262.心配
僕はミーメイさんとともに、ヘル・インフェルノ女囚監獄へ向かう船に乗っていた。
錆びた鉄と潮の混じった匂いが、湿った風に乗って鼻孔をくすぐる。
やっとだ。なんだか、めちゃくちゃ時間が掛かった気がする。
「くぁ~……」
「…………」
マーキュリーさん、今頃どうしてるだろう。大丈夫かな。連絡一度も来てないけど。
監獄に一人でって、結構ヤバそう。
「主よ、どうした?」
タイちゃんが、小首を傾げてこちらを覗き込んできた。
ここは、船の甲板だ。僕らはどこまでも続く青い海を、手すりにもたれてぼーっと見つめていたのである。
船体が波を切るザザァッという音が、絶え間なく響いている。
「マーキュリーさん大丈夫かなって」
「大丈夫じゃろうて」
「そうかなぁ。だってマーキュリーさん弱いし……」
「主が強すぎるだけで、あの女は十二分に強いぞ」
「そうかなぁ」
なんかいつもやられてるイメージあるんだけど。それか、突っ込んでいるか。
マーキュリーさんがひどい目にあっていたら。想像するだけで、胃のあたりがキリキリする。
「心配なのか?」
「そりゃ、もちろん。だってマーキュリーさん、僕の大事なカノジョだし……」
何かあったらどうしようって思ってしまう。
「大丈夫じゃよ。いざとなったら主がなんとかするんだろ?」
「うん。悪い奴にひどいことされてたら、逆にひどい目に遭わせる。10000000000倍返しで!」
僕は手すりをバンッと叩き、鼻息荒く拳を突き上げた。
「こわっ!」
タイちゃんがビクリと肩を震わせ、ドン引きしたように半歩下がった。
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※12/24
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