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【WEB版】辺境の薬師、都でSランク冒険者となる~英雄村の少年がチート薬で無自覚無双〜  作者: 茨木野
第五章

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269/273

269.

【☆★おしらせ★☆】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。

「ぜぇ……はぁ……。お、終わった……」


 最後の患者を送り出し、僕は机に突っ伏した。

 白衣はシワシワ、髪はボサボサ。

 ボタンは引きちぎられ、首筋には無数のキスマークがついている。

 健康診断をしただけなのに、激戦地から生還した兵士のような有様だ。


「お疲れ様です、先生」


 ジョシューさんが、涼しい顔でお茶を差し出してくる。

 彼女は最初から最後まで、僕が揉みくちゃにされるのを特等席で眺めていただけだ。


「……ありがとうございます。それで、診断結果の総評ですが」


 僕は震える手でお茶を啜り、カルテをまとめる。


「驚いたことに、全員『極めて健康』です。内臓疾患もなければ、栄養状態も悪くない。むしろ精気が溢れすぎているくらいです」

「それは何よりです。先生のエキスを吸ったおかげでしょうね」

「やめてください、寿命が縮む」


 僕はため息をつき、囚人たちに向き直る。

 彼女たちは鉄格子の向こうから、まだ熱っぽい視線で僕を見ていた。


「ただ一点、気になることがあります」

「ほう? それは?」

「全体的に、少しふくよかというか……筋肉が落ちています。狭い独房生活のせいでしょうが、完全な『運動不足』です」


 健康維持には、適度な運動が不可欠だ。

 僕は医者として、真面目な顔でアドバイスを送る。


「いいですか皆さん。健康な体を保つためには、日頃からもっと身体を動かすことが大切です。汗をかいて、心拍数を上げて、筋肉を使う。そういった『激しい運動』を推奨します」


 シン……。


 一瞬、場が静まり返った。

 しかし次の瞬間、女囚たちの瞳が、ギラリと肉食獣の色を帯びた。


「激しい、運動……?」

「汗をかいて、心拍数を上げて、筋肉を使う……?」

「それってつまり……『夜の運動会』ってことよねぇ!?」


 ドッッッ!!


 空気が爆ぜた。

 彼女たちの解釈は、光の速さでピンク色の方向へと直結した。


「い、いえ違います! ラジオ体操とか、ストレッチとか、そういう意味で――」

「キャハハッ! 先生ったら大胆なんだからぁ!」

「運動不足よねぇ! 溜まってるわよねぇ! じゃあ今すぐ解消させてよぉ!」


 ガシャガシャガシャッ!


 女囚たちが檻から限界まで手を伸ばし、僕を掴もうとする。


「先生ぇ! 私の独房でマンツーマン指導してぇ!」

「いいえ私よ! 私のとこなら、朝まで『激しい運動』に付き合ってあげるわよん♡」

「濃厚な有酸素運動しましょ! ねえ!」


 飛び交う嬌声と、むせ返るようなフェロモンの嵐。

 彼女たちは完全に「ヤる気」満々だ。


「ち、ちがっ……! ジョシューさん! 誤解を解いて!」


 僕は助けを求めて振り返る。

 しかし、ジョシューさんは無表情のまま、手元のメモ帳にサラサラと何かを書き込んでいた。


『医師の指導により、全囚人に「運動」を推奨。……なお、指導役は先生にお願いしましょうか』

「鬼か貴女はぁぁぁっ!?」

「さあ先生、こっちに来てぇ!」

「運動しよ! 早くぅ!」


 グイッ!


 ついに襟首を掴まれ、僕は鉄格子の方へと引きずられていく。


「ぎゃあああああああ! 助けてぇぇぇぇっ! 僕が言ったのはスクワットぉぉぉぉっ!」


 僕の悲痛な叫びは、飢えた女豹たちの歓声にかき消されていった。

【お知らせ】

※2/5(木)


好評につき、連載版、投稿しました!



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