269.
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「ぜぇ……はぁ……。お、終わった……」
最後の患者を送り出し、僕は机に突っ伏した。
白衣はシワシワ、髪はボサボサ。
ボタンは引きちぎられ、首筋には無数のキスマークがついている。
健康診断をしただけなのに、激戦地から生還した兵士のような有様だ。
「お疲れ様です、先生」
ジョシューさんが、涼しい顔でお茶を差し出してくる。
彼女は最初から最後まで、僕が揉みくちゃにされるのを特等席で眺めていただけだ。
「……ありがとうございます。それで、診断結果の総評ですが」
僕は震える手でお茶を啜り、カルテをまとめる。
「驚いたことに、全員『極めて健康』です。内臓疾患もなければ、栄養状態も悪くない。むしろ精気が溢れすぎているくらいです」
「それは何よりです。先生のエキスを吸ったおかげでしょうね」
「やめてください、寿命が縮む」
僕はため息をつき、囚人たちに向き直る。
彼女たちは鉄格子の向こうから、まだ熱っぽい視線で僕を見ていた。
「ただ一点、気になることがあります」
「ほう? それは?」
「全体的に、少しふくよかというか……筋肉が落ちています。狭い独房生活のせいでしょうが、完全な『運動不足』です」
健康維持には、適度な運動が不可欠だ。
僕は医者として、真面目な顔でアドバイスを送る。
「いいですか皆さん。健康な体を保つためには、日頃からもっと身体を動かすことが大切です。汗をかいて、心拍数を上げて、筋肉を使う。そういった『激しい運動』を推奨します」
シン……。
一瞬、場が静まり返った。
しかし次の瞬間、女囚たちの瞳が、ギラリと肉食獣の色を帯びた。
「激しい、運動……?」
「汗をかいて、心拍数を上げて、筋肉を使う……?」
「それってつまり……『夜の運動会』ってことよねぇ!?」
ドッッッ!!
空気が爆ぜた。
彼女たちの解釈は、光の速さでピンク色の方向へと直結した。
「い、いえ違います! ラジオ体操とか、ストレッチとか、そういう意味で――」
「キャハハッ! 先生ったら大胆なんだからぁ!」
「運動不足よねぇ! 溜まってるわよねぇ! じゃあ今すぐ解消させてよぉ!」
ガシャガシャガシャッ!
女囚たちが檻から限界まで手を伸ばし、僕を掴もうとする。
「先生ぇ! 私の独房でマンツーマン指導してぇ!」
「いいえ私よ! 私のとこなら、朝まで『激しい運動』に付き合ってあげるわよん♡」
「濃厚な有酸素運動しましょ! ねえ!」
飛び交う嬌声と、むせ返るようなフェロモンの嵐。
彼女たちは完全に「ヤる気」満々だ。
「ち、ちがっ……! ジョシューさん! 誤解を解いて!」
僕は助けを求めて振り返る。
しかし、ジョシューさんは無表情のまま、手元のメモ帳にサラサラと何かを書き込んでいた。
『医師の指導により、全囚人に「運動」を推奨。……なお、指導役は先生にお願いしましょうか』
「鬼か貴女はぁぁぁっ!?」
「さあ先生、こっちに来てぇ!」
「運動しよ! 早くぅ!」
グイッ!
ついに襟首を掴まれ、僕は鉄格子の方へと引きずられていく。
「ぎゃあああああああ! 助けてぇぇぇぇっ! 僕が言ったのはスクワットぉぉぉぉっ!」
僕の悲痛な叫びは、飢えた女豹たちの歓声にかき消されていった。
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