2-12 筆を折るには弱いが厄介な罠~迷走と情緒の上下をどう扱うか~
~迷走と情緒の上下をどう扱うか~
深度2の君へ。
ここまでよく来たね。
今日の話は、深度2の最後の防具だ。
この2つは比較や承認欲求ほど破壊力は強くない。
中ボスよりも弱い。
でも、じわじわと灯を食う中毒だから無視はできない。
放っておくと、君の灯はいつの間にか濁り、
方向性を見失い、灯そのものが歪んでしまう。
最後にこれを整えよう。
これを理解すれば深度2は卒業圏内だ。
次はいよいよ、卒業試験、だからね!
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⑦ 迷走(方向性喪失)
——方向性を失うのは、才能が広がり始めた証
深度2にいると、突然物語の方向性が分からなくなる瞬間が来る。
・何を書きたいか分からない
・ジャンルが揺れる
・プロットが全部つまらなく見える
・別の物語に逃げたくなる
・最初の気持ちが薄れていく
多くの作者は、これを【才能の欠如】と誤解する。
でもね──違うんだ。
方向性を失うのは
才能の枝が伸び始めた証拠なんだ。
さっきも言ったけど、視界が広がってきている。
目が育っているってことだ。
それと同じで、灯が成長して視界が広がると、
逆にどこへ行けばいいか分からなくなる。
正確には、行きたいところが多くて迷ってしまう。
書いているものじゃないものを書きたくなる。
これが「迷走」の正体だ。
深度2では迷走は正常だ。
問題は「迷走そのもの」じゃなく、
迷走したときに灯を疑うことなんだ。
だから、迷走の対処はとてもシンプルだ。
■迷走の対処法
技術①《最初の好きに戻れ》
迷走したら、必ず最初に戻る。
「書きたい」ってなんだ?
「好き」ってなんだ?
そこに戻るんだ。
深度2は初心の原点回帰が最強だ。
こう思うはずだ。今書いている小説は? 完結させないと駄目じゃないの?
放り投げればいい。完結させる必要もない。
「書きたい」という気持ちを最優先にする。それが灯を育てるんだ。
だから、コロコロと書く小説を変えてもいい。そこで制限をつけないでほしい。
でも、書きたいと思えるなら、どんどん書いていくんだ。
深度2ならそれでいい。直ぐに深度3の扉が見えてくるはずだ。
そして深度3になると、方向性は徐々に固まるようになるし、固めていくものになる。
でも深度2では、原点(最初の灯)に戻るだけ。方向性が変わってもいいから、灯を優先するんだ。
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技術②《書きたい1シーンに戻る》
迷走したら、「書きたい1シーン」に戻るのもいい。
書いている物語を投げ出してもいい。
構成が吹き飛んでもいい。
繋がりが無くてもいい。
深度2はシーン単位で書くだけで前に進む時期だ。
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■⑧ 情緒の上下
——深度2の弱毒性中毒の罠
深度2では、情緒が激しく揺れる。
・昨日は天才だ!と思ったのに
・今日はダメだ…と潰れる
・突然ハイになって書きまくったり
・翌日には何も書けなくなったり
・ネタが降る日には人生最高なのに
・翌日には全部価値がないように感じたり
このブレは、深度2では正常反応だ。
情緒の上下は、
才能の問題でも
性格の問題でもない。
正確に言えば──
深度2は、まだ作家の自我が未形成だから揺れる。
深度2も最深部だから書くけど、自我とは、内的空間の《意識》だ。
深度1で好きを聴いた。これは作家の自我が本能レベルということ。
深度2で好きを聴いた。これは感情を持っているが、論理を持たない状態。
深度3では、作家としての君が、「作家として僕は・・・だと思う」と言いはじめる。これが作家の自我。
深度3で作家の軸ができてくると、情緒(気分)は安定する。自我に固定されるからだ。
深度4になると、情緒より灯の向きが優先される。
だから深度2で揺れるのは、気にしなくていいんだ。
問題は揺れることじゃなく、揺れたときに灯が倒れること。
だから、ここで揺れても倒れない方法を渡す。
技術①《気分と才能を切り離す》
深度2の最初の誤解はこれ。
気分が落ちている → 書けない → 才能がない
違う。
完全に違う。
気分と才能は別物だ。
今日は眠いだけかもしれない。
体調が悪いだけかもしれない。
仕事が忙しいだけかもしれない。
比較を受けて心が疲れているだけかもしれない。
深度2では
「気分=自己評価」
になりやすい。
だから、落ちたときはこう唱えてほしい。
《これは気分であって、才能ではない》
これだけで灯の崩壊率は激減する。
技術②《落ち込む日は動かない》
深度2では、落ち込んだ日に動くと危険だ。
・物語を消す
・プロットを丸ごと否定する
・SNSで比べてしまう
・自分を責める
・方向性を変えたくなる
これらは落ち込み補正がかかっているだけ。
だから落ち込んだ日は、作品に触れても、決めない。
触れるだけでいい。
読むだけでいい。
キャラを思い出すだけでいい。
決めるのは翌日でいい。
落ち込んだ日は灯が休んでいる日だからだ。
僕もわかるけど、なんか自分の小説が詰まらなくなる日があるものだよ。
そういうものだと思うしかない。体調もある。寝不足とかも露骨に関わる。
ポイントは、落ち込んでいるときに、比較のボスに繋げると、即死コンボに乗る。
だから、無理せずに休んでよく寝て、元気になってからまた書けばいいんだ。
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■まとめ:深度2は「揺れるのが正常」、倒れなければ勝ち!
深度2の戦場はこうだ。
・比較に刺される
・承認欲求が暴走する
・SNSで心が削られる
・下手さに痛みが走る
・書けない日が来る
・批評や指摘で自己否定
・迷走する
・情緒が上下する
これ全部、君が弱いからじゃない。
自我を持たぬ、深度2がそういう世界だからだ。
深度2の勝利条件はたった一つ。
揺れても、倒れないこと。
倒れなければ深度3に届く。
深度3に届けば、灯は安定する。
深度4が見えるようになる。
深度2は、作家の少年期。
揺れて当たり前。迷って当たり前。痛んで当たり前。
でも──
灯の最大の成長期でもある。
君の胸の中で灯はグングン育っているよ。
君はもう、深度2の終盤に来ている。
少年だった灯は、外界の痛みに向き合って、青年になる。
もう、体つきは立派な大人さ。
ここを越えれば、作家としての自我が生まれる深度3(大人)だ。
深度2は今日でほぼ完成だ。
残るは卒業試験。
深度3に挑戦しよう!




