表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

256/257

256.雷よりも




 雲の中に引きずり込まれたタイちゃんを救うため、僕は迷わず飛び込んだ。


 嵐が荒れ狂う中でも、彼女の匂いの跡ははっきり追える。

 ――が。


「気をつけてください、ミーメイさん……」

「ど、どうしたんすか?」

「敵意の匂いです」

「! 敵……!? い、一体どこに……?」


 どこに、と聞かれても答えようがない。


「敵意の匂いに、囲まれてます。……というか、僕らは敵の腹の中にいるようです」

「な!? ど、どういうことっすか!?」


「文字通りです。僕らは敵の体内に飛び込んでしまったんですよ」


 その瞬間――空気が一変した。

髪の毛が逆立ち、皮膚がビリビリと痺れる。


 次の瞬間、真っ白な閃光が視界を焼き、耳を破るような轟音が響いた。


 ピシャァァァッ!!

 ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!


 雷は一直線に、僕めがけて落ちてきた。

 距離にしてゼロ。落ちてきた瞬間には、もう当たっていた――


「うぉっ!? リ、リーフさん!? 大丈夫なんすか!? 黒焦げっすけど!?」

「大丈夫!」


 服は焦げてるが、体は平気だ。


「て、てゆーか今ナニが起きたんすか……?」

「え? 雷が僕に向かって落ちてきたので、ミーメイさんを空中に放り出して回避させました。で、僕が雷を受けた瞬間にキャッチし直した……それだけです」

「いや……もうなんなんすか!? でたらめっすよぉ!」


「? これくらい普通ですよね?」

「雷と同じ速度で動いてることの、どこが普通なんすかぁあああああああ!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ