【深層・序】存在の創造論──深度4・5で初めて届く領域──その断片──
深度4と5において、あなたが出来るようになることを序として、書いておく。
【深層・序】
創作の世界には、初心者が聞いたら信じられないような《現象》がいくつもある。
これらの《現象》は、
才能のある人だけが見る世界ではない。
順番に灯を守って積み重ねた者なら、必ず辿り着く未来だ。
たとえば──
・キャラクターが勝手に動き出す
・物語が降ってくる
・文体が自然と形成される
・固有テーマが輪郭を持つ
・読むだけで魂が震える文章を自在に書く
これらは、迷信でも神話でもない。
深度4や5に到達した作家が日常的に使用する《技術》だ。
これらは 深く潜った者だけに見える《存在の技術体系》だ。
深度3以下では原理的に使えない。
ただし──
「何ができるようになるのか」だけを知っておく価値はある。
理由はひとつ。
あなたが深度3の最終盤へ近づくころ、
これらは理解できそうな概念へと変わるからだ。
正式な深層への概説はまだ書かない。
深度3の末尾【本書の深層──存在の創造論(想定読者 深度3卒業者)】でより詳細に説明する。
*
【続き:深層への寄り道はここまで】
・・・さて。
ここまで読んで、違和感があったかもしれない。深度4・5は重い。
いまのあなたに必要なのは、重さではなく《灯》だ。
だからここで、いったん深度の世界から引き返そう。
安心してほしい。
深度1〜3の目先の課題を順番に解くだけで、
深度4に自然に届くように作ってある。
まずは急がず、筆を折らないための力を少しずつ積んでいこう。
■寄り道してしまったが、旅を始めよう。
深度3の課題がある君も、
深度2で揺れている君も、
深度1で震えながら書いている(書こうとしている)君も──
最初に戻ろう。
深度1に戻ることは後退じゃない。
深度3の作家ですら、折れそうな日は必ず深度1に戻る。
戻り方と潜り方を知ること自体が、深度の武器なんだ。
深度3が抱える
・自己否定
・完璧主義
・書けない罪悪感
すべての根は、深度1の扱い方にある。
深度2も同じだ。
だから、戻ることに意味がある。
深度1は基礎だ。でも、とても価値ある基礎になる。
■深度1──赤ちゃんとミルクの比喩について
これから本書には「赤ちゃん」「育児」「ミルク」という比喩が登場するけど──
誤解しないでほしい。
これは、君の話じゃない。
これは、君の中の《灯=書きたい気持ち》を人に例えたものだ。
・赤ちゃん=灯
・ミルク=書く心の支え
・抱きしめる=灯を守る
・泣く=好き、嫌い
・寝る=休む
これらはぜんぶ「書きたい」を分かりやすくするためのものさ。
灯を大切にする気持ちを掴みやすくするための例え話。
僕は君を赤ちゃんだなんて思ってないから、誤解しないでね。
■そして──君へ
胸に灯を持つすべての人へ。
そして、いまページを進もうとする、君へ。
僕から贈るべき《言葉》がある。
さぁ、ページをめくってくれ。
旅の、始まりだよ!




