表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/257

51.家がやばい


 俺、リーフ・ケミストは奈落の森(アビス・ウッド)のダンジョンをクリアした。

 王都に帰る前に、ヴォツラーク領のお隣にある、故郷のデッドエンド村を訪れていた。


 じーちゃんばーちゃんたちに出迎えられて、俺たちは村に入る。

 家と家の間隔が広い!


 牛馬などの家畜!

 これぞ故郷……! って風景が広がっていた! いやぁ……帰ってきたなぁ実家に。


「マーキュリー嬢。この牛もしや牛頭種では? こっちの馬は馬頭種……空を飛ぶ英雄の牛と馬では!?」

「ええ、その通りよタイちゃん……ここ色々バグってるから気をつけてね……」


 馬ちゃん牛ちゃんたちの顔をよしよしなでながら、俺は村長のアーサーじーちゃんの元へ向かう。


 どこにでも見る普通の、一階建ての平屋だ!

 うぃーん、とドアが自動で横に開く。


「ドアが自動で開いた!? どうなってるのだ!?」

「魔道具よ。人を感知して開くやつ」

「そんな高度な魔道具が使われてるのか!?」


 そういや都会じゃあんまり見ないよね。ここじゃ普通なのに。


 ファミファミファミ~♪ ファミファミファ~♪


「なんだこの音はっ!?」

「呼び鈴よ。人が帰ってきたのを自動で感知して、中の人に知らせる魔道具」

「なんと……なんと高度な家なのだ……!」


 するとアーサーじーちゃんが奥からやってくる。


「リーフちゃん!!!!!!!! お帰り~~~~~~~~~~~~~!」


 くんっ、と体が少し沈むと、瞬く間もなく接近してきた。

 

「はやっ!?」

「せい!」


 俺は突っ込んできたじーちゃんの腕をつかんでそのまま関節をきめる!


「ははは! 体捌き上手になったなぁ! さすがリーフちゃん!」

「じーちゃんの教え方が上手だからね!」

「あっはっは! うれしいこと言ってくれるじゃあないか!」


 にっこにこのじーちゃんから、俺はハグを受ける。

 ああ、なつかしいなぁ。昔は訓練して、そのたびにじーちゃんにこうして、ぎゅってされてきたっけ。


「こ、この老人……縮地を使ってなかったか……?」

「うん。ここの武芸者だいたいそれできるから……」

「人外魔境かここは……」

「そのとおり。ようこそ英雄村へ……」


 む? とアーサーじーちゃんがマーキュリーさんに気づく。


「おお! マーキュリーよ!」

「やめてお爺さま! 突っ込んでこないで! そこの特殊訓練兵とちがって、私は一般人ですので!」


 特殊訓練兵?

 誰のことだろうか……。


「己じゃ……はあぁ。ほんとお元気そうで何よりです」

「わはは! おまえもなぁ……しかし、少し見ない間に綺麗になったのぉ」


 マーキュリーさんはアーサーじーちゃんとマーリンばーちゃんの孫なのだ。


「若い頃のばーさんにそっくりじゃわい」

「そ、そんな……綺麗だなんて……」

「胸はばーさんと違ってぺったんだがな!」

「おいこら殺すぞジジイ? あ?」


 いやぁ、仲良いなぁ二人とも!

 そこへ外からマーリンばーさんが帰ってくる。


「おやぁ、こんな入口で何をたむろってるんですかぁみんな」

「ばーちゃん!」


 少し焦げた匂いがばーちゃんからする。

「何してたの?」

「リーフちゃんを自分の家に呼びたがってるボケ老じ……こほん、村人達とバト……こほん、協議してたんだよぉ」


 そういや村に入るときに一悶着あったな。

 先に行ってなさいっていわれたから、あの後何があったのかわからないけども。

「リーフちゃん、今日は旅の疲れを癒やしてゆっくりするといいよぉ」

「ありがとう!」


 俺たちはばーちゃんの家のなかにはいる。

 うぃいいいん~……。


「ちょっと待て!!!!」

「どうしたの、タイちゃん?」


 タイちゃんが床を指さす。


「床! なぜ床が動いているのだっ……!」

「え? 動くよね、床って?」

「動かんわ……! 普通!」

「確かに王都の床って動かなくてへんだなーって思ってたけど」

「こっちが異常なのだ!!!!!」


 あれれ? そうなのか。

 王都とここ以外、行ったことなかったからわかんないや。


「タイちゃん……ようやく私の苦労がわかってくれたのね……」

「ああ……わが輩ここにいたら、おかしくなる……」

「ほんとそれね。ここまじで頭おかしいレベルで凄い魔法使い、魔道具師がいるから、インフラのレベルが異常にやばいのよ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] テクニカルブレイクスルービレッジ・・・英雄村 恐るべし!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ