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前世の記憶

昔々ある小国にそれはそれは可愛らしいお姫さまがいました。お姫さまの可愛らしさは周辺の国々に伝わっていました。

ある日小国のパーティーが開かれました。そのパーティーにはお姫さまの可愛らしさを聞いた隣国の王子もやって来ました。

王子はお姫さまを一目見てこう思います。

「なんて美しい姫君だろう」

王子は隣国に帰るとすぐさま小国の王に手紙を送ります。

"どうか姫君との結婚を許して貰えないだろうか?"

王はこの手紙を喜びお姫さまに言いました。

「なんとお前は幸運な娘だろう。お前は最も裕福で優しい恵まれた男と結婚することができるのだ。」

国中のものがお姫さまを祝福しました。

ですがそれを祝福しないものがいました。お姫さまに仕えている近衛騎士です。

近衛騎士はお姫さまのことが好きだったのです。ですが相手はお姫さま。身分が違います。

そんな中のお姫さまの結婚。近衛騎士はお姫さまを想うあまりついにやってはいけないことをしてしまいます。

お姫さまを殺して自分も死んでしまったのです。

さぁ大変。これを知った隣国の王子は怒り狂いとうとう軍を率いて国を攻めてきたのです。

こうして小国は滅び、その近衛騎士は国を滅ぼした大罪人として語り継がれるようになりました。



~滅びの騎士より抜粋~





唐突だが俺の前世は騎士だった。王族の護衛をする近衛騎士。俺は近衛騎士としてそれなりに仕事をしていたし友人もいた。国王は立派な人だったし一人娘の姫君はとても可愛らしいかたでそんな人に仕えることが出来た俺はかなり恵まれていたと思う。



恋をした




姫に恋をしたのだ。あの可愛らしいお姿。金色の豊かな髪に透き通るような空色の瞳。

優しく鈴を転がすような声。あの声で名前を呼ばれる幸福はどんなものでも変えがたい。

しかし俺の身分は近衛騎士。確かに家はそれなりに地位の高い貴族だが王族を降嫁してもらえるほどの家ではない。姫への恋心を押さえ込みどうにか表面上だけでも取り繕って仕事をしていたある日。

国王陛下はパーティーを開いたのだ。もちろん姫の婿探しのために。

年頃になりますます可愛らしくなった姫。そんな姫を見ながらどうすることもできない黒い感情を隠して職務に励んでいた。

そんな中で姫の婿探しだ。自分の感情はともかく姫が楽しめるように全力を注いだ。

パーティーでは沢山の王族がいた。王族達は姫の興味を引こうと様々な趣向を凝らし争っていた。

そんな中、一人の王子が特に何かをするわけでもなく壁際で立っていた。姫はその様子に興味を引かれたのかその王子に近寄られ楽しそうに会話をしていた。王子も初めは驚いていたがすぐに打ち解けていた。

結局姫がお話になられたのはその王子だけで他はあまり興味を引かれなかったようだった。

パーティーが終わったあと俺は国王陛下に呼ばれた。なんとなく呼ばれた理由もわかっていたが沸き上がってくるどす黒い感情を抑えるので精一杯で陛下と話した内容はあまり覚えていない。だが陛下はあの王子と姫を結婚させることに決めていた。俺には様子を聞きたかったらしく、報告が終わったあと


「良くやった。お前のような信頼できる騎士がいて助かる。」


と言葉をかけられた。



これから俺は近衛騎士として姫が結婚なさるのを見届けなければならない。そうして姫への恋心も断ち切って生きていくのだろう。

そんなことを考えながら自室に戻ったが部屋についてからの記憶がない。

そして次の日。国王陛下は姫に結婚するようにおっしゃったらしい。ちょうど王子からも結婚の申し込みがあったらしく良い機会だとお思いになったらしい。そしてそれをお聞きになった姫は


「私は●●●●と結婚します!!」


と断ったらしい。


…え?

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