98.滝止める
【★おしらせ】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
俺たちは村を襲撃し、村人と成り代わっていた化け物の親玉を探すため、村を出た。
魔力の残滓を辿っていくと、山奥にある、滝の前までやってきた。
「この滝の向こうに、魔力の残滓が続いてますね」
どどどど! と凄まじい勢いで滝が流れ落ちている。
とてもじゃないが、人が通れるようにはなっていない。
「顔無しの化け物はこの滝を通って外に出ていたのであるかな?」
「多分……彼らは体の形が不定型だったから、滝の抵抗を受けなかったんだろうね」
魔力の残滓は滝の中腹あたりに続いてる。
あの中に洞窟でもあるんだろう。
「しかし……」
タイちゃんはベヒモスの姿になって、空を飛ぶ。
口にくわえてた木の枝を、滝に近づける。
ジュッ、という音がすると、木の枝が半ばで切断されていた。
「なかなかの水の勢いだね」
『どうするのであるか、主よ?』
俺は調剤スキルを使って、1つの薬剤を作り出す。
それを滝に向かって放り投げる。
ガキィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン……!
『な、なんであるか……これは!?』
「え、ただの解熱剤だよ?」
対象から熱を奪う薬だ。
『解熱剤で!? 川が凍りつくのであるか!?』
「うん。あ、これ炎精霊用の解熱剤だから、結構強力なんだ。人間が飲んだら凍りついてバラバラになって死ぬ」
『劇薬ではないか!!!!!』
用法用量を守れば問題ない。
「あとは……とりゃ!」
俺は凍りついた滝を拳で砕く。
バキッィイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!
「よし、行きましょう!」
「……なんというか、もう、凄すぎでしょ……こんな分厚い氷の塊を素手でくだくなんて」
「え、岩山くらい素手でぶち割れますよね?」
村のじーちゃんたちは普通にそういうことやってたし。
エリアルさんは疲れ切った顔でうつむくと、何も言わずに穴の奥へ進んでいった。
『主と居ると毎日がサプライズであるな……』
「いやぁ、照れるなぁ」
『褒めてないのである……!』
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『沈黙の風使い、実は世界最強の無詠唱魔法の使い手〜「何してるか分からない」と追放されたコミュ障陰キャな僕、王立魔法学園の教師にスカウトされる。僕の価値を認めてくれる皆と働いてるので戻る気はない』
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