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二体のガーディアン・スピリッツ

俺はその璃乃の背後から飛び出してきた大男に驚き慌てて反重力自転車から飛び降りた。


璃乃も俺に続いて反重力自転車から降りた次の瞬間、その璃乃の背後から飛び出してきた見るからに僧兵のような大男は、持っていた巨大な薙刀なぎなたの刃先を俺の喉元のどもとに突きつけながら璃乃に言った。


「お館様やかたさま!!!!今この者の口からお館様と接吻せっぷんがどうとかこうとか聞こえてきましたぞ!!!! 切り捨てますか?」


「だから、弁慶、私はお館様じゃないって言ってるでしょ!!!!」


「おお、これは申し訳ありません、静御前様しずかごぜんさま


「いや、だから静御前でもないから」


「静御前様……義経様というものがありながら、このような下賎げせんなものと接吻などど……」


「ちょっと聞いてる? 私は子孫の源璃乃だって何度も言ってるでしょ!」


「そうでした……それで義経様はいずこに?」


「知らないわよ」


その時、俺は背中がゾクゾクするような寒気がした。


ガキィーーーーーーーーン!!!!


その大きな金属同士がぶつかる音がした次の瞬間、俺の喉元に突きつけられていた薙刀の刃先はもうそこにはなかった。

俺は頭上に気配けはいを感じ、上を見あげた。

すると俺の背中から身を乗り出している坊主頭に袈裟を着た大男が見えた。

手には鉄扇てっせんを持っている。

どうやら、その鉄扇で弁慶の薙刀の刃先をはじき飛ばしたらしい。


それは俺の先祖、平清盛だった。


「清盛、やめろ!」


「やめろとな? 売られた喧嘩は買うのが平安の侍なり」


「いや、俺、侍じゃないから」


「なんと! 我が子孫は弱虫じゃのう」


「いや、弱虫じゃねーし……なあ、璃乃、その弁慶って誰だよ」


「弁慶は私のガーディアン・スピリッツ……つまり私の守護霊の中の一人よ……瑠鬼こそ清盛って誰よ」


「ああ、清盛も俺のガーディアン・スピリッツだよ……」

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