2-9 承認中毒からの回復と無毒化の方法!
■承認欲求が生む「おかしい世界」を、まず正しく理解してほしい
深度2の君に、最初にはっきり伝える。
書きたいから始めた創作なのに、
書きたいのに書けなくなる──これは、本来ありえない状態だ。
これは根性論でも励ましでもない。
ただの論理だ。
・お腹が空いているのに食欲がない
・眠いのに眠れない
・走りたいのに足が動かない
身体の自然な欲求が逆転する時、
そこには必ず《異物》が混ざっている。
創作もまったく同じだ。
書きたいのに書けない。
これは才能不足ではない。
努力不足でもない。
心の中央に異物=承認欲求が入り込み、
灯の声がかき消されているだけだ。
これが毒の正体だ。
参考のため一歩構造化しよう。
深度1で君は外界が無くても、灯を大切にするだけで書いてきた。
深度2で外界に触れた。そして、承認欲求という毒が内面を汚染した。
重要なのは、外が、内に侵入しているという認識だ。
これは深度3に繋がる気付きになる。
■比較は痛い。承認欲求は甘い。
比較は鋭い。
刺さる。
痛い。
だからみんな拒否反応を持つ。
治療にも素直になる。
しかし承認欲求は違う。
甘い。
優しい。
ご褒美のように思える。
だからこそ、
少女漫画の悪役令嬢みたいに、優しい笑顔で近づいてきて、
気づけば毒を飲ませてくる。
そして、恐ろしいのはこれだ。
■比較は痛いから《傷》に気づける。
■承認欲求は甘いから気づけない。
だから反発の声が頭に浮かぶはずだ。
「承認欲求が悪い? そんなはずない。
評価されたら嬉しいのは普通だろ。
届かなければ意味がないだろ」
そう思う気持ち、めちゃくちゃ分かる。
君が悪いわけじゃない。
人間は甘さの方が判断を狂わされる。
でも、ここで立ち止まってほしい。
■でも、おかしいだろう?
君に静かに問いかけたい。
君は最初、こうだったはずだ。深度1を思い出してほしい。
書きたいから、書く。
それだけで十分だった。
続けられた。
楽しかった。
なのに今はこうなっていないか?
・反応がないと苦しい
・評価が来ないと書く気がしない
・数字が落ちると不安で手が止まる
・書きたいのに書けない
これは【外界の要素が創作の中心に座っている】状態だ。
自分の創作なのに、
外の声で動かされている。
これは論理的に矛盾している。
本来ありえない。
でも、それを当然じゃないか?と思わせるのが、承認欲求という甘い毒の最大の恐怖なんだ。
■じゃあ、どうすれば灯は戻る?
ここから《回復と無毒化》の手順だ。
深度2の回復方法は、全作家に共通する。
以下の手順で確実に灯は戻る。
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【回復ステップ①】
自分の「書きたい」が聞こえないと気づくこと
まず必要なのは《事実の認識》。
「モチベが出ない」
「評価がほしい」
「反応がないと苦しい」
この状態は、
君の精神力が弱いわけではなく
ただ単に、
灯の声が外界の音(承認欲求)でかき消されているだけ。
この理解が回復の第一歩だ。
【回復ステップ②】
数字から距離を置く(最低24〜72時間)
現実的で、確実な方法だ。
・ランキングを見ない
・いいね数を見ない
・感想欄を開かない
・アクセスグラフを見ない
これは逃げではなく治療だ。
外界の音を止めると、
灯の声が自然に戻ってくる。
【回復ステップ③】
書きたいに戻るための質問を灯にする
君の灯は、そこにある。
呼べば応える。
以下の質問をひとつ選んで考えてみてほしい。
・好きってなんだ?
・いま興味があるものは?
・いま美しいと思うものは?
・いま書いていて楽しいシーンは?
・このキャラのどこが愛しい?
・どんな瞬間に胸が揺れた?
これらはすべて灯に繋がる質問だ。
【回復ステップ④】
承認欲求を《祈り》に変換する
深度2で唯一許される無毒化方法だ。
承認欲求:
「読んでほしい!評価してほしい!」
→主導権を奪う
祈り:
「届いたらいいな」
→灯を守ったまま、承認欲求を外で回す
祈りは「書きたい」を汚染しない。
内側に混ざらない。
祈りの形に承認欲求を変換した瞬間、毒は完全に消える。
外部で回す分には無害だ。
【回復ステップ⑤】
秘密の部屋(1-2)に戻ろう。
誰にも見せない、自分だけの小説を書く。
灯は弱っている。お粥を上げて、リハビリをしていくんだ。
小さく書く。短く書く。
「書きたい」だけを聴いて。
毒に侵されていると、大きな創作は無理だ。
だから、回復フェーズでやるべきはこれだけ。
書きたいが燃え始めたら、深度1から深度2へ進めばいい。
つまり、投稿を再開するんだ。
■深度2の最終結論
君に伝えたいのはこれだ。
書きたいのに書けないのは、君が壊れたからではない
灯が、承認欲求の声にかき消されているだけ
承認欲求は甘い毒で、気づけない
気づいた瞬間から、灯は回復し始める
そして何より、
「書きたい」は必ず戻る。
灯は死なない。弱っているだけだ。
回復すれば、必ず書ける。
というか、書きたくなる。
この毒から灯を守って、救って、もう一度、潜り直すんだ。
次に、助からないパターンを列挙し、甘い罠への警告として、承認欲求(深度2)を終える。




