表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼と虎  作者: 釘崎バット
第4章 カメリアとクー2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/75

第10話

 深紅(クリムゾン)の会議が行われた翌日から、早速クーの特訓が始まる。


 従来通りに、私が剣の型の指導をする。

 エルザ他2名は、立ち合いの相手をする。

 エルザはパワー&スピードタイプ。パトリックはパワー&タフネスタイプ。ゲオルグはスピード&テクニカルタイプなので、色々なタイプを相手にできるのは良い。

 ゲオルグは加えて情報収集にも奔走している。

 かなりキツイ本気の特訓で、クーは何度も泣いたが、弱音を吐かずに頑張った。

 1月経つ頃には、エルザ達も簡単には1本取れないほどに強くなった。



「そろそろクエストを請けてみても良い頃だろう・・・なあカメリア?」

「そうかしら? まだ不安だわ。」

「また、ママの過保護が出てるぞ。 もっと我が子を信用しろよな。」

「ママはやめてよ。 私まだ16才なのよ? クーと5つしか違わないんだから。」

「16か・・・見えないんだよな。」

「5つしか違わないってのは、私とエルザの年の差よりも小さいのよ? それでママだなんて言ってたら、私とエルザなんてお祖母ちゃんと孫くらい違うじゃないの。」

「おいおい、何を言い出すんだいセニョリータ? アタシは19才だって言っただろ? お前とアタシとでは3つしか違わないんだよ。」

「まだソレ言うのね。」


「おい、クー。」

「はい! エルザさん!?」

 パトリックと訓練中のクーが、戦いを続けながら返事をする。


「ちょっとこっち来てくれ。」

「はい。 パトリックさん途中でごめんなさい。 行っても良いですか?」

「ああ、行ってきなさい。」

「ありがとうございますっ!!」

 クーは、パトリックに詫びをいれてから、私とエルザの方に駆けて来る。


「なんでしょうか? エルザさん。」

「今日の訓練は終了だ。 これからお前の装備を買いに行こう。」

「ホントですかっ!?」

「ああ、フロで汗を流したら行くぞ。 ママも来るだろ?」

「・・・行くわよ。 あとママ言うな。」


 3人そろってお風呂に向かう。

 この2人には、既に私の秘密を知られているので、秘密を気にせずにお風呂に入れるのは気が楽でありがたい。

 しかし、今の私には別に気がかりなことがある。

 クーは、訓練を始めてからドンドン筋肉も付いてきた。それはまあいい。しかし、それと同時になんか一部が膨らみ始めた気がしてならない。まだ11だよね?クーちゃん?



お風呂場にて・・・

「お、クーなんか成長したんじゃねぇか? なぁカメリア?」

「やめてエルザっ! 聞きたくない!!」

「お前何言ってんだ? クーの背が伸びたって話だろ?」

「あ、そうなの? そうね。 運動で成長が促進したのかもしれないわね。」

「そうなのリア姉? 私背伸びた?」

「伸びたんじゃないかな?」

「そっか。 私、もっと背高くなりたい。」

「しかしよぉ・・・クー、お前背だけじゃなく・・・」

「いや~~っ!! バカエルザぁ~~!!」

 私は、耳を塞いでお風呂場から逃げ出した。


「リア姉どうしちゃったの?」

「クー。 そっとしておいてやれ。」

「う、うん?」



 お風呂の後、私たちは以前にクーの剣を買った武器屋に来ていた。


「クーの戦闘スタイルだと、やっぱり軽装だよな。 皮鎧・・・でも、クーはすぐにデカくなりそうだからな。 どうすっかねー・・・ピッタリだとすぐに着れなくなりそうだな。」

「でも、あまり大きいのはダメでしょう?」

「だな。 買い替えは仕方ないか。」

「そうだね。」

「クーはなんか気になるのあるのか?」

「え~とね・・・あ、これ良いかも?」

「鎧じゃなくて、普通の服みたいだけどね。」

「でも獣人って、こういう感じの着てるヤツ結構多いんじゃないか?」

「そうね。 獣人は鎧よりは、こういう服みたいな感じの装備の人が多いかもしれないわね。」

「店主さん。 これって試着して見てもいいですか?」

「そっちのトラのお嬢ちゃんが着るのかい? いいぞ、着て見な。 しかし・・・」

()()()・・?」

「嬢ちゃんちょっとの間にデカくなったんじゃねぇか?」

()()()・・・」

「ああ・・・そ、そうだな。()()()。」

 店主は何かを感じ取ったらしく、それ以上はクチにしなかった。


「どう?」

 試着を終えたクーが、両手を広げてクルりと回る。

 上は、首まである厚手の長袖、下はダボっとした7分丈パンツみたいな感じだ。膝から下だけは鉄板に覆われた足鎧みたいなブーツを履いている。


(ふむ・・・アンバランスで変かも? と思っていたけど、実際に着たところを見ると・・・いいネ。 想像していたよりも遥かにイイ。)


「お、いいじゃないか。 ちょっと大きめだけど、動きづらくないか?」

「ん~。 大丈夫かなぁ? リア姉はどう思う?」

「えっ・・・ああ、そうね。 とっても良いと思うわ。 でも、鎧の方が良くない?」

「鎧だと重いし、動きにくそうで・・・」

「トラの嬢ちゃん、その上着は一応鉄線入りなんだが、重くないかい?」

「ん~。 普通の服よりは重いと思うけど・・・全然大丈夫です。」

「そうかい? それなら良かった。」


「あとはグローブか?」

「グローブはもちろん必要だけど、他にもフルフェイスの兜がいるわね。 クーの顔に傷でもついたら大変だもの。」

「おい、この格好にそれは・・・変質者っぽくならないか?」

「見た目よりも、安全性ですっ!」

「リア姉・・・私やだよ。 頭はコレがいいです。」

 クーは、幅のある鉢巻きみたいなものを手に取ると、おでこの辺りに巻いて見せる。


「お、いいんじゃないか。 兜は獣人用のものじゃないと耳がな・・・これなら鉄板も入っているし、いいじゃん。 カワイイしな。」

「んー・・・カワイイのは認めるけど・・・やっぱり兜の方が・・・」

「これがいいよ。 ね? 良いでしょうリア姉?」

「クーがそう言うなら妥協しますか。 店主さん、これ下さい。」

「毎度あり~!! ズボンに尻尾用の加工はするかい?」

「そうね・・・私がやっても良いんだけど・・・本職にお任せした方がいいかしら?」

「料金はサービスしてくれるんだろうな?」

「もちろん、別料金はいただきませんよ。 明日の午後に、取りに来てもらえるかい?」

「それじゃあ、お願いするわ。」

「よろしくお願いしますっ!!」

「あいよっ! お任せあれ!」

 更に、クーのサブウエポンとしてメイスを買った。斬撃が効きにくい相手には打撃系が良いだろうということと、クーの力で殴ったら相当効果がありそうだとのエルザの判断だ。


 翌日、私とクーの2人で加工の終わったズボンを取りに行く。その後は、雑貨屋さんに寄ってカバンや小物入れなんかを揃えた。

 まだ自分のお金を持っていないクーは、私からの借金と考えているようで、申し訳なさそうにしていたが、自分専用の装備が嬉しくて堪らないように見えた。

 もちろん、クーの装備一式は、私からプレゼントするつもりだけど、クーは遠慮しそうなので、まだ黙っておくことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ