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twno-baby  作者: 花*
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2015.7

 

2015.7.3

張り切っておろしたての靴を履いてきたから、靴擦れができちゃって痛くて痛くて今日はもう歩けない。

何度目かのデートの帰り、初めて寄った彼の部屋で言外にお泊りを匂わせたのに。

じゃあサンダル貸そっか、大きいから歩きにくいかもしれないけど、だって。殴っていいよね?




2015.7.7

七夕生まれの私の名前は織姫から取ったという。今年の誕生日も雨で、織姫と彦星は会えなさそう。

けれど

「ズルだけど、ここなら二人も会えるよね」

できたばかりの恋人に連れて来られたのはプラネタリウム。

彼は言わば白鳥か。なら私は織姫じゃなく、その番いの白鳥がいい。




2015.7.13

放課後並んで歩く帰り道、私たちの前には影ぼうしがふたつ。ふたつはどこも重ならずそのまま前をゆく。

付き合い始めて3ヶ月、キスどころか手も繋いでいない。

手ぐらい私から繋ぐ?よぅーしっ

そっと右手を彼の左手後ろにずらす。

──影だけ、手を繋いだ。

本番はまた次回…




2015.7.14

仲間で行った温泉旅行の夜。みんな買い出しにいって男部屋で奴と二人。

「みんな遅えな、ウノでもすっか」「うん」

「リバース!」「スキップ!」「ドロー2!」「阿呆めドロー4!」

気付いたら朝だった。みんなは女部屋に隠れてた。

どうやら期待を裏切ったらしい。ごめん。


※毎月14日はツイノベの日。7月のお題は「ゲーム」でした




2015.7.19

「アルコール、決めた?」

「はい、えっと、これ」

成り行きで、就業後に憧れの彼とこじんまりとした和食屋さん。

じゃあ頼むね、と彼は店員さんを呼んだ。

「俺はビール、彼女は、ゆ、ゆじゅ、ゆじゅしゅ、しゃ、サワー」

今でも思い出して笑う。彼はもう忘れろと怒るけれど。


※正解は『柚子酒サワー』これマジで言えない。




2015.7.22

付き合って初めての夏。待ち合わせに現れた彼女は日傘&腕カバー&顔面を覆う真っ黒のサンバイザーという重装備。日に焼けると赤く腫れちゃうの…と俯く彼女に、君の手首さえも素肌をみれる男は自分だけなんだね、そう囁くと、隙間から覗く彼女の焼けてない筈の首筋が赤く染まった。




2015.7.22

「おーい!ここ!」

真夏に日陰の全くない公園の噴水前で待ち合わせとか終わってる。そっちは既に部活で真っ黒だからいいだろうけど。

「何お前傘なんか差しちゃって」

奴はひょいと傘を取り上げて「こんな晴れてる日でも相合傘したいんだ?」と笑う。全然違うけど、まあいいや。




2015.7.24

「ふー、やっと我が街の高速出口だな」

「昼過ぎに出たのに夜になっちゃったね」

「パパママ!あのきらきらしてるおしろはなに!?」

「えっ」

「あれは泊まれるお城だよー」

「とまりたい!」

「大人しか泊まれないんだよー。あーちゃんも大人になったら」

「絶対ダメです」


※オマケ

「あのお城には魔王が住んでるから危険なんだ」

「えっまおうがいるの!あーちゃんがやさしくしたらおうじさまにもどるかな」

「絶対絶対ぜえーーーったい無理。戻ったとしてもその王子はデブでハゲだからやめた方がいいそれよりもパパとネズミーランドにいこうそうしよう!」

「必死すぎワロタw」




2015.7.25

「ごめん待った?」

現れた彼は浴衣姿だった。

「いや母親がさ、絶対着てけってうるさくて」

照れながら浴衣可愛いね、なんて言ってくれるけど私はそれどころじゃなかった。

浴衣姿って女子が男子をKOするものだと思ってたんだけど、知らなかった。男子も女子をKOするんだね




2015.7.25

大学の研究棟の屋上から一人遠くの花火を観る。直径1cmの花火は音も届かない。あの花火の下に彼と彼女はいるだろう。

みんなで待ち合わせをズラかった。彼らをくっつけるため。

「バカだな。好きだった癖に」

いつの間にか後ろに後輩。あんたもバカだね。私なんかやめときな。




2015.7.27

目を閉じて集中する。大きく振りかぶり内側に左右の手を捩るように正中線で振りおろす。

「メェエエーーンッ!!」

見事に入った。

「先輩っ!どうですか!」

ほめてほめて!

「どアホッ!スイカ割りなんかちょっとヒビが入りゃいんだよ!ここまで木っ端微塵にすんな!」


※スイカの日





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