々友人の紹介で知り合ったからクラスが一緒とかノートや黒板の字を見るとかいうこともなかったし(そもそも私は女子校で彼は男子校)、だから、初めて彼の字を見たのは年賀状だった。

(すっごいヘタくそ…)

思わず笑ってしまって、小学生レベルの字の彼がもっと好きになった。

2015年11月19日 23:24




熱を出した。できたばかりの恋人が様子見に来ると言ったが断った。断ったのに!

玄関にコンビニの袋を下げた彼。

「見ないでスッピンだから」と顔面を隠す私に

「え、スッピンて?ていうかいつも化粧してたの?」

これだから男は!

「いつでも可愛いけど」

これだからこの男は!

2015年11月22日 00:58




12月に某国家試験を控える自分に幼馴染が御守を買ってきてくれた。がしかし。

「これ【夫婦円満】て書いてあるけど」

「ああっまっ間違えた!」

「学習能力とは」

でもまあこれももらっておこう。数年前の御守も効果はあった。これも近い将来きっと必要だろう。

2015年11月22日 19:07

※言うまでもなくいい夫婦の日




痛い≒痒いをテーマにしたツイノベ2編。


目の前に星が飛んだ。きゃーと友達の声。ふわり担がれて、気づいたら保健室で彼と顔を突き合わせていた。ちちち近い。「どこが痛い?」痛くない。全然痛くない。むしろくすぐったい。いやそうじゃなくて何かもう、心臓が。

「痒い」

「は?」

ろくにお礼もせず私は保健室を逃げ出した。

2015年11月24日 00:01




校門の脇に幼馴染が立っていた。部活中の私は声をかける。

「何してんの」

「あいつ待ってんの」

「ふぅん…蚊いない?ここ」

直に彼女が来てじゃあなと二人は背を向ける。彼らを眺めながら私は腕を掻く。気付くと血が出ていた。痒くはない。痛い。痛いのは腕じゃない。じゃあどこ。

2015年11月24日 00:02




子供ができて幼馴染兼配偶者と御守を買いにきた。がしかし。

「これ【長寿祈願】て書いてある」

「えええ間ちg」

「もはや想定内」

「ちゃんと黄色の買ってきたのに!」

今まで色で選んでいたことが発覚。字を嫁。

でもまあいい。これで家族全員末永く幸せに生きていくのだ。#twnovel

2015年11月26日 23:15

※これにて5日・22日と合わせ御守三部作おわり









※痛い≒痒いに関しては、奏多悠香さん、たむらさん、灰谷爽冶さんがそれぞれ素敵な短編を書かれております(もちろん140字じゃない)。未読の方はそちらもぜひどうぞ。とても素敵ですよ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ