今度はお母様が誘拐された
それからのお父様のお母様に対する干渉は尋常を逸しています。
まさに朝から晩まで。
片時も離れず常に監視しています。お母様もいいかげんストレスだと思います。
そんなお母様の所に幼馴染のアルデア・ディア・ゲルト侯爵夫人からお茶会のお誘いの招待状が届きました。
幼馴染とは時たま夜会で同席しますが、ゆっくり話した事がありません。
ここ最近は出産したこともあり、会う機会がありませんでした。
「ヴィクトール様 久しぶりにアルデアに会いたいわ。
ねえ女友だちに会うくらいいいじゃないですか?
お願いします」
お父様はは少し考えて女友達だし。あんまり絞めつけしすぎなのもストレスかなとは思ったそうです。
「わかった。ただ僕も行くよ。ただ君達の邪魔にならないように馬車でいるから」
お母様はたまには息抜きが必要と思っています。
追い込まれていたんですねお母様。
お茶会は七日後です。
お父様は最近剣術のお稽古に勤しんでおいでです。
かなり真剣でお母様が久しぶりにお稽古つけています。
「ヴィクトール!もう少し力任せにせずに相手の呼吸を感じて」
やみくもに振っちゃだめ」
「舞うように。軽やかに。
相手の呼吸を感じて空気を。全身で。」
お父様は大体なんでも出来るタイプですが、剣術は昔から苦手なようです。
最近はすごく真面目にしています。
お父様一週間頑張ってます。
さて茶会当日馬車に乗ってゲルト侯爵夫人邸宅を訪問しました。
初夏の帝都は昼の茶会はもってこいです。
邸宅の裏庭が会場で綺麗に飾りつけされています。
お花が沢山咲いていてテーブルには珍しい外国のお菓子が揃えられています。
「アレキサンドリア!お久しぶり」
アルデア・ディア・ゲルト侯爵夫人お母様の幼馴染です。
今は未亡人で人生を満喫されています。
なにせ亡くなった旦那様は資産家だったのでこの方は一生お金には不自由しないそうです。
「アルデアお久しぶり」
二人は手をとって久しぶりの再会を楽しんでいます。
「まあ かけてください」
二人用意した椅子に座ります。
召使がカップに紅茶を注ぎます。
お母様がカップを手にして口をつけました。
「どう大公妃としての生活は」
「まぁ~幸せよ。子供達もかわいいし。少し旦那様が干渉すごいけど」
少しうんざりしています。ですよねお母様。
「あはっ 有名ですものね。大公様のストーカーぶり」
「はあっははあ……」
お母様否定しませんね。
お母様が紅茶を口にされてまったりされています。
「こんな気分久しぶりだわ。何せ毎日子供達とヴィ
クトール様のお世話で本当に忙しくて。
あなたとこうしていられるのは本当に嬉しいわ。
アルデア覚えてる。
ラルファルド公爵と三人でオンディーヌの森でピ
クニックしてあなたが迷子になって二人で探した
わね。あの頃も懐かしいわ。」
「そんな事あったわね」
くすっとアルデアが笑う。
「あっアレキサンドラねえぇ。そこの珍しいお菓子をいただいてみて。
シナモンが入ったクッキーとラズベリージャムがアクセントですって。異国の珍しいお菓子ですよ」
アレキサンドラは言われるがまま口にぱくりと入れる。
「うん。美味しいわね。」
久しぶりに和やかな雰囲気にリラックスして時間だった。
終始二人は少女時代の懐かしい話をして快晴の空が広がっている。
「そこの子。ポットのお茶を入れ替えて。」
二人だけになった頃、少しお母様眠たくなったみたいです。
「ぁt……どうし……」
「アレ……アレキ……ドラ…」
お母様の意識がそこで途切れてしまいました。どうしたんですか?お母様
馬車で待っていたお父様は一人時計を見ながらイライラしていた。
「遅い遅すぎる。」
茶会が始まったのは13時~大体16時頃には帰宅すると伝言していたみたい。
何故なら今日は私の誕生日だからだ。
あんなに大切な娘の誕生会を控えているのにつまり私の誕生日なのに。
お父様は異変を感じています。ストーカーのアンテナに引っ掛かったみたいです。
今は17時です。
馬車を降りてなんと正面ではなくて裏に回り込んで通常使用人が使う扉をこじ開ける。
お茶会が行なわれているであろう裏庭に入ったお父様。
完全にコソ泥ですお父様大公ですよお父様は。
茂みから裏庭を覗きみたら、なんとお母様が倒れています。
傍で幼馴染のアルデアがその姿を平然と見ている。
お父様すぐに飛び出して助けると思ったのですが、手を強く握って悲壮な顔で耐えている様子です。
なんか変です。お母様大丈夫でしょうか?
幼馴染のおばさまの顔が超怖いです。幼馴染ではなかったのですか?お母様に何をしたのでしょうか?
おかあさま~~~~!
さてアレキサンドラが大変で大公は妻を助けられられるのでしょうか?




