96.苦戦する人たち
リーフ・ケミストが、顔無しの化け物を追い払い、追跡を始めた一方。
魔女マーキュリーおよび、魔王ヴァンデスデルカはというと……。
「「うぎゃぁあああああああああああああああああああ!!!」」
彼女たちは邪神の関係者を探してる。
調査のために、王都内にあった廃墟を訪れていた。
そこで、出会ったのだ。
顔のない化け物に……。
「か、かっかあ、顔がないぃいいいい!」
「ちょ、待ってくださいよ! 自分を置いて先に逃げないでくださいっす!」
「無理無理無理無理! 化け物まじむりぃいいいいいいいいいいい!」
顔のない化け物に追われてるマーキュリーたち。
特にマーキュリーはオカルト系がてんでだめだった。
廃墟に入って中を調査していたところ、この化け物に出会い、一目散に逃げ出したのである。
「くそっ! 行き止まりっす!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛終わったああああああああああああああ!」
追い詰められ、逃げ場の無いふたり。
ヴァンデスデルカは戦う決意をする。
「こうなりゃ、やるしかねっす! マーキュリーさん!」
「頼んだ! あたしは無理! 恐いのマジで無理!」
……使えねえ。という言葉を、魔王は飲み込む。
ヴァンデスデルカは杖をかまえ、そして敵に接近。
「うらぁ……!」
おおよそ乙女(の見た目)が出していい声じゃない声で気合いを入れると、ヴァンデスデルカは杖を振る。
先端が顔のない化け物頭にクリーンヒットして壁に激突する。
「やったの!?」
「いや……」
倒れていた化け物が起き上がる。
ヴァンデスデルカが殴った頭部が、へこんでいた。
「マーキュリーさん、やばい。相手かなりやばい。正体を鑑定眼で見て……マーキュリーさん?」
……立ったままマーキュリーは気絶していた。
どうやら頭が陥没した化け物を見て、恐怖のピークを迎えたらしい。
たしかに、顔のない化け物は、顔以外はただの人間に見える。
それが余計に恐怖をかりたてたのだろう。
「くそ……! めんどくさいな!」
ヴァンデスデルカはマーキュリーを抱えて、臨戦態勢を取る。
「こんな狭いとこで魔法を撃つわけにはいかないが……威力を抑えて……。【重力圧】!」
複合魔法である、重力魔法を発動させる。
顔のない化け物が、ずしゃっ! と押しつぶされる。
そのまま、床に大きな穴が開いて、そのまま化け物は消えていった。
「……ふぅ」
いちおう、危機は脱した。しかし次なる問題が発生。
ヴァンデスデルカは大穴をのぞき込む。
ひょぉおお……と風の通る音がした。
「だいぶ広い……この下に、一体何が……?」
わからないが、調査しないと、殺される(マーリンに)。
「いくっすよ先輩……」
「うきゅ~……」
気絶してるマーキュリーをかかえて、魔王は穴に飛び込んだのだった。
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