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26.異例すぎる昇格

【★☆★読者の皆様へのお知らせ★☆★】


あとがきに、

とても大切なお知らせが書いてあります。


最後まで読んでくださると嬉しいです。



 隠しダンジョンで精霊と出会い、世界樹を治療した俺は、精霊の力で地上へと送ってもらった。

 その後、ダンジョンはクリアされたことで入り口が閉じ、人が入ってこれない状態になるとのこと。


 外に出た俺たちは、Sランク冒険者のエリアルさんたちと合流し、王都へと帰還を果たしたのだった……。


 王都に戻った俺たちは、ギルド【天与の原石】のギルドマスターの部屋へと呼び出された。

 俺、エリアルさん、そしてグエールさんの3人は、ギルマスに今日あったことを報告。


 そこで、【いろいろあって】、部屋を出てきたところだ。


「リーフ君! おかえり!」


 ギルド一階では、マーキュリーさんが、受付嬢のニィナさんと一緒に、俺たちの帰りを待っていた。

 残りのギルドメンバーたちが、わっ! と俺たちに近寄ってくる。


「ギルマスからの呼び出し何だったんだ?」「【ヘンリエッタさん】はなんて?」


 ヘンリエッタさんというのは、さっき俺があったギルドマスターの名前だ。

 とてもきれいな人だった、とだけ、今は言っておこう。


「別に、何もなかったですよ。ただ、今日あったことを報告しただけです」

「ああ……」「そうだな……」


 エリアルさんとグエールさんが、若干ひきつったような笑みを浮かべていた。

 え、どうしたんだろう?


 エリアルさんは息をついて、ぱんぱんと手をたたく。


「ほら、油売ってないで仕事に戻ろうな、みんな」

「えー?」「まじでなんもなかったん?」「だって隠しダンジョンクリアしたんでしょ?」「絶対なんかあったって! なあ!」


 なにか……確かにあった。

 けれどそれは、秘密だって言われてるのだ。


 盾使いグエールさんがひらひら、と手を振る。


「さ、散った散った。オレら疲れてんだ。かえって休ませてくれよ」

「怪しい!」「リーフ君、何か聞いてない?」「ギルマスから特別報酬的な?」「ヒント、ヒントちょうだい!!」


 な、なんかめっちゃ注目浴びてる!

 ダンジョンクリアしたからだろうか……?


「てゆーか、隠しダンジョンどうやってクリアしたんだ?」「そうそう! だって最高難易度のダンジョンだよ?」「いったいどうやって!?」


 どうやってって言われても……。


「まあ、いろいろあってです」

「「「いろいろってなんだよ!!!!!」」」

「すみません、言っちゃダメって言われてるんで」

「「「くそー!きになる!」」」


 とまあ、ギルドで質問攻めにあったけれど、ギルマスとの約束通り、俺たちは黙っていた。

 やがて、俺たちは解散となり、ギルドを離れた。


 夜も遅いということで、エリアルさんが、居候先の彗星工房へと送ってくれた。


 店に到着すると、マーキュリーさんがお茶を出してくれた。

 俺たちは座って、さっきあったことを報告する。


「で、ヘンリエッタさんはなんて? リーフ君」

「俺をSランク冒険者にするって」

「なるほど……Sランク、ね」


 マーキュリーさんはお茶を一口飲んで、ふぅ……と息をつく。

 ふっ、と疲れ切った顔で半笑していた。


「なんだマーキュリー、驚かないんだな?」


 エリアルさんが目を丸くしている。

 だがマーキュリーさんは力なく首を振った。


「驚いてるわ……でも、今日驚きすぎて疲れちゃって……リアクション取れないのよ……」

「え、じゃあ1本飲んどきます? 完全回復薬エリクサー?」

「ありがとう……でも大丈夫。飲んでも治らないものもあるのよ……はぁ」


 そんな!

 エリクサーでも治らないものがあるなんて!


「大丈夫ですか、不治の病にでもかかったんですか!?」

「うん、大丈夫だから、落ち着いて……」

「そ。そうですか……」


 薬でも治せない病気があるなんて、やはり都会、すごい。


「それで……エリアル。ヘンリエッタさんはリーフ君をSランクにするって言ってたの、まじで?」

「ああ、まじだ。大まじだった」

「つい数日前にFランクだったのが、Sって……」



 マーキュリーさんが俺を見て、深々とため息を突きながらも……しかし、どこか諦念じみたものを感じ取れる。


「やっぱり君は……おかしいわ、うん」

「え? おかしいって……? 異常ってことですか?」

「強すぎるって……あ、う、うん。そうよ、う、うん……今回はぼけないのね……」


 なんか困惑してるマーキュリーさん。

 どうしたんだろう、合ってたのに……?

 エリアルさんが感心したようにうなずく。


「しかし……今回のヘンリエッタさんの決断は、驚いたね。まさか、最低ランクから一気に最高ランクだ」

「てゆーか、それ認められるの……? 王国冒険者ギルドって、実力主義な帝国と違って、飛び級はいい顔をされない。まして、FからSなんて異例中の異例よ」

「そう……問題はそこだ。伝統を重んじる気風の王国冒険者ギルドで、そんな異常すぎるランクアップは認められない……それに……」

「それに?」


 エリアルさんが、言いにくそうにしている。

 マーキュリーさんは首をかしげつつ、「なによ?」と催促する。


「ええっと……ね。リーフ君は、Sランク昇格を、断ったんだ」

「……………………………………は?」


 目を点にするマーキュリーさん。

 俺はお茶をすする。うん、なかなか美味い。


「ちょ、は? え、えええええええええええええええええええええええ!?」

「うぉっ、な、なんですかマーキュリーさん? 急に大声出して……」

「あんたが来てからずっと急に大声出してるわよ……!!!!!!!!」

「確かに」

「確かにじゃねええええええええええええええええええ!!!」


 マーキュリーさんが俺の襟首をつかんで、がっくんがっくんと揺らす。


「なんで!? Sランク昇格を断ったのよ!!!!!」

「お、落ち着いて……」

「落ち着けるわけ無いでしょ! どうして!?」

「だ、だって……今回のクエスト、俺なんもしてないし」

「何もしてないですってぇえええええええええええええええええええええ!? げほげほっ! ごほごほ!」


 マーキュリーさんが咳き込む。

 俺はすかさず完全回復薬エリクサーを取り出す。


「飲んどる場合か!」

 

 ぺしっ、と瓶入り完全回復薬エリクサーをはたかれたので、地面に落ちる前に飲み干す。


 エリアルさんが顔をひくつかせながら言う。


「い、今何したんだい?」

「え? 瓶が落ちる前に蓋を開けて中身を飲み干して、瓶を魔法で水を出して洗浄して、魔法バッグにしまった。これを1秒でやっただけですが?」

「もうどこからつっこんでいいやら……!!!!!」


 エリアルさんも頭を抱えてしまった。


「何もしてないってなに!? あれっっっっっだけ大活躍しておいて!? 何もしてない!? なに、嫌み!? 同行しただけで何もしてないわたしへの嫌みなの!?!?!?!?!?!?」

「いいやそういうわけじゃなくて……説明するんで落ち着いてください。はい完全回復薬エリクサー


 俺は完全回復薬エリクサーを2本取りだし、エリアルさんとマーキュリーさんに手渡す。


「おれ……最近この完全回復薬エリクサーが、飲料水みたいに思えてきたよ」

「わたしもよ……これ、超レアな回復アイテムなのにね……」

「え? うちの村じゃ飲料水みたいなもんですよ?」

「「んなわけないだろぉおお……!!!!」」


 ややあって。


 俺はマーキュリーさんに説明をする。


「だって今回の依頼、あくまでも俺は同行しただけですよ。救助依頼が来たのはエリアルさん達【黄昏の竜】あてなんですし」

「そうだとしても、ダンジョンの突破、罠を全部看破、けが人を治し、死者すら蘇生して、さらに隠しダンジョンのボスをワンパンし、さらに瘴気に犯された世界樹を…………………………あ」


 途中で、マーキュリーさんが何かに気づいたような顔になる。

 エリアルさんも、うんうんとうなずいている。


「な、なるほど……ギルマスの言いたいことが、わかったわ……」

「だろう? だから、形式上、まだ彼はFランク。今回の同行でその一つ上、Eランクに昇格って、形式上はなったのだ」「そう……よね。そうせざるをえないわよね……」


 深々と、マーキュリーさんがため息をつく。


「え? 何? どうして納得したんですか?」

「リーフ君、ヘンリエッタさんから説明受けなかったの?」

「いや、難しくて」

「あ、そう……つまりね」


 マーキュリーさんが一息をついていう。

「君の隠しダンジョンでの活躍が……あまりに、異常すぎるの」

「そうだ。君がやったことは、もう現実離れしすぎて、誰も信じてくれないんだよ。それが事実だとしても」


 異常? 現実離れ……?


「何言ってるんです? 俺がやったことなんて、たいしたことないじゃないですか?」

「いや、なにいって……?」

「だってたった、世界を救った、その程度のことじゃないですか?」


 唖然とする、マーキュリーさんたち。


 いやだって、アーサーじーちゃんも、マーリンばーちゃんも、何度も世界の危機を救ってきた。

 デッドエンド村の老人達もみな、幾多の困難を乗り越えてきた。


 世界は幾度となく危機を迎え、そのたびに……じーちゃんたちは救ってきた。

 ほら、全然たいしたことない。


「「…………」」


 ぶるぶる……とマーキュリーさんたちが震えている。


「風邪ですか? なら、完全回復薬エリクサー、飲みます?」


 二人とも、額に血管を浮かべる。

 そして……。


「「あんたちょっと、おかしすぎるすぎるんだよぉ……!!!!!!」」

「おかしすぎるって……ああ、じーちゃんたちと比べて、まだまだ弱いってことですね? わかってます。たった一回世界救った程度じゃ調子に乗りませんよ」


 二人は、声をそろえて……心の底から……高叫ぶ。。


「「強すぎるって意味だよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

【★お知らせ】


これにて第一章は完結となります!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


次話からも頑張って更新していきますので、なにとぞよろしくお願いします。



そして、皆様にお願いです。

少しでもおもしろい、続きが気になる!


と思っていただけたら!

画面下の評価欄から、★をいただけると嬉しいです。


二章以降も、頑張って執筆しようというモチベ向上につながります。


ぜひとも、よろしくお願いします!


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― 新着の感想 ―
[一言] ちょっとリーフの頭の悪さにイラっとしてきた。 そろそろ少しずつ理解しても良さそうなのに脳筋過ぎて読むの疲れてきた。
[一言] 確かに、このような主人公に地位を与えいけない
[気になる点] そんなヤベェ薬ポンポン作って飲料水代わりにしてるのに体の不調が出るなんとかエンドの村人ってなんなんやろか
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