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1-2 秘密の部屋

──誰にも見せなくていいんだよ


僕が、君に贈る最初の贈り物。

それは《秘密の部屋》。


ここはね、誰にも見せない小説を書く場所だ。

君のためだけの、小さな空間だよ。


赤ちゃんを外に放り出す人はいないよね?

赤ちゃんは、温かいベビーベッドの中で大きくなる。


君のともしびも同じなんだ。


外の世界には、

君の灯を吹き消す《風》が吹いている。


批判や、比較や、無反応という《暴風》だ。


だから、最初に贈るのは《秘密の部屋》なんだ。


ここ空間は君の味方。


誰にも見せないから、誰も笑わない。

恥ずかしくなんてない。


一行書くたびに、君の灯は強くなるんだよ。


安心していい。

赤ちゃんがいつかハイハイを始め、やがて歩き出すように、


君の灯も、

いつか外の世界で歩けるようになる。


その時が来るまで必要なのはね、

君の灯を守り、育てることだけなんだ。


独りで書く静かな時間は、

君という作家の基礎体力になる。


もしも、外で傷ついたら、

またここに戻っておいで。


この《秘密の部屋》は、いつだって君を守る。

君だけの、君のためだけの揺りかごだ。


さあ、

誰にも見せなくていい物語を、

書き始めよう。


最初はね、それだけで十分なんだよ。

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