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鋼と虎  作者: 釘崎バット
第4章 カメリアとクー2

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第12.5話

 盛大に開催された、クーの『深紅』加入祝いが終わった後の事・・・


 お屋敷の居間では、エルザたち4名が並んで正座している。

 正座する4人の前では、私が腕を組んで仁王立ちをしていた。


 正座する4人に・・・あれっ? 4人!?


「ちょっと、クーは正座しなくていいのよ。 こっちにおいで。」

「ううん。 リア姉・・・私もお金持ってなかったから・・・」

「いいから。 クーはこっちに来なさい。」

「はい・・・分かりました・・・」

 クーは、エルザ達に申し訳なさそうな顔をしていたが、私の指示に従って立ち上がると、私の後ろに隠れるように立つ。


「それで・・・アンタら、なんで正座させられているか分かってんの?」

「「「・・・・」」」

「答えられる人はいないの?」

「「「・・・・」」」

「ゲオルグ?」

「は、はい。 カメリアさん。」

「答えて。」

「はい。 その・・・か・・・金を持っていなかったからです。」

「そうね、分かっているじゃないの。 ま、さっきクーも言っていたけどね。」

「はい。 仰るとおりでございます。」


「パトリック? どうしてお店で飲食するのにお金を持ってこないの?」

「そ・・・それはだな・・・いや、それはですね。 エルザが言い出したことですし、エルザが出してくれるもんだと・・・思って・・・いたからだ・・・です。」

「ちょ・・・おい、パトリック!?」

「エルザっ!」

「はいっ!」

「この2人の話が終わっていないから、ちょっと待っていてもらえるかしら?」

「・・・はい。」


「パトリックはああ言っているけど、ゲオルグもそうなの?」

「は・・・はいっ! 全く持ってパトリックと同じ考えでございました。」

「そうなのね・・・エルザ? 2人はこう言っているけど、あなたはそんな約束をしていたのかしら?」

「いいえ、そのようなことは誓って言っておりません。 クーに金を払わせるつもりは毛頭ありませんでしたし、大人4人で割り勘にするべきだと考えておりました。」

「そうなんだ? まあ、それが当たり前の話よね?」

「ですよね~? さっすがカメリアさん、分かってらっしゃる。」

「・・・・・じゃあ、なんでアンタはお金持ってなかったのよ!?」

「うっ・・・・」

「今の話の流れだと、少なくとも自分の分くらいは持っていてしかるべきよね?」

「・・・・・」

「はあっ・・・今日の代金もアンタらの借金に加えるからね。 フロー市での借金だってまだなんだからね、無駄遣いをやめて早く返しなさい。」

「クソっ! カメリアの第6国行きを止めるんじゃなかったぜ。」

「はあっ?」

「いえっ。 ・・・なんでもありません、カメリア・・・さま・・・」

「そう? それならいいわ。 クー?」

「はいっ!」

「これがダメな大人なの。 クーは早く大人になりたいって言うけれど、くれぐれもこんな大人にはならないで頂戴ね。」

「・・・はい。」

「じゃあ、私はもう寝るから、アンタ等はしばらく正座を続けなさい。 いいわね?」

「「「はい。」」」

「クー。 おいで、部屋に行くわよ。」

「・・・・はい。」

「おい、クー。 なんでお前のママに『冷血』ってアダ名がついたか分かったろ? お前は人の心を忘れないでくれよ・・・」

「エルザさ~ん・・・」


私は、クーを連れて寝室へ上がる。

どうせエルザたちは、私が居なくなればすぐにでも足を崩してだらけるだろうけど・・・

まあ、それでもいいわ。今日はクーの加入記念日なんだし・・・大目に見てあげるわ。

お金は必ず返してもらうけどね。



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