第12.5話
盛大に開催された、クーの『深紅』加入祝いが終わった後の事・・・
お屋敷の居間では、エルザたち4名が並んで正座している。
正座する4人の前では、私が腕を組んで仁王立ちをしていた。
正座する4人に・・・あれっ? 4人!?
「ちょっと、クーは正座しなくていいのよ。 こっちにおいで。」
「ううん。 リア姉・・・私もお金持ってなかったから・・・」
「いいから。 クーはこっちに来なさい。」
「はい・・・分かりました・・・」
クーは、エルザ達に申し訳なさそうな顔をしていたが、私の指示に従って立ち上がると、私の後ろに隠れるように立つ。
「それで・・・アンタら、なんで正座させられているか分かってんの?」
「「「・・・・」」」
「答えられる人はいないの?」
「「「・・・・」」」
「ゲオルグ?」
「は、はい。 カメリアさん。」
「答えて。」
「はい。 その・・・か・・・金を持っていなかったからです。」
「そうね、分かっているじゃないの。 ま、さっきクーも言っていたけどね。」
「はい。 仰るとおりでございます。」
「パトリック? どうしてお店で飲食するのにお金を持ってこないの?」
「そ・・・それはだな・・・いや、それはですね。 エルザが言い出したことですし、エルザが出してくれるもんだと・・・思って・・・いたからだ・・・です。」
「ちょ・・・おい、パトリック!?」
「エルザっ!」
「はいっ!」
「この2人の話が終わっていないから、ちょっと待っていてもらえるかしら?」
「・・・はい。」
「パトリックはああ言っているけど、ゲオルグもそうなの?」
「は・・・はいっ! 全く持ってパトリックと同じ考えでございました。」
「そうなのね・・・エルザ? 2人はこう言っているけど、あなたはそんな約束をしていたのかしら?」
「いいえ、そのようなことは誓って言っておりません。 クーに金を払わせるつもりは毛頭ありませんでしたし、大人4人で割り勘にするべきだと考えておりました。」
「そうなんだ? まあ、それが当たり前の話よね?」
「ですよね~? さっすがカメリアさん、分かってらっしゃる。」
「・・・・・じゃあ、なんでアンタはお金持ってなかったのよ!?」
「うっ・・・・」
「今の話の流れだと、少なくとも自分の分くらいは持っていてしかるべきよね?」
「・・・・・」
「はあっ・・・今日の代金もアンタらの借金に加えるからね。 フロー市での借金だってまだなんだからね、無駄遣いをやめて早く返しなさい。」
「クソっ! カメリアの第6国行きを止めるんじゃなかったぜ。」
「はあっ?」
「いえっ。 ・・・なんでもありません、カメリア・・・さま・・・」
「そう? それならいいわ。 クー?」
「はいっ!」
「これがダメな大人なの。 クーは早く大人になりたいって言うけれど、くれぐれもこんな大人にはならないで頂戴ね。」
「・・・はい。」
「じゃあ、私はもう寝るから、アンタ等はしばらく正座を続けなさい。 いいわね?」
「「「はい。」」」
「クー。 おいで、部屋に行くわよ。」
「・・・・はい。」
「おい、クー。 なんでお前のママに『冷血』ってアダ名がついたか分かったろ? お前は人の心を忘れないでくれよ・・・」
「エルザさ~ん・・・」
私は、クーを連れて寝室へ上がる。
どうせエルザたちは、私が居なくなればすぐにでも足を崩してだらけるだろうけど・・・
まあ、それでもいいわ。今日はクーの加入記念日なんだし・・・大目に見てあげるわ。
お金は必ず返してもらうけどね。




