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9/15

叔父様の婚約披露

いきなりですがシャルル・アルベールです。


お母様が妊娠して大きなお腹になった頃、突然叔父様の婚約が決まりました。


何でもお祖母様の侍女をしていたなんとかという公爵令嬢だそうです。


二人の身分差が問題になり、お祖父様は公爵をさらに上の公国の領主にして地位を引き上げて婚約させました。


相手のお父上は超ウホウホで大金をはたいて花嫁道具をそろえ始めたといいます。


皇族の結婚は準備が必要なので一年くらいは婚約期間を設けます。


なんでも叔父様がお祖母様に会いに行く機会に叔父様が好きになったみたいで、もうアプローチの末婚約に至ったそうです。

うちはそういうの好きなのかもしれません。どっかで聞いた話です。


ついでにお相手は二つ年上だそうです。

これもうちの遺伝かも。おばあ様はお祖父様よりも年上です。

我が家は年上がお好きなのでしょう。


今日は婚約披露会が内輪であり、お父様達も呼ばれています。

私達も連れてこいというので可愛くおめかししていきます。

今の所内孫は私達だけなので一族すごくかわいがってくれます。


お父様はお母様がコケないようにまたもお姫様抱っこして馬車に運んでます。

お母様は本当に顔、耳、身体中真っ赤で恥ずかしそうにしています。


僕とフロレンティーヌは乳母に抱かれて後ろの馬車に乗り込みました。


宮殿には初めていきます。

ワクワクです。


宮殿に着きました。

馬車を降りて乳母に大切に抱っこされて、お父様はさすがに宮殿ではお姫様抱っこできないのでお母様を大切に腰に手をとり片手をお母様のそれに添えてゆっくり歩かせます。

ほほえましい両親の姿です。


優雅に入り口から入り、二階に上がり、家族の団欒空間である。一番大きな居間に通されました。

今というより、ダンスが出来そうな広い居間です。


お祖父様と、お祖母様が椅子にかけて私達の方を見て嬉しそうに出迎えてくれています。


「フロレンティーヌ、シャルル

 いらっしゃい。

 なんて可愛くてまた大きくなったわね。可愛らしいわ。

 さぁ抱っこさせて」


そう言うと僕はお祖母様に姉はお祖父様に抱っこされました。


ニコニコします。

だって褒めてもらえるから。

二人は幸せそうに笑っています。


「ヴィクトール

 大公妃を戦場に送ってすまなかったな。

 孫の事を考えると申し訳ないが、あの時は苦渋の決断だった。

 御前も皇太子ではなくなったが、皇族としてわかってほしい」


お父様も頭ではわかっているようですが、お母様のことになると自制が効かないようで。

お祖父様ごめんなさい。


「いえ……我儘でした」


少し言葉に詰まってますが、許してあげてください。 


「あと少しで三人目か。

 楽しみだ」


嬉しそうに笑うお祖父様にお母様は真っ赤になっています。


「お恥ずかしい限りでございます………」


何せ間髪いれずの妊娠です。

お父様が手加減しないからお母様のせいではありません。


年子で三人目

お母様は二十六歳です。

お年がコンプレックスのお母様はお年をめしてお父様が興味をなくされ、若い子に走るのが辛いと思ってるみたいです。


二人の子供ですが、客観的に見てそれはないと思います。

だってもはややばい人っですお父様は。


十六歳というお父様のお年を考えるとまだまだ兄弟ができそうです。


しかたないですね。まだまだ若いティーンエイジャーですから。


今日はお嫁に行ったおば様以外の叔母様がいらっしゃいます。


叔母様といってもまだ子供です。


マルガリータ・アマリエーヌ叔母様とクリスティーネ・ルナティア叔母様、エカテリーナ・マリア叔母様です。


私達赤ちゃんが珍しいのか輪になって集まってきました。


「可愛らしいわ。 

 シャルルは兄様に似ているわね 女の人のお尻を追いかけていきそ」


それを聞いているお母様は顔を真っ赤にしています。


「フロレンティーヌは伯母様に似ているわ」


「戦場でバサバサ敵を倒すのかしら?男装の麗人なんて素敵~~~」


ちょっとやばい子供達。


「二人とも美男美女だから結婚相手争奪戦はすごい事になるわね」


「きゃ~~楽しそう」


なんだかきゃきゃきゃんの女子トークに面くらいますが楽しそうでよかったです。


さあさあ主役の登場ですよ。

お祖母様が一言いうと皆静かにしてソファーに座ってその時を待ちます。


扉はゆっくり開く。

アレクセイ皇太子と婚約者のマリアティーヌ公女が入ってきました。


黒髪は頭の上で束ねられ裾はクルンとカールされています。

その髪には花の髪飾りが刺してあってキラキラとして綺麗です。

切れ長のライトブラウンの瞳は知的でクールな印象です。

鼻筋は通って高く口元は小さいけれど形よく薄桃色の口紅が良く似合っています。

ドレスはライトブルーでレースと刺繍が施されてはいるけれど華美でなく上品なデザインだった。

少しはにかんだようすは聞いていた感じの女性には見えないです。

でも綺麗なお姉様です。こんな人と親戚になるのは嬉しいです。


皇太子と公女はお祖父様とお祖母様にお辞儀をしてその後公女は皆にお辞儀をする。


仕草が綺麗です。


「お父様お母様 私達の為にこのような団欒の場を設けていただきありがとうございます

 新しい家族をどうか温かくお迎えくださいませ」


「両陛下誠に若輩な私を皇族に迎えてくださり誠にありがとうございます。

 この身を貴家に捧げます」


すごいですマリアティーヌ公女。

なかなかしっかりした方ですね。叔父様さすがそつのない相手を選ばれました。

いろいろ嵌められたらしいですが、ベストカップルだと思います。


少し離れてマリアティーヌのご両親とお兄様もご参加されています。


お父上は感無量と言わんばかりハンカチで涙を拭いています。


「あのあの……お転婆娘がやっと……しかも……我が家に幸運を呼び込んだ。

 あぁぁ~ご先祖様に顔向け出来る!」


隣で大公妃が苦笑いで見ている。

兄上三人も嬉しいそうに妹を見ている。

ほほえましいご家族です。


別に本当の婚約披露会は国を挙げて行うのですが、その前に家族団欒したいというお祖母様の希望で今日の集まりになりました。


ふたりを囲んでのお茶会です。

宮廷付きの音楽隊にバイオリン演奏やピアノ演奏、歌や小さな劇も開催してなかなかの催しです。

今日は侍女達も無礼講で参加出来ます。


今日はとても楽しい会になりました。

夕食前にお開きになりました。

叔父様おめでとうございます。



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