お母様が帰ってきた!
わ〜い!
フロレンティーヌ・エルミエです。
お母様が一ヶ月の出兵を終えて帰ってくるってお手紙がきました。
私は超楽しみで今からワクワクしています。
お父様は涙を流して今か今かと指折り数えてします。
わ~~~いお母様
フロレンティーヌはもうよちよち歩きが出来ますよ。
お母様~~~~!
お父様は一足先に王宮に入ってお母様に会いにゆきます。
馬車の中ではお母様が大変だったそうです。
二人になって馬車に乗り込むと途端にお父様は我慢で出来なくなってお母様に濃いキスの雨を降らせたそうです。
私には濃いと薄いのキスの違いはわかりませんが、お母様は息が出来ないくらい窒息するかもと思ったそうです。
この会話は私は聞いていませんが皆様に特別にお伝えします。
「君はこんなに僕と離れていて寂しくなかったのかい?
もう僕は死にそうだったよ。
アレキサンドリア! もう離れるなんで無理~~」
「無理って私は将軍なのですから出兵がきまれば行かなくてはいけません」
「アレキサンドリア~だって……だって~~」
「殿下。 私を尊重してくださっているのでしょ。
私は国を守りたいのです。殿下の継ぐべき国だった我が国を」
「アレキサンドリア~~だってだって」
「私は民から国の主を取り上げたのです。
その責は負わねばなりません。
これは私の気持ちなのです」
「ん~~それは君のせいではなくて。
いいえ。殿下 こればかりは譲れません」
「なら!しばらくは僕の傍にいて!ずっと僕がいいというまで。
一緒にいて。僕が気にすむまで!」
「はい殿下」
そして何故か馬車の揺れか?お父様とお母様の身体の上下運動かどちらかわからないくらいに揺れたそうです。
私にはどういう事かはわかりません。
なんせ幼児ですから。
お父様は屋敷につくなりなぜか二人共お洋服が乱れまくって身なりがだらしなくかっているのもかまけず
お父様はお母様をお姫様だっこして、お母様の寝室から出てこなくなりました。
夕食時にようやく解放されたとお母様はいかにも足腰が痛そうで少しお父様を睨んでいます。
くたくたに疲れた様子で食堂に入られました。
「フォロレンティーヌ~~元気だった。
可愛い私の天使」
お母様が私を見るなりとびきりの笑顔で出迎えてくれます。
まだ私は幼児なのでしゃべれませんが。
「アアぁぁ~~あまぁ~」といって喜びを爆発させます。
お母様綺麗です。大好きお母様。
お母様おかえりなさい。
その後弟を見つけて乳母から受け取ります。
もうしっかりした赤ちゃんで。
「あ~ぁ」という声もいっちょまえです。
首をしっかりしてきたとお母様が嬉しそうです。
「皆お母様に会いたかったよな」
会いたかったですよ。
でも先にお父様が奪っていかれましたよね。
そして独り占めしましたね。
めっちゃフロレンティーヌは悲しかったです。
フロレンティーヌは怒っています。
お父様はニコニコしています。
お母様がいらっしゃらない間お父様は死んだ様に呆然でしたし、私達を見ては涙するのが定番になっていたので正直帰ってくれてほっとしています。
一家の久しぶりの夕食のひと時はとても楽しかったです。
夕食後は両親はそうそうにお休みされるそうです。
寝室に戻るお母様の顔に縦線がいっぱい入っている気がするのは私の勘違いでしょうか?
乳母は「今日はお二人はゆっくりさせてあげないとね。良い子でいましょうね」
と私達を寝かしつかせます。
この後両親は寝室から翌日のランチまで出てこなかったの~~。
お母様ともっと遊んでほしいのに………
つまりお父様の機嫌が治るまでお母様はお疲れになるそうです。可哀そうお母様。
この三カ月後お母様の妊娠がわかってみんなお祭り騒ぎです。
私に弟か妹が出来るんですね。
またお母様の口癖「お恥ずかしながら……。三人目が……」がまた聞けるよですね。
わ~~い今度は妹がいいです。
ほしかったんです妹~~。うふ~~!
大公家はいつも平和です。