表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/257

89.ツッコミ役もぼけがいなとぼけ役にジョブチェンジ



 リーフが村の調査へ向かう一方。

 魔女マーキュリーと魔王ヴァンデスデルカは、古びた教会にいた。


 ヴァンデスデルカは英雄村の魔女マーリンから、邪神ナイアーラトテップの調査を依頼されていたのだ。

 邪神。魔族たちの暗躍の裏で糸を引く存在。


 しかし人間社会にその存在を認知されていないことから、おそらく、人間の手引きがあるのだろうとマーリンは推測。

 ヴァンデスデルカは邪神ナイアーラトテップの関係者を調査するため、王都へやってきたのである。


 マーキュリーは祖母から魔王を手伝うよう言われて(※脅されて)いる。

 リーフのお目付役をSランク冒険者エリアルに任せているため、今回は魔王と行動を共にするのだ。


「ふぅ……」

「どうしたんすか、マーキュリー先輩」


(いちおう)マーキュリーは、魔王が恐れている存在の孫であるため敬語を使う。

 また、同じギルドに所属してるので、先輩呼びであるのだ。


「リーフ君のお守りをしなくて良いと思ったら、急に気が抜けちゃってね」

「ああ……リーフ先輩、やばいっすもんね……」


 リーフ・ケミスト。生まれも育ちも英雄村。周りに化け物しかいない環境下で育ったが故に、価値観と実力がバグっている、異次元の存在。


 強さとやばさが同居する、いわば猛獣のごとき存在。そんな危険人物のお目付役として、マーリンから任されている(※脅されてる)のだ。気が張ってしょうが無い。


 しかしである。


「今回の冒険は、楽ね。だって相方がリーフ君じゃないんですもの」


 別にリーフのことは嫌いではないし、異性としては好きだ。しかしそれはあくまで私生活面での話。戦闘や冒険において、いつも大変な目にあうのは、おもり役のマーキュリーである。


 何度彼にツッコミを入れたことか……。

 しかし今回相手はリーフじゃない。普通の存在だ。


「今回の冒険では、ツッコミすぎて疲れることはなさそうね」

「大丈夫っすよ。自分、あのイカレ……ごほん、英雄村の連中と違って、弱いんで」


 さて。二人がやってきたのは、使われなくなってうち捨てられた教会。


「ギルドで聞いたんだけど、夜になるとこの誰も居ない教会で、人影を見かけたって情報があるわ」

「野盗がねぐらにでもしてる可能性は?」

「ないわね。王都って治安良いし。だいいち、ねぐらにするならもっと人の居ない場所にするでしょ。騎士もうろついてるんだし」


 なるほど、と魔王が得心いったようにうなずく。


「まあ一発目で邪神の関係者がここに居る可能性はゼロだろうけど、念のためにね」

「なるほどっす。じゃ、廃墟調べましょう」

「ええ。でも入り口が崩壊して入れないわ。どこか窓から侵入を……」

「【万象引斥力グラビティ・フォース】」


 魔王の手のひらに極大の魔法陣が浮かぶ。

 え……? と驚くマーキュリーをよそに、重力場がそこに発生。


 山積されたがれきが、一瞬で空の彼方……否、宙へとすっ飛んでいったのだった。


 ぽっかーん……とするマーキュリー。


「よし、いきましょう先輩」

「ちょ、ちょいまったぁあああああああああああああああああああああ!」


 マーキュリーが待ったをかける。ほえ、と魔王がかわいらしく首をかしげた。


「なんすか先輩?」

「いや今のなに!?」

「? ただの重力魔法っすけど」

「知ってるよ! それが超高度な、複合極大魔法だってことはね!」


 魔法の奥義、極大魔法。それを複数組み合わせることで、より高度な現象を起こす魔法だ。


 それをこの魔王は、単独で、しかも無詠唱でやってのけたのだ。

 どれだけ高度なことなのか、魔法の訓練を積んできたマーキュリーは知ってる。


 一方……。


「そんな驚くことっすかね?」


 魔王にとって、魔法とは常に身近にあった。複合極大魔法くらい、簡単にできて当然。

 英雄たちほどではないけれど、魔王も十分に反則級だった……。


「あんたもそっち側かい! チクショウ! リーフ君、頭痛薬エリクサー!」

「リーフ先輩ここにいないっすけど?」

「あああそうだったぁあああああああ! カムバッぁああグ! リーフくぅううううううううううううううううん!」


 ……マーキュリーの受難は続く。


【★読者の皆様へ お願いがあります】


ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!


現時点でも構いませんので、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


お好きな★を入れてください!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 89.ツッコミ役もぼけがいなとぼけ役にジョブチェンジ. ぼけがいなと→ぼけがいないと
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ