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78.大量【魔】殺害兵器、を無自覚に作るやーつ



 俺、リーフはバディのお店、彗星工房で作業をしていた。


「リーフ君。何してるの?」


 お風呂上がりのマーキュリーさん。

 バスローブ一枚の彼女は、め、目のやり場にこまるなぁ。


 お風呂上がりはいつもより綺麗だなぁ。

「なに?」

「いえ。ええ、っと作ってたのは忌避剤きひざいです」

「きひざい? なにそれ、聞いたことないけど」

「【猫】よけのお薬ですよ。暴れん坊な猫だけを遠ざける、特有の匂いを発する液体です」


 ふーん、とマーキュリーさんがフラスコの中に入ってる忌避剤を眺める。


 

「【鑑定】……って、ええええええええええええええええええええええ!?」

「どうしたんですかっ」


 俺は先んじて頭痛薬エリクサーを持ってスタンバっとく。


「何先回りして完全回復薬エリクサーもってるのよっ!」

「いらないんですか?」

「もらっとくわよ!」


 やっぱり要るじゃん!

 マーキュリーさんが俺の作った忌避剤を見て言う。


「これ……超高度な神聖魔法が付与されてるわ」

「? そんなの付与してないですけど。まあでも、神聖なる力は発揮するように調合してありますね」


 いやいや、とマーキュリーさんが首を振る。


「なんでただの猫避けに、邪悪を払う神聖なる力がいるのよっ」

「だって、うちの猫たちに、それが一番効くんで」


 マーキュリーさんは頭を抑えながら、俺の作った頭痛薬エリクサーを飲んで言う。


「……ちなみに、その猫ってなに?」

「トウテツです」

「と……!? トウテツですってぇええええええええええええええええ!?」


 どうしたんだろう、スッ……。


「先んじて頭痛薬エリクサーだすのやめーや!」

「いらないんです?」

「いるわよっ! ちくしょう!」


 マーキュリーさん頭痛薬がぶのみする。

「君……トウテツが何者か知ってる?」

「? 野良猫ですよね」

「ちっっっっっがうよわ!!!! 大昔に滅んだ、やばいモンスターの一種!」


 えー?

 モンスター?


「いい? 大昔に、恐ろしい魔神がいたの。で、その魔神を討伐した勇者がいた。その際に、バラバラに引き裂かれて……その死体が、4つの化け物になったっていわれてる」

「4つ?」

「そう。トウテツ。コントン。キュウキ。トウゴツ」


 ああ……。


「全部うちに出る野良猫のことでよね?」

「それら四つの魔の獣は、四凶って言われてぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」


 マーキュリーさんが、叫びまくる。

 今日は絶好調だな! 頭痛薬エリクサー、作りがいがあるぜ!


「四凶が出る!? どこに!?」

「デッドエンド村にですけど」

「こえええええええええええええええよ!」


 ガタガタガタ……とマーキュリーさんが震える。あれ、俺なんか変なこといったかな?


「トウテツとかキュウキとかって、春と秋になると、軒下に子供産んで困るんですよー。だから忌避剤まいて追い払うようにしてるんです」

「四凶が野良猫みたいな扱いになってるぅうううううううううううう!?」

「みたいなっていうか、野良猫のことですよね?」


 だから師匠は、忌避剤を作ったんだよね。

 増えて、居座られてもこまるからね。


「絶滅した凶暴なモンスターが、ふっつーにあそこうろついてるのね……」

「? モンスターじゃないですけど」


 ただの猫ですけど。

 はぁ……とマーキュリーさんがため息をつく。


「そもそも……ね。なんで王都に忌避剤まくのよ?」

「ほら、こないだ変な獣がうろついてたじゃないですか」

「ああ……魔族とその眷属のことね。リーフ君がワンパンした」


 まぞく……? けんぞく?

 よくわからないけど。


「あのへんな獣がうろつかれても困るので、忌避剤まいとこーって。あ、もちろん人間には無害ですし、亜人にもきかないのでご安心を!」


 はぁ~~~~~とマーキュリーさんがため息をつく。


「マーキュリーさん、あんまりため息しちゃいけないですよ。幸せが逃げるって、マーリンばーちゃんが言ってました」

「だ れ の せ いじゃごらあああああああああああああああああ!」


 なんだか知らないけど、マーキュリーさんに怒られてしまったぞ! 反省!

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