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スペースコロニーランド

俺は体にGがかかっているのを感じた……


「ねぇ、璃乃璃乃! このエレベーター、ものすごく早いよね、一体どのくらいの速さなのかなー!!!!」


「瑠鬼、もうそんなにはしゃいじゃって……それならそこに、速さは時速60kmって書いてあるわよ」


「えっ、めっちゃ速いじゃん! それなら着くまで1分足らずか、あーあ、もっとこの景色と乗り心地を楽しみたいのになー」


「たしかにこの透明なパイプの中を上がっていくエレベーター、ドア以外もほとんどガラス張りだし、すごいわよね、私もう何かのアトラクションに乗ってる気分だわ……」



俺たち……ああ、俺たちとは、俺と璃乃と、他8名の仲の良いクラスメイトのことなんだけど、俺たち男子5名、女子5名の計10名は、晴明高校の制服を着て大台場海岸公園に集合したあと日帰りの卒業旅行の行き先である大台場の上空1000mの位置に浮かぶテーマパーク【スペースコロニーランド】へ向かうため、今スペースコロニーランド中央から真下へ伸びる大型高速エレベーターに乗っていた。

俺たち以外にも、客と思われる男女数人が乗っている。


俺はその大空の中を飛んでいるような開放感溢れる大型高速エレベーターから上を見あげた。

そこには、スペースコロニーを模して作られている巨大なスペースコロニーランドの下部が見える。

ちょうどそれは、銀色のドーナツの中にプラス記号が入っているようにも見えた。


さらにその銀色のドーナツのようなスペースコロニーランドの遥か上空には巨大な宇宙船が鎮座していた。

聞いた話によると巨大宇宙船の全長は2000mらしい。


ああ、そうそう、スペースコロニーランドはその巨大宇宙船の中にいる宇宙人が建設し運営しているというのも聞いたことがある。

どうやら政府も宇宙人たちが稼ぐことは黙認しているようだ。


そして今俺たちはその銀色のドーナツのようなスペースコロニーランドの中にあるプラス記号の中央に繋がる大型高速エレベーターの終点に到着しようとしていたのだった。



「ようこそお越しくださいました」


そう言ってエレベーターから降りた俺たちに話しかけてきた女性はどうやら宇宙人らしかった。

なぜなら特徴のある同時通訳用のヘッドセットを着けているからだ。

宇宙人が喋ると口元の動きとは別に口元の小型スピーカーらしき場所から日本語が聞こえてくる。

さすがに見た目は人間の姿をしていても地球の言葉は話せないらしかった。


大型高速エレベーターから全ての客が降りたのを確認すると続けてその宇宙人の女性は客たち全員に向けて言った


「この度はこのスペースコロニーランドへお越しいただきありがとうございます、是非楽しい時間をお過ごしくださいませ……ではご案内させていただく前にご説明させていただきます……今皆様がご覧になっている周りの4つの通路ですが、北側通路はスペースコロニー城及び展望台へ、西側通路はレストランへ、南側通路はホテルへ、東側通路は一部無重力ゾーンがあるショーやパレードエリアへと繋がっております……尚このスペースコロニーランドは太陽系をモチーフにしたテーマパークで、各通路の先にある円柱形の空間には人工重力発生装置により、実際のスペースコロニーのように、内壁の全てが地面となっております……以上です……ではご案内させていただきます」


その瞬間、宇宙人の女性の後ろの床が開き、何かが次から次へと、せり上がってきた。


「では、この火星探査車にお2人ずつお乗り下さい」


だが、その火星探査車の見た目はどう見ても2人乗りのゴーカートだった。

客も絶対そう思ってるはずだ。

その証拠に客は沈黙し辺りは静寂に包まれている。


俺は思わず宇宙人の女性にツッコんだ。


「いや、ただのゴーカートじゃん」


その俺の声だけ通路に響いた次の瞬間、宇宙人の女性はおもむろに右手を頭の上に持っていきヘッドセットのスイッチを切ったのか、突然宇宙人の言葉らしき激しい口調の声が宇宙人の女性自身の口から飛び出した。


そして俺は見たのだった……その宇宙人の女性のまばたきが突然人間とは違う方向になったのを……

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