1-6 書けない日は育つ日──でも、泣き声には耳を澄ませて。
赤ちゃんって、毎日ずっと泣いてるわけじゃないよね?
泣く日もあれば、すやすや眠って、まったく泣かない日だってある。
でも、その眠っている日こそ──
いちばん成長してる日なんだ。
君の灯もまったく同じなんだよ。
書けない日があるのは、才能がないからじゃない。
怠けてるからでもない。
まして、作家に向いていないからなんて絶対にない。
ただ、灯が眠っているだけ。
ただ、それだけの話なんだ。
眠って、
休んで、
静かに体力を溜めて、
また明日、君を前に進ませるために。
だから──
書けない日は、成長している日だ。
安心して。
その沈黙は《後退》じゃなくて、《成長》なんだから。
でもね。
ひとつだけ覚えておいてほしいことがある。
赤ちゃんって、眠っていても、ふとした瞬間に
「ふぇ……」
って小さく泣き声をあげるよね。
そのサインは見逃さないでほしいんだ。
君の灯も同じなんだよ。
ふっと
「このシーン書きたい」
「このセリフ浮かんだ」
「このキャラ好きかも」
──そんな気配があったら、それが《好きの泣き声》なんだ。
その声には、耳を澄ませてほしい。
灯が少し手を伸ばしてきたら、
優しくその手を握ってあげるように、
一行だけ書けばいい。
眠っていた灯は、その一行を飲んで、またほんの少しだけ強くなる。
だから、今日は書けなくてもいい。
眠っていてもいい。
堂々としていていい。
でも、好きの泣き声が聞こえたときだけ、そっと応えてあげてね。




